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落日の逃亡 中

つぶやき・・・


怯えろ! 竦め! MSの性能を行かせぬまま

「どいてくれ!!」

「わぁ!」「きゃぁ!!」

 人が多い廊下を疾走する3人。シンゲツとツキカ。そして、1年生の諏訪原すわはらいお。人と人の隙間を縫うように抜けていく。

「待ってください!!」

 手錠を持っているいのに「待って」と言われても、待つわけがない。

 シンゲツとツキカが逃げる理由はこれと言って何。だけど、体が拒否反応している。シンゲツとツキカは人類初の双子のテスタメント。学者から追いかけ回す事がたびたびある。それに加え、1年に1度、人の迷惑を無視して、シンゲツとツキカを捕まえようよする。街中で、催涙弾さいるいだんや麻酔弾、捕獲用ネット。目の色を変えて捕まえようとする学者と同じオーラをこの、諏訪原いおから感じる。

「とって食ったりはしません!!」

 いおの手にはスタンガンがある。銃の形状をしたスタンガンで、俗にワイヤー針タイプと呼ばれるスタンガンだ。ワイヤーの先に針がついていて、トリガーを引くと針のついたワイヤーを発射。ボタンを押すと電撃が流れる。

「ちぃ! スタンガンかよ!!」

 言葉で発した舌打ちをしたシンゲツ。

「嘘ッ!?」

 と、ツキガが走りながら振り向く。よく見るとスタンガンが1つから2つに増えている。

「ホントだ。なんで、あんな子がスタンガンなんて持ってるの!?」

「知らん!! とにかく走れ!!」

「持ってください! これ使いますよ!?」

「へっ! 当たるかよ!」

 シンゲツが忠告をする。

「言いましてね!?」

 いおは走りながらスタンガンを構える。狙いを定めてトリガーを引く。発射口からいき良い良く呼び出た針。だけど、針は残念の事に無関係な男子生徒に額に直撃。

「?!!♨°Θ☆#◇!!?」

 口から言葉にならない言葉と、泡を吹いて気絶した。

「まだ!」

 続いて2つめスタンガンを発射。

「!!?Д●㊫ЖфΔ?!!」

 あらた犠牲者が誕生した。

「外れた! なんで!?」

「ふつう、走ってあたるもんじゃないよ」

「銃ってもんは止まって撃つもんだ!」

「へぇ~、勉強になりました。でも、まだ!」

 ポケットから何かを取り出した。それは緑色をしたボールだった。サイズは野球ボールより少し大きいくらい。そのボールは粘着剤が入ったボール。対象物に当たるとボールが破裂はれつして中の、粘着剤があたり一面に飛び散る。という仕掛けのボールだ。

「当たってれぇ!」

 野球のピッチャーのように投げる。見事なフォームで粘着ボールは投げられた。だけど、見事なほどノーコンのだった。

 シンゲツとツキカには当たらなかった。ボールは理科不能な回転をして天井にぶつかった。粘着ボールは破裂。中から白い粘着剤が飛び散った。たまたま、粘着ボールが当たった天井下いた、女子数名が粘着剤の餌食に。

「なに、これ~!」

「べとべとして気持持ち悪いぃぃ!!」

「制服が汚れるー!」

 頭から白い粘着剤をかぶった女子生徒たち。

 つづいて第2球。今度は狂いないまっすぐなストレート! 

「こっちだ!」

「うん!」

シンゲツは開いていた窓から飛び降りた。続いてツキカが飛び降りる。ちなみにここは2階だ。約6メートルほど。SFとほぼ同じくらい。

 数秒の浮遊感のあと着地。足に軽いしびれが走った。けど、問題ない。大丈夫。

「よし、逃げたな」

「何なの、あの子?」

「さぁ?」

「むぅ~。捕まってくださいよ!」

 飛び降りた窓から、頬を膨らませるいお。

 いおを見上げてシンゲツが問う。

「一体なんの用だよ?」

「ただの研究です」

「「はい?」」

 シンゲツとツキカが頭に『?』のマーク浮かべる。

「話ますから逃げないでくださいね。そっち行きますから」

 窓のさんに手をかけて、片足をかける。

「ちょ、待て!」

「そうだよ! あたしたちは平気だけど君は――」

「――大丈夫です。それ!」

「「やめてー!」」

 シンゲツとツキカの助言を無視して飛び降りたいお。スカートの翻りを気にしながら無事に着地。

「くぅ~・・・」

 着地の衝撃に足が少し答えたようだ。

「だ、大丈夫?」

「はい・・・。にしても流石さすがですね!」

 立ち上がって、ツキカに顔を近づける。

「あの高さから降りて、平気なんて! さすがテスタメントですね!!」





4時47分


 過去の戦闘で傷付いた道路は綺麗に直された。そこに横綱5機、戦闘ヘリ6機、戦闘車両5台の中央に護送車が2台あった。

「このまま死刑かよ。くっそ、最後くらい娘の顔見たかったなー・・・」

「おれなんて、子供の顔もみてねぇよ・・・」

 護送車の中で捕虜ほりょの2人が途方に暮れていた。手には手錠。体はしっかりと固定されどうしようもない。そして、3人の警備兵には短機関銃が装備されている。

「おい、黙れ。お前ら」

 話していた捕虜たちの前に警備兵が来て言った。

「いいだろう。こちとら人生の終わりがすぐそこなんだ。話しくらさせろよ」

「その心配はない」

 向かい側にいたアレクセイ・ケルビムが言った。

「ここから逃げるのか? あるいは助けに来るのヤツがいるのか? 無理だな。横綱5機、戦闘ヘリ6機、戦闘車両5台だぞ?」

 その言葉聞くとアレクセイは口元に微笑を浮かべた。

「ならばいい事を教えてやろう警備兵。今より3秒後に爆風が来る。何か掴まった方がいいぞ?」

「ふん、予知能力ってやつか? バカバカしい。黙って――」

 3秒後である。爆音が鼓膜を刺した。凄まじい轟音はやがて、爆風に変わり護送車を一回転させた。立っていた警備兵は体を強打。3人とも気絶。あるいは痛みに声をあげていた。

「来たか」

「後方より敵機! SF/G-36J ファントムを2機確認。2機とも空戦装備」

 護衛隊の隊長が言葉を発した。

 ファントムの背中に装着されていたのは、航空戦闘用の外部パーツ。2機のジェットエンジンに大きな主翼に副数ミサイルが装備されている。手にはアサルトライフルが握られている。

「もう1機だと? なんだよコイツ?」

 横綱のコンピューターが確認した1機。ファントムの形状似たSF。紫色機体。それは、明らかにファントムの改良型だった。そして、背中から噴き出す青白い光はジョットエンジンから噴射されていた。第4世代型SF。新型機!! 肩にSF/G-38F ロンギヌスと書かれていた。

「ファントムの改良がた思われる。新型だ。注意しろ! FCS(火器管制装置)作動! 発砲許可!! 撃てぇぇぇ!!」

 隊長が叫んぶと5機の横綱のアサルトライフルから20ミリの弾丸が吐き出された。戦闘車両も横綱に加勢し発砲する。

 ロンギヌスの右手にあるアサルトライフルで撃ち返す。と同時に、軽やかなサイドステップで弾丸を回避しつつ接近してくる。

「ザコが・・・。消えろ」

「何なんだコイツ!!!」

 ロンギヌスは横綱の前で止まる。そして、胸部に向けてゼロ距離で発砲。丈夫な装甲の横綱でもこの距離で20ミリの弾丸の直撃はさすがに耐えきれない。

 横綱は後ろに倒れて炎上する。

 さらに、ロンギヌスは右にいた横綱にも発砲。同じように弾丸に耐えきれず大破。

 残った3機の横綱はロンギヌスに銃口を向け発砲。ロンギヌスはジョットエンジンを再起動させ、前進。すぐに反転。3機の横綱は撃ち返す。うち1機が肩に被弾。

「こちら護送警備隊! 敵の攻撃を受けている救援を求める!!」

 弾丸と弾丸が交差する。その中でロンギヌスは横綱を撃破。

 頭上では2機の空戦装備のファントムが戦闘ヘリを全滅させた。対地戦闘に入る。大きな旋回をした後、横綱に向けて対地ミサイルが発射された。白い雲を吐き足の遅い横綱に直撃。撃破した。

 戦闘車両がロンギヌスに発砲。直撃はしたが盾に受け止められた。

「戦闘車両ごときが」

 残り1機。横綱を無視。アサルトライフルで戦闘車両をなぎ払った。わずか数発で戦闘車両はスクラップになった。

「邪魔だ」

 戦闘車両の砲身を折り曲げる。そして、蹴り飛ばした。数回転した後、ビルの外壁にぶつかる。原型と言える原型が完全になくなっていた。もうは1台は盾で潰した。

 もう1機の横綱だけになった。

 見てわかる。最後に残った横綱のパイロットは死の恐怖に溺れていた。操縦を見ればわかる。それを見たロンギヌスのパイロットは冷酷な行動に出る。

 まずはアサルトライフルで脚部を破損させた。倒れる横綱。次に武器を持つ右腕部を破壊。次に頭部。横綱はどうしようもない。ただ無意味に暴れるだけ。最後にコックピットのある胸部に銃口を押し付けトリガースイッチを押す。数秒後には蜂の巣になっていた。弾が切れた。無残な姿をした横綱があった。

 新しいマガジンに変えながら、護送車に歩み寄る。

 ロンギヌスのコックピットハッチが開きパイロットが出て来た。中性中肉の男。SF用のスーツであるEスーツを着ている。

 すぐそばで、空戦装備のファントムが着陸。同様にパイロットが降りて来た。手に突撃銃を持っている。

「アレクセイ。おれだ」 

 護送車の中にいるアレクセイの声をかける。ドアを開けた。

「ち、生きていやがったか。死ねよ」

 仲間であるアレクセイに暴言を吐く。

「残念だったな」

「お前のくだらない作戦に付き合わせやがって。マジ、死ね」

「それはごめんだ。それより、これをとってくれ」

「ちっ」

 不機嫌そうに手錠を外した。アレクセイの体が自由になった。

「いいことを教えてやろう。凜・ライネスが生きていたぞ」

「あの小娘か。オヤジのとこに葬ってやる」

「待ってくれ! おれたちも助けてくれ」

 と、捕虜が言った。

「もちろんだ」

 アレクセイとファントムのパイロット2人が同朋どうほうたちの手錠を外していく。

「けっ。ん?」

 足に警備兵の体がぶつかった。

「・・・死ね」

 拳銃を抜き発砲。血のカーペットをひろげた。





4時52分


「出撃させてください!」

 裕緒は机を叩きながら羽鳥部隊総司令官に訴えた。

 数分間前、護送中に何者かに奇襲され警備隊が全滅。護送中の捕虜数十名が逃げた。

「無理ですよ、裕緒ちゃん。我が部隊は再編中です。ここで隊員を死なすわけにはいかないです」

 作戦指揮課の悠美が言っても、裕緒は引かない。

「その通りだ。前沢前線隊長。ここで隊員を減らすわけにはいかない」

 加藤部隊副総司令官が言った。

「しかし・・・」

 言葉が詰まった。裕緒の脳裏に最悪のシナリオが浮かんだ。横綱5機、戦闘ヘリ6機、戦闘車両5台を全滅させる機体。新型か、エースパイロット。あるいは、天使たち。そんなのを相手して生き残る確率は死を見るより明らかだった。

「なら、彼らに任せようではないか。偉大なる狩人グラン・バヌールに」

「あの4人にですか?」

 シンゲツ、ツキカ、初、凜のことだ。

「彼ら力を見てみたくはないか?」

「同感です。羽鳥部隊総司令官」

「作戦指揮課としは、彼らの力量を知りたいです」

「うむ。よいかのう?」

 3人一致の決断は裕緒に向けられた。

「はい」

「よし、決まりじゃ。さて、前沢くんには別の仕事してもうらおうかのう」

「へ?」

「彼らを向かいに行って来てもらおうかのう」

「はい!」

「加藤くんは、彼らの機体を機動させておいてくれ。そのほうが都合がよかろう」

「はっ、了解しました」

「永戸くんは、情報収集及び敵の足取りを探ってもらおうかのう」

「わかりました!」

すみません!! 部活の方が忙しくアップが遅れました!! すみません!!



いつも読んでいただきありがとうございます。鈴木ちきです。

本作『アポカリプス』のできたきっかけをお話を・・・。某出版社から出版、もう終わってしまったラノベですが、人生初めて買ったラノベです。没頭して読んだ小説で、お気に入りです。そこから「こんなの書きたいな~」と思って『アポカリプス』ができました。いつかの後書きに書きましたが、元々は東京を舞台にしたサイキックバトルでした。でも今はこんなことになってますが・・・。


『アポカリプス』も終盤です。最後まで読んでいただければ幸いです! では、次回で!!

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