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34 追放された聖女は旅の途中に迷ってしまいました

「ここは何処なんでしょう...いやはや困りました。でもでも道は続いているのでいつか町にでるかもですよねっ!」


聖女の力はもう必要ないとの事で追い出されてしまった私は帝国から共和国に渡ってきました。

無理矢理地球から召喚した癖に酷いと思います。


まあそれも仕方ないかもしれません...私が召喚されたのは共和国と帝国の戦争が始まった10年前...アルル共和国に押されぎみだった帝国は苦肉の策として異世界から呼び出す邪法を使い私を呼び出すなり国を守るため働けと強要されました。


何でも異世界からの来訪者は特別な力を授かるのだとか。


そんな事があり、10年が過ぎた頃共和国の悪王、帝国の独裁王が同じ時期に毒殺されその息子達の手により休戦協定、更には同盟国連盟まであっという間に漕ぎ着けたのですがそこで私はお役御免になりました。


それもその筈...帝国にとって私は独裁王が抱え込んでいた帝国の闇そのもの。


そんな私を国内に置いておく事なんて出来ないので戦死したという名目で追い出されたのです。

聖女としての権利も剥奪され、帰ることも出来ずこの力だけしか残りませんでしたが、此処で朗報が舞い込んで来たのです。


「共和国にアイドルとかいう踊り子やってる魔法少女イオンって女の子がいるらしい」と。


これはもしかしたら私と同じ転移者では?...そう思い立ち残った全財産で村娘がよく着ている上は黄色、下は茶色のロングスカートを履いて頭巾を被り残ったお金で共和国行きの船に乗り港に到着したのですがまたしても問題が...


魔法少女イオンさんの容姿や居場所とか知りませんでした。


ですがこのまま港に立ち尽くしても仕方ないと飛び出して半刻...丘陵地帯に迷い込み、森の中をひたすらに迷っています。


「はわわわわ、辺り一面真っ暗ですね~。どうしましょうか~...」


キョロキョロ周りを見渡しながら進むも人影すら見当たら無かったのですがいきなりガサガサ木々が揺れるので警戒し、力を発動させ自分の周囲にバリアを張り巡らせていると。


「はわわ!」


ドドドドドと無魔の大群が此方に向かってくるので剣を腰から抜き構えたのですが。


「あれ...何処に...あわあわあわ...ティラノが現れました!ほわー、映画みたいです...」

無魔達は私を素通りし、いきなり現れた恐竜が何かを追うようにバキバキバキと木々をなぎ倒しながら森の奥に進んでいってしまいました。


取り敢えず剣を納め、恐竜が走っていった方向を見ていると何やら人の呻き声が聞こえ近寄ってみると。


「だ、大丈夫ですか!?」


先程のティラノにやられたのか凄い傷でいくら聖女の癒しの力をもってしても治せそうも無かったのですが、何人か倒れている一人が手を力なく上げていたのでそれを掴むと。


「あの!一体何が!」


「俺はもう駄目だ...悪いけどあんた、もし腕に覚えがあるなら村を助けてやってくれ...すまない。」


それを最後に息絶え手が滑り落ちたので、俯きながら彼の目をそっと閉じた時です。


「私の心配はいらないからしっかりして!」


「は、はい!イオンさんお気をつけて!」


男性と女性の声が聞こえてきたが大事なのは男性の方が言った名前でした。


「イオン?もしかして魔法少女イオン?」


私はそう呟くと立ち上がり。


「ごめんなさい。今はとにかく彼方に向かわせてもらいます。後でまた...」


竜神族の遺体の方々に一礼し声のした方向に駆け出しました。

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