贖罪
果てにはなにが待っているのか...
### 12
その夜、俺は一人でリオンの遺体の横に座っていた。
仲間たちが駆けつけ、司令官も来たが、俺は誰とも話さなかった。
ただ、リオンの冷たい手を握っていた。
「なんで……なんで一人で逝っちまったんだよ……」
答えは返ってこない。
やがて、遺体は兵士たちによって運ばれていった。
俺は一人、部屋に残された。
手には、破れた遺書。
これが、親友が残した最後のメッセージ。
俺は立ち上がった。
もう、迷わない。
真実を知る。全てを知る。
そして、この狂った世界に決着をつける。
リオンが命を懸けて教えてくれた真実。
それを無駄にはしない。
### 13
翌朝、俺は砦を出た。
仲間たちは止めようとしたが、俺は聞かなかった。
「勇者様、どこへ行かれるのですか?」
ガルドが問うた。
「北へ」
「魔王城へ、ということですか?」
「ああ」
「しかし、まだ準備が……」
「一人で行く」
俺は冷たく言い放った。
もう、誰も巻き込みたくない。
俺は勇者なんかじゃない。
「せめて、我々も……」
「来るな」
俺は強い口調で言った。
「これは、俺一人の戦いだ」
仲間たちは黙った。
俺は彼らに背を向け、歩き始めた。
リオンの遺書をポケットに入れて。
親友の最後の言葉を胸に。
空は灰色で、風は冷たく、世界は絶望に満ちていた。
だが、俺は歩き続けた。
真実を知るために。
そして、贖罪するために。
薬の瓶を、俺は道端に投げ捨てた。
もう、幻覚は要らない。
真実だけを見る。
どんなに醜く、恐ろしくても。
それが、人間として生きるということだから。
評価コメントしてください




