いい感じの枝
地面に落ちていたいい感じの枝があったので拾った。
枝なんかが役に立つかと思うが、そういう事じゃない。
ただぶらぶら歩くだけだと退屈なので、枝を持っているのだ。
それに、役に立つとか立たないかなんて、持ってみないと分からないだろう。
手にした瞬間に何かすごい遊び方が思いつくかもしれないし、枝に秘められた何らかの秘密に気が付くかもしれない。
そういうわけで、俺は良い感じの枝を拾って、手に持ちながら歩いている。
ただ、このいい感じの枝、この辺ではみない色と形をしているんだよな。
どうしてこんなに白いんだろう。
ボール遊びをしていたスケルトンモンスターのおいらは、近所のおじいさんが散歩しているのを見かけた。
おいらが挨拶すると、おじいさんは自分の息子と勘違いして、全然知らない過去の事を話し掛けてくるからちょっと苦手だけど。何だかんだいって、物知りだから嫌いじゃない。
そんなお爺さんは、90年以上生きてるからもう寿命が近いらしい。
体のあちこちがガタついていて、今にもお空にいってしまいそうだった。
老いって怖いものなんだなって思うけれど、でも子供みたいに楽しそうにしているから、当人はきっとそれほどじゃないんだろうな。
だって、さっき体の先っちょが壊れちゃったけど、あんなに楽しそうにお散歩してるんだもの