ヴィーヴル
裏で新しいシリーズを書き始めるので投稿頻度がかなり落ちると思います( ;´꒳`;)
いつ始まるかは分かりませんが、是非新シリーズも
読んで頂けると嬉しいです!
「マジかよ...っ!」
一瞬魔弾の威力に呆然としていたが、右手に走る
激痛によって意識が現実に引き戻される。
「めっちゃ痛てぇな!まぁあんだけ大量の魔力と
魔法陣を右手1本で使ったんだから当然と言えば
当然か」
あの魔法は右手1本でしか出来ないからこの威力の
魔弾は奥の手かな。銃をイメージしてるせいか、
左手とかで弾を作っても右手に移せないんだよな。
「さて、メルに心配をかけない為にも急がないと」
俺は負担にならない程度の速度で駆け出した。
◇
「見つけた!」
俺は視界の隅に、10m程の巨大な蛇に蝙蝠のような翼が生えた魔物を捉える。
「今日中に終わりそうだな」
自身と剣に付与魔法を掛け、飛び出す。
『跳躍、スラッシュ!』
ギィンッ!!という硬い物同士がぶつかる音が響く。
俺の剣は鱗に10cm程傷を付けて止まった。
「ちっ!」
後ろから迫るヴィーヴルの尻尾を感知し、剣を引き抜き小さく上に跳ぶ。
「これからどうだ、『刺突』」
今度は尻尾に先程の倍くらい深く剣が突き刺さった、が。
「浅いな」
一旦後ろに跳び10m程距離をとり、右手を突き出す
「喰らいやがれ!『魔弾』」
さっきの半分位の魔力で魔弾を撃つ。恐らくこれ位が負担なく使える全力だろう。青い閃光が炸裂する
「あんまり効いてる感じじゃ無さそうだな...」
爆煙から出てくる蛇を睨みつける。
「どんだけ硬ぇんだよ...っ!」
ヴィーヴルの魔力が急激に上昇する。その魔力は
全て口の中に集約されて行く。
『疾走』
俺はヴィーヴルを中心にぐるぐると走り回る。次の
瞬間、口から紅蓮の炎が俺目掛けて駆ける。俺は当たる直前に横に跳躍する。
「あっぶねぇなぁ!クソ蛇!!」
俺は魔弾を4、5発撃ち出す。魔弾はヴィーヴルの
周囲で爆煙を撒き散らす。威力は弱めだが、代わりに爆発範囲を増やして爆煙で目くらましをする。
その間に、左手を前に突き出し、右手を少し曲げ、剣を真っ直ぐ相手に向ける。突きの構え...みたいなものだ。剣と足にありったけの魔力を注ぎ込む。
『風疾り、縮地、刺突!』
俺は風の様に駆け抜け、剣を突き刺す。今度は刀身全てが鱗を裂き、肉に呑まれる。衝撃でヴィーヴルの後ろの地面が抉れ、風が吹き荒れる。
「体の中なら流石に効くだろ?」
更に魔力を剣に注ぎ込む。剣を中心に魔法陣が幾つか展開され、青い閃光が迸る。
『魔弾っ!!』
剣が突き刺さっている辺りの鱗と鱗の間から青い光が漏れだし、肉が、鱗が膨張する。そして遂に破裂し、爆風に乗って鮮血が飛び散る。
「よし、これで勝っ......?」
次の瞬間、俺の視界が物凄い勢いで回る。世界が
赤く見える。痛覚耐性を得てから...嫌、その以前から感じた事の無い痛みが身体を襲う。痛みした考えられなかった俺の意識を晴らしたのは、これまた
痛みだった。壁に叩き付けられる。
「ああぁぁぁ!」
左の手足が動かない、体から赤い液体が溢れ出る。
赤く染る世界の中、ゆっくりと近づいてくる物を
睨み付ける。
「クソ蛇がっ....!」
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