表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

14/50

〈14#ダークナイフ〉


「大変でしたよ~、おにーさんの【神器(じんき)】を調べるの。一口に短剣(ナイフ)と言っても幾つかあるし、リリー様との戦いを遠巻きに覗いただけじゃ、武器の形状(シルエット)くらいしかわかんなかったんスから!」

「……お前、あの時見てたのか……」

「見てたっスよ~♪ 一撃で吹っ飛ばされる所を♪ ……まあ、リリー様も容赦ないなって思いましたケド」


 流し目で彼女に見られて、私は顔を赤くしてしまう。

 うう……戦いに慣れてないとはいえ、加減はしたつもりなのに……恥ずかしい……


「まあ過ぎたことはいいでしょ。それよりおにーさんの【神器(じんき)】っスけど――――そうそう、コレっス!」


 バッ!っとチャットは〝神器大全〟と題された大きな本を広げ、中のページをラクーンや私に見せる。

 そこに書かれていたのは――


「――――〝【神器(じんき)】:ダークナイフ〟……?」

「そう! おにーさんの【神器(じんき)】はこのナイフなんスよ! ちなみに、これがその評価性能(スペック)っス!」


 そのページには短い短剣の絵や説明文章らしき物が描かれており、チャットはページ下のグラフのような部分を指差す。



登録No.66:ダークナイフ

速度型(スピード)・ランクD』

 種類:短剣

 全長:35cm

 重量:400g

 神 格: D ■

 攻撃力: C ■■■

攻撃範囲:D ■

攻撃速度:A ■■■■■■■

 生存率: D ■



「この……速度型(スピード)とかランクってのはなんだ? 他にもDとかCとか、数値(グラフ)化されたモノがあるが……」

「これはでスねぇ~、〈第1次終末戦争(ファースト・ラグナロク)〉から〈第3次終末戦争(サード・ラグナロク)〉までの【神器(じんき)】の戦果・活躍を観測&記録して、その上で【神器(じんき)】全体の中ではどれくらいの性能(スペック)を持っているのかっていうのをランク分けや数値化で示したグラフなんすよ! テンション上がるでしょ!」


 それはもう楽しそうに説明するチャット。どちらかというと、あなたの方がテンションが上がっているようにしか見えないですよ――なんて茶々を入れると話の腰が折れそうなので、私は黙っている。


「まず、【神器(じんき)】には大きく分けて2つの区分(・・・・・)がありまス。1つが〝【神器(じんき)】の(タイプ)〟、もう1つが〝【神器(じんき)】のランク〟でス。【神器(じんき)】の(タイプ)っていうのは5種類あって、対単騎戦闘に向いている〈攻撃型(パワー)〉、対群戦闘に向いている〈防御型(ディフェンス)〉、斥候・強襲に向いている〈速度型(スピード)〉、オールマイティな性能であらゆる状況に対応できる〈均衡型(バランス)〉、上述4種の(タイプ)をサポートする遠距離戦闘に特化した〈支援型(サポート)〉がありまス。これは数少ない【神器使い】を戦場で効率よく運用するために考えられた、戦闘教義(ドクトリン)に基づく区分でスね。実際、どの(タイプ)にも一長一短があるっス」

「ほう、俺のダークナイフはどの(タイプ)に分類されるんだ?」

「おにーさんは典型的な〈速度型(スピード)〉っスね。ちなみにリリー様のモーニングスターは〈防御型(ディフェンス)〉に分類されるっス。次に【神器(じんき)】のランクでスけど、こっちも5段階ありまス。上から〈S〉〈A〉〈B〉〈C〉〈D〉の5段階。〈S〉が最上位のランクで、上にいくほど【神器(じんき)】の総合戦闘力が高い傾向にあるんスよ。〈S〉ランクの【神器(じんき)】ともなれば、それはもう伝説的な戦果を幾つも残していて――」

「おい待て、さっき俺の【神器(じんき)】は〝ランクD〟って書かれてあったんだが……」


 ラクーンにそう言われると、ピシッとチャットの動きが固まる。同時に喋り続けていた口も一瞬だけ止まる。


「い、いや~、気にしない方がいいっスよ! 所詮ランクなんて区分に過ぎないんでスし、ウチはどのランクの【神器(じんき)】も好きで――!」

「……つまり、俺の【神器(じんき)】は最弱の一角(・・・・・)ってことか」


 察した風に言うラクーン。チャットはカクッと肩を落とし、


「……これまでの〈終末戦争(ラグナロク)〉で確認された戦果だけを見るなら、でスけどね。ぶっちゃけ、ウチはこの区分自体はあんま好きじゃないんスよ。表立った活躍が少ないだけで、限定的な状況では優れた戦果を上げる【神器(じんき)】も存在しまスし。おにーさんの【神器(じんき)】はその典型的な例ってゆーか、これまで大きな戦果がほとんどないんでス。おかげで断定するのも難しかったくらいで……」


 いやまあ(タイプ)分けもランク分けも考えたのはウチのご先祖様なんでスけど、とチャットは不満気に言う。

 私も、ランク分けの区分に関しては好きではない。そもそも、神々から授かった神々の御力に優劣をつけること自体が不敬虔だ。それに【神器使い】の中で差別も起きやすいし、まるでクジに当たった・クジに外れた、みたいな感覚になってしまう。まったく冒涜的だ。


「ふん、別に構わん。〈S〉だか〈A〉だかの【神器(じんき)】を持たされたところで、喜ぶ気にもなれんしな。それで、他にも話すことはあるか?」

「え? あ、ありますあります! 〝加護(スキル)〟と〝神技(しんぎ)〟についてはまだ――!」

「待ってチャット、説明は一旦このくらいにしておきましょう」


 私は喋り続けようとするチャットを諫め、再びラクーンを見据える。


おまけ設定解説


〈神器の(タイプ)とランク〉


 108個ある【神器】にはそれぞれ〝(タイプ)〟と〝ランク〟があり、区分分けがなされている。


『神器の(タイプ)

攻撃型(パワー)

  対単騎戦闘に向いている。

防御型(ディフェンス)

  対群戦闘に向いている。

速度型(スピード)

  斥候・強襲に向いている。

均衡型(バランス)

  オールマイティな性能であらゆる状況に対応できる。その反面で器用貧乏でもある。

支援型(サポート)

  上記4種の型をサポートする遠距離戦闘に向いている。



『神器のランク』


〈S〉〈A〉〈B〉〈C〉〈D〉の5段階があり、〈S〉が最上位ランク。

 上にいくほど強力な【神器】であるが、その分数は少ない。しかしランク〈S〉と認められた【神器】は、その全てが例外なく伝説的な戦果を残している。


 またランクに関しては〈終末戦争(ラグナロク)〉における確認戦果を元に決められているため、後年の〈終末戦争(ラグナロク)〉の活躍によってはランクが上下することもあり得る。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ