親友
...
### 8
翌朝、戦闘が始まった。
砦の門が開き、王国軍が進軍する。俺たちはその先頭にいた。
平原の向こうから、魔王軍が現れた。
数百のオーク、ゴブリン、そして巨大な魔獣たち。
「突撃!」
司令官の号令と共に、両軍が激突した。
俺は聖剣を振るい、前へ前へと進んだ。
斬る、斬る、斬る。
魔物が次々と倒れていく。
だが、今日はいつもと違った。
薬を三回飲んでいるのに、幻覚が止まらない。
魔物の姿が、人間の姿に重なって見える。
兵士、農民、商人、子供……様々な人間の顔が、魔物の顔と重なる。
「やめろ……やめてくれ……」
そんな声が聞こえる気がした。
「ルーク!しっかりしろ!」
リオンの声が聞こえた。
俺は頭を振り、必死で意識を保った。
戦場は地獄だった。
血と悲鳴と死体。
それが魔物のものなのか、人間のものなのか、もうわからない。
ただ、剣を振るい続けた。
やがて、戦闘は終わった。
王国軍の勝利だった。
だが、俺の心には何も残らなかった。
ただ、虚無だけがあった。
### 9
砦に戻ると、リオンの姿が見えなかった。
「リオンを見なかったか?」
俺は仲間たちに聞いた。
「いえ、戦闘後、姿を見ていません」
ガルドが首を振った。
「彼なら自室に戻ったのでは?」
エレナが言った。
俺はリオンの部屋へ向かった。
扉をノックしたが、返事がない。
「リオン、いるか?」
もう一度ノックする。
やはり返事がない。
嫌な予感がした。
俺は扉を開けた。
### 10
部屋の中は薄暗かった。
窓から差し込む夕日が、部屋を赤く染めている。
そして、その光の中に、リオンがいた。
ベッドの上で、動かずに横たわっている。
「リオン……?」
俺は近づいた。
リオンの首には、深い切り傷があった。血が大量に流れ、シーツを赤く染めている。
手には、血まみれのナイフが握られていた。
「リオン!」
俺は彼の体を揺さぶった。
だが、もう冷たくなっていた。
「嘘だろ……嘘だと言ってくれ……」
俺は彼を抱きしめた。
親友が、死んでいる。
自分で命を絶った。
「なんで……なんでだよ……」
涙が止まらなかった。
そして、リオンの手に、一通の手紙が握られているのに気づいた。
血で汚れ、一部が破れている。
俺は震える手で、それを取り上げた。
### 11
手紙は破れていて、一部が読めなかった。
誰かが意図的に破ったのか、それとも血で滲んで読めなくなったのか。
震える文字で書かれた遺書には、こう記されていた。
---
**ルークへ**
**これを読んでいる■■■■、俺はもう■■■■。**
**お前に真実を■■■。**
**お前が殺しているのは◾️◾️じゃない。◾️◾️だ。**
**お前は「勇者◾️◾️」という■■■■で、脳に特殊な薬物を■■■■。その薬は人間を◾️◾️として認識させ、■■■■を可能にする。**
**俺はお前の■■■だった。真実に気づいたお前を■■■する役目を■■■■。でも、できなかった。お前は俺の■■■だから。**
**■■■■には何か裏がある。■■■■の思惑、もっと大きな■■■。でも俺も詳しくは■■■。ただ、お前は■■■■されているだけだ。**
**もし本当の真実を知りたいなら、魔王◾️へ行け。そこに全ての答えがある。**
**頼む。人間として生きてくれ。■■■じゃなく、■■■じゃなく、一人の人間として。**
**それが俺の最後の■■■だ。**
**■■■として、お前の幸せを祈っている。**
**リオン**
---
手紙は所々破れていて、重要な部分が読めなかった。
だが、読める部分だけでも十分すぎるほどの衝撃だった。
俺が殺しているのは...
俺は何者なのか...
薬は俺を操るためのもの。
リオンは俺を……何かする役目を負っていた。
そして、どこかに全ての答えがある。
「くそっ……くそっ……」
俺は手紙を握りしめた。
読めない部分に、もっと重要なことが書かれていたのかもしれない。
だが、もうリオンはいない。
真実を聞くことはできない。
評価コメントしてください




