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孤児少女と行く異世界無双ライフ  作者: そら
第1章 異世界
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ようこそパラジュリアへ

それから雑談をしながら30分程歩くと、

大きな城門が見えてきた。


「あれがパラジュリアだ。結構デケェだろ?」


「あぁ、そうだな。随分と立派な城門だな」


正直この街が大きいのかどうかなんて

分からないが、とりあえず同調しておく。


「ガハハハッ、そうだろ!もしスタンピードが

起きようとこの城門は破れねーよ!」


(スタンピードが何かは知らないが、こいつが特大のフラグをたてた事だけは分かるぞ!?)


「お、おう...そうだな」


何も起きない事を願いながら、街へと向かう。


「そういえば、身分証とか無いけど入れるか?」


「まぁ、いちいちそんなん持ってる奴もあんま

居ねーしな。少し検問されるだけで問題なく

入れるぜ」


それを聞いて一安心する。


俺は転生したわけでは無い、言わば存在しない人間

なのだ。もし細かい調査をされれば、何処ぞの国の

間者とか疑われてしまうかもしれないしな。


俺は城門に立っている兵士...門番?に話しかける。


「すまない、身分を証明出来る物をを持って

居ないんだが...」


「あぁ、旅人かい?ようこそパラジュリアへ。

そこの部屋で軽く話を聞くぜ」


門番は城門の中に付いているドアを指さした。


ラッカスは親指を上に上げながら、

ピカーんという効果音が付きそうな笑顔で


「先に中で待ってるぜ」


(おいラッカス、俺を1人にする気かよ!)


「旅人さん?早く来な」


「あ、あぁ。今行く」


俺は門番に付いていき、ドアを通る。


中は一般的な部屋位の大きさで、質素な机と椅子

が置いてあった。机の上には青い水晶玉の様な

物があった。


(怪しい占い師みたいだな)


「さて旅人さん。まずはこの魔道具に触れてくれ」


『鑑定』


◇◇◇◇◇◇

照合水晶


触れた物が、事前に登録されている犯罪者かどうかを調べる魔道具。

主に指名手配されているかを調べる為に使われる

◇◇◇◇◇◇


俺は身分や出生を調べる物で無いと確認して、

水晶...魔道具に触れた。


「よし、特に指名手配はされて無いな。

この街にした目的はなんだい?」


「倒した魔物の素材を売って、食料品を

買い込む為だ。」


「成程な。って事は収納魔法か魔道具でも

持ってんのか?」


門番が問い質す様に聞いてくる。


何だ、何か間違えたか?


「あぁ、魔道具を持っている。何か問題あるか?」


心臓が早鐘をうつ。直ぐに動ける様にほんの少し

体制を変え、返答を待つ。


「いや、若ぇのに珍しいもんを持ってるなと

思っただけだ。」


「あぁ、旅の途中でたまたま手に入れたものだ」


良かった、珍しかっただけの様だ。


「そうか、中々腕も立ちそうだし、いっそ

冒険者登録でもしてったらどうだ?

街に入る度こんな事すんのも面倒だろ?」


ほう。冒険者になると身分が保証されるのか。


「あぁ、そうだな。折角だし登録するか。

この街は何処で登録出来るんだ?」


「ギルドの場所か?それなら、さっき一緒に居た

ラッカスに案内して貰うと良い。丁度依頼終わりだからギルドに顔出しに行く筈だ。」



門番はそう言いながらドアを開ける。


(やっぱギルドとかあるのか!)


「まぁ、何はともあれ、ようこそパラジュリアへ」


俺は門を通り、街の中へと入る。


人々の喧騒、正にファンタジーという街並み。

そして、多種多様な種族。

頭から猫の様な耳や、尻尾が生えている種族や、

全身が毛で覆われ、二足歩行の犬のような

見た目の者もいる。


「すげぇ....」


俺は思わず息を飲む。まるで初めてゲームをやった

時の様な、嫌、それ以上の高揚感。

感動という言葉では全く足りない。


「よぉ、何事も無く街に入れてみたいだな....って

どうした?そんな呆けた顔して?」


門をくぐって直ぐの所で待っていたラッカスが

話しかけてくる。


「いや、何でもない。もし良ければギルドの

場所を案内してくれないか?」


「あぁ、良いぜ。どうせ俺達もこれから行くからな」


快諾してくれたラッカスの後ろを追いかける。



それから2分程歩き、前を先行していたラッカスが

足を止める。


「ここがパラジュリアのギルドだ」


ラッカスは、すげぇだろ?と言った様な顔で、

すぐ隣の建物に目線を送る。


そこにあったのは、2つの剣が交差するマークが

書かれた看板が置いてある、他の建物に比べれば

少し大きめの建物だった。


( これがギルドか...なんと言うか、これぞギルド!

って感じがして、男心がくすぐられるな)


「これがギルドか。今から登録しようと

思うんだが、何か必要な物とかあるか?」


「いや、特に必要な物はねぇが、あんただったら

特待試験も合格出来るかもな」


聞き慣れない単語が出て来た為、俺はラッカスに

聞き返した。


「特待試験?」


「あぁ、本来Hランクから始まるギルドランク

をもっと上のランクから始められるってやつだ」


「そんなのがあるのか。それって貴族とか

お偉いさんの為の制度って訳じゃ無いのか?」


「まぁそういう使われ方もするが、表向きは

強い奴に無駄な時間を過ごさせない為だ。

滅茶苦茶強い奴が雑用なんかやってたら

勿体ねぇだろ?」


(成程、確かにそういう制度は割と合理的だな)


「ん?自分のランクより上の依頼は受けれないのか?」


「そうだな。魔物の換金とかは出来るが、依頼としては自分の1個上のランクまでしか受けられねぇ」


(自分で言うのは何だが、俺は結構強い方だろうし

、強い魔物と戦った方が金も貰える筈だしな)


「特待試験とやらを受けてみるか」


「おっ、良いねぇ。頑張れよ!」


俺はラッカスに背中を叩かれる。


「まぁ、やれるだけの事はやるよ」


俺はそう言い、ギルドのドアを開ける。

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