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トラック転生大好き女神様

―――視界がボヤけて、辺りの状況が分からない。


ただ、泣きじゃくる少年の声と、お経の様な声が聞こえる。


脳に霧が掛かったように、思考がハッキリしない。


ここは何処、この声は誰の、何故泣いてるんだろう、何で俺の体は動かないんだろう、そもそも俺って何だったっけ、何で―――


そこで、俺の目は覚めた。


目の前に映るのは全てが白い世界。

隅も天井も無い、ただ無限に広がる白い世界。

そして、姿がブレるせいで形はよく分からないが、ふわふわと浮いている電球の様な光。妖精?


どれだけの時間かは分からないが、夢を見る程度の長さは眼を閉じて居たはずなのに、その光は眩しいとは感じなかった。


まず、何で俺はこんなよく分からない所に。

空から降ってきたトラックに潰された所までは覚えてるが―――


『おはようございます。随分と落ち着いていますね』


俺の思考は、その声で断たれる。


女性の、声がいくつか重なった様な声だ。

威厳があるが何処か優しい声だ。

この声の主は恐らく....

「この電球の妖精か」


『私はそんな珍妙な妖精では有りませんよ』


やっぱりこの声は電球の妖精(仮)の声か。


『いきなりトラックが3連続で突っ込んできて、目が覚めたらこんな所に居るのに、随分と落ち着いて居ますね』


「まぁ、トラックからの白い世界は使い古されたネタですからね。貴女は、女神的な存在って認識で合ってますか?」


『えぇ、その認識で正しいですよ。碧 悠太さん』


女神なのだから俺の名前を知っていても当たり前だろうし、この謎生物が女神と言うのも恐らく嘘では無いのだろう。


俺をトラックで殺したのもこの女神か?

だとしたらこの女神トラック転生好き過ぎだろ...


だが、そんな事より俺は目が覚めてからずっと疑問に思っている事がある。


「ひとつ聞いても良いですか?」


『私に答えられる範囲であれば』


その言葉を聞いた俺は、その疑問を口にする。


「何でなろう系と全く同じ展開何ですか?」


『いえ、地球にあるなろう系...転生物と呼ばれる物は、人間が転生する際に戸惑わない為に神が作った物です』


「なん.....だと......」


驚いた。

世界の真理を知ってしまった気分だ。

......ん?


「つまり俺はこれから()()するって認識で合ってますか?」


『いいえ、貴方には異世界に()()して貰います』


つまり、この体のまま、異世界に行くって事か。

そうなると、一つ、とても重要な事を聞かなくてはならない。


「チート能力は貰えますか!?」


『勿論です』


「フオオオオオオウアアアアアア!!!!!!!!」

(そうなんですね、ありがとうございます)


『言う事と考えてる事が逆になってませんか?』


「コホンッ....失礼しました」


...........


「因みに、どんな能力が!!」


興奮を抑えられない俺は、少し早口で大きめの声で聞いた。


...........


「コホンッ」


『ふふふ、気になりますよね』


物凄くいたたまれない。


『与える能力は.....』


「能力は........?」


『それは.......』


「それは.......」


『それは......』


....この女神、分かってやがる


『望む能力を3つ与えます!』

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― 新着の感想 ―
[良い点] 女神様より3つも!どんな能力でしょうか!
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