確かな重みと温かみ
学校の定期テストが近いので暫く投稿頻度が低くなります!すみませんm(_ _)m
「すまない、連れを1人泊めたいんだが...」
俺は宿屋の店主に申し訳無さそうに聞く。
「あぁ...悪ぃが部屋が埋まってんだよ。相部屋
でも良いなら大丈夫だが...」
「まじか...メル、俺は野宿だか他の宿を探すから
ここの宿の部屋で寝ててくれないか?」
「私は、ゆーたと相部屋、全然良いよ?むしろ...
少し嬉しい....かも」
「え?」
俺は驚きのあまり頓狂な声を漏らしてしまった。
嬉しい?平気とかなら分かるが、嬉しいなんて事あるか?....いや、メルは両親と死別してからずっと
1人で生きてきたんだ。それにまだ年端のいかない少女だ。人肌恋しい事も有るだろう。っと、俺は
結論付ける事にした。
「そうか...そういう事らしいから相部屋で頼む」
「何だ、坊主も案外隅に置けねぇな」
「はぁ...そういうんじゃねえよ」
「隅に置けねぇって...どういう意味?」
「メルは知らなくて良い」
「?」
「メル、行くぞ」
俺はこのケラケラ笑うおっさんに呆れながら、朝夕
の飯付き料金をカウンターに置き、頭にハテナを
浮かべているメルに声を掛けて部屋へと向かう。
「いいか、メル。こんな簡単に他人に付いてきちゃ駄目だぞ?何をされるか分からないんだから」
「私はゆーたたがら付いてきたんだよ。ゆーたを
他人とも、酷い事をする人とも思ってないし」
「それは...素直に嬉しいけれども!」
いきなりのデレに俺は叱るに叱れなくなってしまい、悶えてしまう。
「ゆーた大丈夫?どこか痛いの?よしよし」
「あ、あぁ大丈夫だ。ありがとう」
メルはそんな俺の頭を撫でる。これ以上の追い討ちは心臓に悪いと思い、背筋を伸ばしメルに向き直る
「まぁ兎に角、俺以外の奴にはなるべく付いて
いかない様に...ってヤンデレ彼氏みたいだな俺」
俺は自分の発言にボソッとツッコミを入れてしまう
「うん、勿論付いていかないよ。私が付いていく
のはゆーただけ」
本当に心臓に悪い。
「一先ず、夜も更けて来たし寝ようか」
「分かった」
「ベッドはメルが使って良いから」
俺がそう言い、床に布団を掛けて寝ようとすると、
メルが驚いたように声を上げる。
「ベッドで一緒に寝ようよ?」
「ゴフッ...それは流石に...異性と同じベッドで寝るっていうのは、好きな人同時とかがやるものだし」
「私はゆーた好きだよ?ゆーたが私の事を
好きって言ってくれたのは嘘だったの?...本当は
嫌い?」
俺が遂に吐血していると、メルは今にも泣きそうな
顔と声で聞いてくる。
「いや、そういう訳じゃ...ただ、メルはまだ
あんまりそういうの分からないかもしれないが、
同じベッドで寝るっていうのは流石に...」
「私、これでもそういうのはちゃんと
分かってるよ?その上で言ってるの」
「そ、そうなのか..うーん...そうだな、正直少し
恥ずかしいが、俺は全然嫌じゃ無いから、メルが
そうしたいなら...うん、全然良いよ」
まぁ、正直美少女と同じベッドで寝れるのは
嬉しい...ゲフンゲフン
「よし、じゃ寝ようか」
「うん」
俺がベッドに入ると、メルが潜り込んできた。
そして俺の腕を枕にした。
「グハッ....は、反則だろ、これは」
「ゆーた、本当に大丈夫?」
メルはグイッと、俺と10cm程の距離まで、
顔を近づけ、不安げに俺を見つめる。
「あぁ、メルが可愛すぎて」
「かわっ!?」
メルはボンッと、頬を朱に染めて、俺の手首辺り
まで半回転して顔を背けるが、耳が真っ赤になっている。
(まさか俺の口からこんな言葉が出るなんてな。
ただ、メルの珍しい姿も見れたから結構オーライ
だな)
俺は手にかかる、確かな重みと温かみを感じながら眠りにつくのだった。
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