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落日の逃亡 後

つぶやき・・・ネタが! ネタがぁぁぁぁぁああああ!!! ない・・・・・

4時58分


「「テスタメントを研究したい!?」」

 下校時間の校門前。部活動をしていない生徒は下校。その中で、シンゲツとツキカは思わず大声を出してしまった。その声に数人の生徒が振り返った。

 初と凜も一緒だ。

「パパとママから聞きました。お2人とも研究に協力してくれいって」

「え、ご両親もテスタメントの研究を?」

 初が問う。

「そうです。あのう、シンゲツセンパイとツキカセンパイとはどのような関係で? なんでも、同じ日に転入したって聞いてますけど?」

「え~と・・・」 

 初が戸惑いながら考える。

 初が戸惑う中いいタイミングで第3者が入ってきた。車のクラクションした。振り向くと乗用車が1台止まっていた。

「あ、パパだ」

 いおの父親のようだ。

 かけていく行くいお。運転席のドアが開き中から、中年男性が出て来た。白衣はくいを着ている。胸ポケットからネームプレートが垂れている。

「お友達かい?」

「うんうん、違う。センパイ」

「へぇ~」

「シンゲツセンパイとツキカセンパイもいるよ」

「!! あの2人がか!?」

 顔の表情が裏返った。驚きの表情だ。でも、どこか驚きとすこし違うものを感じる。

 いおの肩を持って揺すった。

「うん。ほら、あそこに」

 いおが指さす先にはシンゲツ、ツキカ、初、凜が話していた。

「生きていてくれたか・・・。ありがとう」

「え、パパ?」

 小声で何も聞こえなかったが、何かを言ったのは確かだ。たしか・・・ありがとうと言っていた。今のいおにはその意味を理解することが出来なかった。

 と、その時だ。タイヤとアスファストが激しく擦れる音がした。ほぼ、暴走状態の迷彩カラーの軍用車がまっすぐこちらに突っ込んでくる。いおといおの父親は慌てて逃げる。でも、いおたちがいた位置より少し手前で軍用車は耳を突く音を立てて止まった。

「お前ら!」

 聞き慣れた声だった。ドアを蹴っ飛ばして裕緒は車内から飛び出してきた。かなり慌ただしいが、何かあったのだろうか。

「あれ?」

「何かあったの?」

「話は後だ! 早く乗れ!!」

 4人は裕緒に背中を押されなかば、強引に車に乗せられた。

「あ、ちょっと! センパイ!!」

「悪いな。なんか急ぎ用事ができた」

「また、明日ね」

「じゃあね、諏訪原さん」

「・・・また」

「ええ・・・さようなら?」

「山川急げ!」

「事故起こしても知りませんよ!?」

 青い隊員服を着た人に4人は連れて行かれた。嵐が去ったのように周りは静まかえる。

「あれ・・・軍の車? センパイたちって・・・もしかて」

 

     ◆


「いいかよく聞け」

 助手席に座った裕緒が紙の束を広げていた。

 ハンドルを握るのは平次だ。車の運転に慣れていなのかカーブが非常に怖い。ジェットコースターに乗っている気分だ。

「護送中の部隊が何者かに襲われ、捕虜が数十名逃げた」

「やっぱり・・・」

「さっきの爆音はそれだったのか・・・」

 遠くでかすかに聞こえていた爆音。初と凜には聞こえなかったかもしれないが、聴力が人間より優れているテスタメントのシンゲツとツキカには聞こえていた。

「2人とも聞こえてたの?」

「うん」

「・・・聞こえなかった」

「それで、やつらを捕まえなければならないが、うちの部隊は再編成中。他の部隊は戦力不足。なにせ横綱5機、戦闘ヘリ6機、戦闘車両5台をたった3機のSFで全滅させた連中だ」

「3機!?」

「あの、数をたった3機で・・・」

 シンゲツとツキカが落胆した声で言った。

 わずか3機。あの数を数分で全滅させた。ファントムだけではない。新型機がいる。4人の脳がそう分析した。想像される機体は第4世代型SF。4人が搭乗するSF/FC-18 ライトニングと同世代。それなら納得がいく。

「ああ、並のパイロットじゃないな。お前たちが言っていた“天使たち”だろうな。そこで、お前たちの出番だ」

「追撃か」

「そうだ。逃亡した捕虜を追撃。とは言っても、妨害電波を発生させられている。レーダーはあてにならないし、無人機による偵察も試みたが、全機撃ち落とされた。かなり、情報が少ない。見付けるのは不可能かもしれないが、やらないよりましだ」

「つきました!」

 車が止まる。駐車場に軍関係の乗用車が止まっていた。数十人の兵士たちが忙しそうに走っている。そのなかに、SF運搬用トラックが4台あった。

「お前らはEスーツに着替えてSFに搭乗しろ! 準備が済み次第に作戦開始だ!!」


     ◆


『システム起動』

 ライトニングのコックピットに入り起動ボタンを押した。機械に声を通した女性の声がシステムの起動開始を教えてくれた。

『搭乗者・・・確認。戦闘準備を開始。FCS(火器管制装置)起動・・・確認。武装・・・確認。問題なし。ナノマシン通信の回線オープン。チャンネルを設定・・・よし』

 ライトニングが起動した。前方と左右のモニターに外の映像が移された。

『作戦を説明します。ってあれ?』

 前方のモニター端にウィンドウが出現して悠美の顔が表示された。その顔が驚いた表情をしていた。

『シンゲツくんとツキカちゃんのナノマシン回線が開いてない?』

「ああ、あの2人はいいんです」

『え?』

「2人には機械仕掛けの通信なんていらんです。心が繋がってるから」

『はぁ・・・? おっと、作戦に関す事は聞いたと思いますが、作戦を変更します。追撃ではなく、捜索してください。妨害電波を出され偵察機も落とされました。情報が少ないです。なので、4人で別々に捜索してください。無理はしないでくさい。単機での戦闘はさけてください』

「「「「了解」」」」

『幸運を』

 その言葉を最後に通信が切れた。

『各関節、駆動系、ジョットエンジン・・・問題なし。全システム、機動系オールグリーン。SF/FC-18 ライトニング起動!』

 SF用運搬トラックに寝かされていたライトニングが起動する。急に機械音が高鳴り、起き上がる。白い巨人はその2つの足でたった。

 ライトニングの脚部の一部が動き始また。それは、空気を吸い込み、甲高い轟音を立てる。ジェットエンジンだ。足のペダルを踏み込むと、ライトニングはゆっくりと前進して行った。


     ◆


 沈みかけた夕陽が目に入る。

 地面を滑るように進むライトニング。

 レーダーと無線にノイズが走っている。電波妨害だ。そろそろ、レーダーと無線が使えなくなる。4人と通信が出来なくなるのは痛手だ。

『そウサク――開シ――くダさい』

 聞こえたのは作戦指揮官である悠美の声。ノイズ混じりの声だが、なんとか聞き取れるが、もう無線は使えないだろう。レーダーも使えない。敵味方の識別が難しい。それは敵も同じなのだが。

 4機のライトニングが別々の方向に散開する。捜索の始まりだ。飛行して探したいとこだが、凜の助言によってやめた。理由は敵スナイパーの狙撃だ。スナイパーがいるかどうかなだかではないが、空中で狙撃された一溜まりない。隠れる場所がなく『狙ってください』と言っているようなものだ。と凜が淡々と言っていた。

(ツキカ。今回どう思う?)

 内心でそう呟く。もちろん、独り言ではない。まして、通信でもない。これは、シンゲツとツキカだけそして、テスタメントでもこの2人だけが持つ能力――テレパシーとでも言えばいいだろうか。いかなるものにも妨害されることのない対話方法が、この2人にはある。

(なんだろうね、本当に・・・。アレクセイの事だから無駄な事はしないはずだけど・・・)

 シンゲツの問いがツキカの心に届き、ツキカの言葉が胸に流れる。

 ナノマシン通信という無線通信方法がある。ナノマシンによる通信で、相手の言葉が脳を直接刺激する。しかし、テレパシーはそれとは違う。胸――心に言葉が伝わる。リアルな声だ。普通に話しいる時と変わりない。まるで、そこにお互いがいるようだ。

(確かに・・・。一体何を企んいるのか)

(そうなだね・・・。ん?)

(どうした?)

 ツキカのライトニングが何かを確認した。

(シンゲツ見付けたよ! 場所分かる?)

(よくやった! ああ、今から向かう!)

 


「気付かれたか。まぁ、構わん。こいつ(ロンギヌス)の試運転にはちょうどいい」

 コックピットの座席に座るアレクセイ。

 片膝を地面についたロンギヌスが唸る。ゆっくりと立ち上がって、ツキカの操るライトニングをロックオンした。



「来るッ!」

 夕陽を背にした不ロンギヌスがツキカに向けて突進してくる。

 ツキカはすぐに回避行動ブレイクをとる。避けた。

 すぐにコンピューターに解析させる。ほんの数秒で解析結果が出た。ウィンドウが表示され『詳細不明』と表示された。

 周囲に敵はいないようだ。1機だけ。

「これ・・・報告にあった“天使たち”専用のSF? たしかロンギヌス・・・」

 数週間前ほどの報告にあった。SF/G-38F ロンギヌス。“天使たち”専用に開発されたファントムの改良型。そしてライトニングに対抗するための第4世代型SF。

 ツキカは空中に飛び、両手の対SF用サブマシンガンを掃射。低い土煙が上がる。そこに、反撃の弾丸がツキカのライトニング胸部に直撃。

「うッ!!」

 機体が軽く揺れた。

『機体損傷。軽微と判断。戦闘に支障なし』

 ロンギヌスも空中に飛ぶ。SF同士の空中戦。元々、戦闘機が祖先。しかしSFはミサイルの撃ち合いではない。むしろ、機関砲による撃ちドッグファイトいだ。互いに銃口を向け、撃ち合う。弾丸が互いの機体に損傷を与える。

「強い・・・」

(ツキカ!)

(シンゲツ!!)

(これ、この前の報告にあったロンギヌスだよ!)

(了解した!)

 胸に響いた声。シンゲツだった。

 


「来たか」

 アレクセイは後方から来る増援を目視した。白い機体――ライトニング。

 アレクセイはその後方から来る、ライトニングに照準を合わせた。トリガースイッチを押す。すると、ロンギヌスの背中から無数の白煙が上がる。ミサイルだった。



「ミサイル!?」

 ロンギヌスから撃たれた無数の白煙――ミサイル群は、自分に向けて突進してくる。

 ペダルを踏み込み、操縦桿を後ろに倒した。機体は軽い振動とエンジンの轟音と共に上昇ピッチアップする。さらにペダルを踏む込み急加速。アフターバーナー(加速装置のようなもの)が作動。デジタルメーターがあっという間に、730kmをマークした。シンゲツの体がシートに埋まる。ミサイル群はまだ、シンゲツをつけ狙う。

「しつこいッ!!」

 操縦桿を前に倒す。機体は急降下ピッチダウン。ミサイル群もしっかり追尾してくる。地面に向けてほぼ垂直に落下していく。重力とエンジンの推進力でライトニングは加速。高度は何もしなくても見る見るうちに減っていく。地面から100メートルでシンゲツは再び、操縦桿を後ろに。エンジンを逆噴射! 数十メートル進んでようやく空中で停止。水平にして、ペダルを踏み込み急加速。ミサイル群はそのまま地面に落ちて行った。

 ミサイルには死角がある。追尾外の範囲がミサイルの死角。シンゲツはその死角をついたのだ。



「ミサイルから逃げたか。そうでなくて面白みがない」

 ミサイル群をかわしたライトニングを確認してそう呟く。



 シンゲツは周囲を確認する。右のモニターに映し出されていたの、ツキカがロンギヌスと交戦していた。

「ツキカが押されてる?!」

 ツキカが押されていた。シンゲツは我が目を疑う。と同時に、脳裏にある単語が浮かぶ。“天使たち”。

「アレクセイか!?」

 方向修正のために大きく円を描いた後、ツキカを助けに行く。

 ツキカの機体に損傷が見られる。戦闘は継続できる程度の損傷だが、いつまでも戦闘をしていては・・・。

 シンゲツはアレクセイが乗っていると思われるロンギヌスに向けて、両手の対SF用サブマシンガンを発砲。ロンギヌスの脚部に着弾。脚部を破壊した。



 脚部破損。まだ、中破だ。まだ、まだ持つ!

「くぅ!」



(大丈夫か?)

(あたしは大丈夫。ケガとかしてない。ただ、機体が・・・)

(アレクセイだろうな。ツキカは俺の後方へ。無理はするなよ)

(了解。前は任せたよ。シンゲツ)

(倒すぞ)

(うん、倒そう)

 短いテレパシーの挟んで、シンゲツとツキカはSFによる編隊飛行を組む。被弾したツキカを後方に置いて、無傷のシンゲツを前に。2機によるかく乱戦闘。シンゲツとツキカの本領発揮だ。

 まず、2機で機体の胴を軸に左右に機体を振る。エルロンと呼ばれる空中戦機動の一種。ロンギヌスを翻弄ほんろうする。

 ロンギヌスに向けて突撃。シンゲツが発砲する。もちろん、応戦してきた。そして、ロンギヌスはターンしてエンジン全開で逃げる。しかし、ライトニングの方が早い。速度900km以上をマークして、SF3機は雲を引いた。



「ええい!! この私がテスタメント風情にぃ!!」

 アレクセイは操縦桿を後ろに倒し、ペダルから少し力を抜いた。すると機体は少し上昇ピッチアップ。そして、上と下が逆転。宙返りだ。すぐに、ツキカの後ろ食らい付いた。



急旋回ブレイクッ!)

 後ろに食らい付いたロンギヌスからの攻撃は予想するまでもない。ツキカの声が胸に響いた。そして、操縦桿とペダルの同時操作でシンゲツとツキカは左右別々に散開した。この行動で、どちらを攻撃すべきかと言う一瞬の気の惑いが生じる、たとえ“天使たち”でも。まぁ、ここで攻撃をするなら被弾しているツキカだ。 

 がしかし、そんなことはさせない。2人は多く円を描い後、再びロンギヌスの背後をとった。そして、両手のサブマシンガンを発砲。事実的には、4挺のサブマシンガンの弾丸が直撃するのだ。

 ロンギヌスは急旋回ブレイク。が、ライトニングのFCS(火器管制装置)はしっかりとロンギヌスを追尾。4挺のサブマシンガンから掃射される弾丸の雨を回避する事は出来ない。まず、不可能だ。言うまでもなく、蜂の巣と化し、木の葉が落ちるように墜落した行った。

(やった?)

(どうだろう・・・)

(やっとと思いたいな)

(うん・・・そうだね)

 結局、逃走した捕虜は発見できなかった。結果としては、作戦失敗。だが、シンゲツとツキカは不謹慎ふきんしんではあるが、胸に、心に確かな手答えを感じた。


     ◆


「アレクセイを倒したの!?」

「・・・すごい」

「確信はないけど、アレクセイだと思う」

「でも、結構痛みつけられたけどね」

 更新遅れました! すみません!! そして、いつもありがとうございます!!鈴木ちきです。

 受験生なので更新が遅れました。すみません。これから1ヵ月更新にします。本当にすみません。


 

 さて、ここからは話を変えて・・・・。ついこの間、文学少女を買いました。いや~、面白いです!! でも、あれてっきり、恋愛小説かと思ったらミステリアス学園コメディだったとは・・・・。でも面白いです!! ラノベでミステリーって珍しいような気がします。ミステリー系のラノベ他に何があるだろう・・・・・わかんない!!!

 またまた、話を変えて、つい先日ノベル学科のある専門校に行ってきました。体験入学は楽しかったです! でも次の日はテスト。眠かったです。



 さてさて、本編では文章が続くのに後書きは続かない鈴木ちきです。

 いよいよ、ラストです! 『アポカリプス』!! 最後は前後でしめます! つぎのうpは6月28日を目指します!! では、また!!!

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