表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/15

4人の狩人 中

今年、受験だ・・・(泣き)

 食堂に行くと、満員御礼状態。ほとんど、席が空いてない。

 今いる場所は基地だ。基地の中の食堂。自衛隊の基地を改装した基地で第23機械化機動部隊のほか3部隊がこの基地に入っている。かなり窮屈な基地なってしまっている。

「うわ、たくさん人がいる・・・」

 大勢の人を見て初の口から思わずポロリっと言ってしまう。

「この基地は、過密かみつしてるから。ほら、行くぞ飯がなくなっちまう」

 裕緒が先頭を切ってイスとイスの間を進んでいく。

「お、前線隊長遅いじゃないですね?」

「会議でな」

「前線隊長今度、トランプで賭けしませんか?」

「お前が破産してもいいならやってやる」

「げぇ」

「お疲れ様です。前線隊長どの」

「おう」

 声をかけてきたのは、第23機械機動部隊の隊員だ。普通に声をかける隊員、賭けを挑む隊員、敬礼をする隊員。

「あんたすごい信用置かれてるな」

「ん、そうか?」

 人と人の隙間を抜けようやく、カウンターについた。

 調理場では数人のおばちゃんたちがいる。

「さぁ、選べ。ちなみにお勧めはBランチだ」

 壁に張られたメニュー表には多数のメニューがそろっている。軍隊でありながら、少しばかり豪華ごうかで食す料理に迷う。まさに、どこかにありそうな食堂だった。

 裕緒に言った通り、Bランチに『一番人気!! 兵隊たちよ、腹いっぱいに食え!!』と赤い文字で堂々と書かれている。

「じゃ、Bランチ」

「あたしも」

「ボクは・・・ラーメンをお願いします」

「・・・カレーライス」

 シンゲツとツキカはお勧めのBランチ。初はラーメン。凜がカレーライス。

「おばちゃん、おれもBランチ。あれ? 山川、どうした?」

 新兵の山川平次やまわかへいじ。手にお盆を持ってうろうろしている。

「銃の整備に遅れて。前線隊長も今からですか?」

「ああ。会議でな」

「あの・・・。彼らは誰ですか?」

「彼ら? ああ、あいつらか・・・新入り?」

 シンゲツ、ツキカ、初、凜のことだ。4人が国際連合軍ユニオンの非公開組織の偉大なる狩人グラン・バヌールであることは言えない。以前の作戦で増援が偉大なる狩人グラン・バヌールとは言ってしまったが、それを、今ここで言うわけにもいかない。

「新入りですか・・・」

「ああ! そうだ!」

 やや焦って答える。

「なるほど。でも彼ら・・・偉大なる――」

「――おおお、お前! 一人か!? 一人だよな! 一緒に食おうぜ!」

 強引に平次の言葉に乱入して、平次を食事に誘う。

「・・・はい。別いいですよ」

「そ、そうか!」(あ~、危ないかった・・・)

 胸中でそう安堵した。

 先に席に着いていた4人とロイスとレイエス。ちゃんと、席をとっておいてくれた。

「あれ、少ないな? 悠美さん」

 隣に座った悠美の昼ごはんの、量が少ない。

「ダイエット中です・・・・」

「また・・・」

「ヘイ! 彼女!」

 そこにだ。青い隊員服を着た5人組の隊員たちがツキカに話かけて来た。話かけて来たというより、ナンパに近い。

 第23機械化機動部隊ではない。よその部隊だった。

「な、なに?」

「今ひま? ひまなら一緒にどっかいかない?」

「おお! こっちの子もかわいい。君いくつ?」

「・・・・」

 一人が凜に話かけた。

 もう、これは完璧なナンパだ。

「君、髪の毛ながいね~」

「!」(助けて!)

 ツキカの長い髪に触る。さすがに、驚いた。

「お前ら――」

「――お前らやめろ!!」

 裕緒がその隊員たちに怒声どせいを出すが、そこにシンゲツの怒声にかき消された。食堂に響いたシンゲツの怒声が、この空間に沈黙と一触即発という空気を生んでしまった。

「なんだよ・・・。ガキ」

「おめぇ・・・新入りか? いいんですか? 二等兵にとうへいが上官に反抗して」

 不良が一般人に絡むように、シンゲツに威嚇いかくのような態度をとる。シンゲツはその隊員に真っ向から対立する気だ。

「だったらなんだ! それに俺は二等兵じゃねぇ!」

「『二等兵じゃねぇ!』かよ! じゃ、なんだよ?」

「ゴミ野郎に言う口はない!」

「ゴ、ゴ・・・ゴ・・・ゴミ野郎おおおおぉぉぉ!? よくも言いやがったな! この野郎!!」

 殴りの体制に入る。軍人ならすきのない軍隊格闘をすべきだが、まるでチンピラだ。モーションが大きい。シンゲツはその動きをとらえた。

 向かってこぶしを左手で受け止め、引きよそて、右手で顔面を殴った。

「ぶふぁはああぁぁ!!!」

 渾身こんしんの一撃。相手は宙を軽く浮いて、1メートル先の床に体全体を打ちつけた。

「って、シンゲツ!?」

「・・・あ・・・・・」

「こいつ、テスタメント?」

 1人がそう判断した。その判断は間違いじゃない。17歳の男子が大の大人をぶっ飛ばせるわけがない。しかし、テスタメントなら人間の17歳男子の平均筋肉量で、数段上の筋力を発揮する。そして、兵士として訓練を受けたシンゲツは中肉の体で、成人男性の2、3倍の筋力がある。

 テスタメントとは、21世紀に入ってすぐに発見された進化した人間である。あらいる面において人間より進化しており『テスタメント(神との契約者)』と呼ばれている。そして、学者たちはテスタメントの能力を恐れて『バケモノ』と呼ぶ者たちもいる。世界中に数百万人いると推測されるが、実際はそれ以上と考えられている。

「テスタメント? なんでテスタメントがここにいるんだよ! バケモノが!」

「!」

 唇を強く噛んだ。血が滲むほどに。

「もう一度言ってみろ!」

「ああ? 『もう一度言ってみろ!』だ? 何度でも言ってやるよ!!」

 シンゲツの顔に向かって拳が向かってくる。近距離だ。人間ならまぶたを閉じるだけしか反応できないが、シンゲツは反応した。左手で拳を受け止めた。

「い!?」

 右手で相手の顎に向けてアッパーを直撃させた。真上に飛ぶ。殴った衝撃で脳が脳震盪のうしんとうおこしただろう。力なく床に落ちた。

「こ、このォ!」

「シンゲツ!」(やめて! とめることを可能に!)

「あ・・・」

 シンゲツは何かを悟ったようだった。急に構えが緩んだ。そこに、再び拳が腹に向かってくる。シンゲツはそれに反応しない。そして、直撃した。

「ぐぅ!」

「・・・へ、へへ、何がテスタメントだよ・・・・・弱いじゃんか」

 さすがに、痛い。シンゲツはそこに膝を落とした。

「ボコしちまえ!」

「お前ら! ロイス! レイエス!! あと・・・山川とめるぞ!」

「ええ!?」

 その前に初が止めに入る。しかし、初一人では無理がある。

「いいぞ! やっちまえ!!」

「そのへぼやろうボコしちまえ!!」

「俺は第23の前線隊長に賭けるぜぇ!」

 野次馬が周りを囲んでいた。挙句の果てには賭けまでしていた。

「貴様ら何をしているかッ!!」

 そこに低い男の声がした。乱闘も止まり、声の主を方を向く。加藤部隊副総指令官だった。眉間にしわをよせている。全員が、ビッシっと直立する。

「何をしているかと聞いている!」

 裕緒の前に立ち問う。加藤部隊副総指令官の独特のオーラに圧倒される。

「ナ、ナンパであります!」

「なに?」

「アイツらです!」

 と、指を刺す方向にはシンゲツが殴って延びた隊員が2人とその仲間の3人。

「シンゲツ、大丈夫?」

 腹を抱えたシンゲツにツキカが寄り添う。

「ああ、大丈夫だ。ツキカ」

「なに?」

「“使った”だろ?」

 その言葉をツキカに向けると、表情が曇った。そして、落ちた声で言う。

「ごめん・・・」

「いや、おかげで助かった。ありがとうな。ツキカ」

ガンダムユニコーン見ました。いや~、かっこいいですね。デストロイモード! まさか、コックピット内部も可変するとは・・・。

そんなこんなで「今日も楽しくデストローイ!!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ