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剣と魔法の異世界に転移したけど、無人島なんだが!

作者: ぷれ

 見渡す限り真っ青な海に、白い砂浜。ついでにヤシの木が二、三十本程生えたこの島で俺は目覚めた。


 いつものように夜寝て、朝起きたらこれである。それもある日突然だ。別に、怪しげな格安航空会社の便に乗った覚えは無いし、黒いスーツとサングラスを身に着けた集団に捕まった訳でも無い。ただ、本当に布団に入った状態でここに来たらしい。服は寝たときのジャージ姿で、持ち物は耳に着けていたイヤフォンとそれに繋がっていたスマホだけだった。


 淡い期待とともに、電源をつける。しかし、「圏外」と表示されるだけであった。しかし、これで少なくとも電波の飛んでいる日本本土近海や南西諸島はないことは分かった。後は……国内でヤシの木が生えている所といえば小笠原諸島ぐらいだ。なんだかんだ考察したが、全くもって今自分がどこにいるか分からなかった。ただもう少し地理を学んでおくべきだったと悔いただけだ。


 こうなっては万事休すだ。絹のような砂浜に体を横にしてしばらく寝そべっていると、太陽のある方から潮風が吹いてきた。


 ペラリ。


 俺のすぐ隣に置いてあったらしき紙が少しめくれ上がる。


 なんだこれ?


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この世界に送られてきたあなた方は、きっと突然のことで驚いているでしょう。ええ、私もあなた方にした事が身勝手であると分かっています。しかし、先程天界でもお話しした通り、この世界はあなた方の活躍が無ければもう10年ともしない内に、魔王によって滅ぼされてしまうでしょう。どうか許してください。それからあなた方を人類最後の国、ブラット王国の王都周辺へと転移させました。世界の運命の全てはあなた方に懸かっています。


P.S.

眠っていた為、あなただけ適当に安全そうな場所に転移させました。詳しくは、近くに転移した人に聞いてください。剣と魔法の世界にようこそ!


女神

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