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1 ギルド生活

「お疲れ様ですいおりさん、いえイオンさんと呼んだ方が良いですか?ふふっ。」


「お姉さん、変身しますよ?」


あれから約一月経ちようやくこの世界に慣れてきた。最初こそはあの兄妹に世話になっていたが最低ランクとはいえギルドで冒険者登録しているものだから食いっぱぐれる事は無く、最近は借家の一室を借りれる程になった。


それもこれもあの怪物騒ぎのお陰だろう。

犠牲になった人には悪いがあの出会いが無ければ今の生活は手に入らなかった。

どうやらあの二人はこの都会でも有名な商家の人達だったらしく、その謝礼でお金と寝床、それとギルド登録を無償で出来るようにしてくれた...のだが何故家を出たのかと言ったらその兄の方から求婚され逃げてきたのだ。


そして今に至る。


「じゃあ今日はこれですね。いおりさんは最低ランクのFランク冒険者ですけど、実力はAランク相当なのでそれなりの仕事をお願いしたいです。よろしいですか?」


「ええ、まあ...んーとなになに?これまじっすか?」


依頼書を受け取り見てみるとそこには採掘現場に現れたゴーレムの討伐と書かれていた。


ゴーレムとはまだ戦ったことはない...だがいい腕試しかもしれないと判断し。


「分かりました。やります。何か準備するものありますか?」


「んー、普段ならポーションや爆弾お渡ししますが、いおりさんなら変身すれば倒せるかと。」


経費削減かな?

まあ怪我しても修復出来るし、魔法少女の服は防護性は十分なので手ぶらで行くのもありかもしれない。


「ただ、この依頼ある貴族のお嬢様からの依頼であなたの戦う様を見たいのだとか。」


「くそめんどいじゃないですか...止めます。」


依頼書を突っ返そうとすると、力の限り俺の手を掴んで押し込もうとしてくる。


「困ります!ギルド的にもまずいんですっ!今度ご飯奢りますからっ!」


つまりはこれを受けなければ何かしらの被害をギルドが被る可能性があるのかもしれない。

なんという最悪なシナリオか...既に外堀は埋められていたようだ。


「.....分かりましたよ....じゃあ行ってきます...」


いおりは嫌な顔しながらもそれを引き受ける以外方法が無いのを悟り、受託するしかなかった。


「お気をつけてーーっ!」


ギルドの受付嬢に最高で最悪な作り笑顔を見せられげんなりする。


「スマイルはタダだもんね。はあ...」


ため息を着きながら木製のドアノブを捻って外に出るとこんな落ち込んでいる時、特に会いたくない人物の一人に逢ってしまった。


「イオンさん、仕事見つかりましたか?営業も可能そうなら着いていきます。見せてください。」


「あっ、ちょっと...ほんと勝手...」


手に持っていた依頼書を引ったくって文面を見るなり目を輝かし始めた。


「これはこれは...中々良さそうでは無いですか。良いですね。なら早速行きましょうか。」


どうやら副業を今回もやらざるを得ないらしい。

今回はどういうパフォーマンスをするかとか、ステージは鉱山なら...とか好き勝手言っているが無視して街の西門に辿り着くと、この先数十キロ程離れた場所に山が聳え立っており、そこが今回の目的地の鉱山だ。


あそこに行くなら馬車が一番早いので乗り合い場所まで歩いて行くと貴族の好みそうな豪華絢爛な馬車に、銀色の綺麗な馬が二頭繋がれているのを発見し、眺めていると一人の女性が近づいてきて挨拶をしてきた。


「初めまして!あなたが...巷で噂のイオンさん...ですよね?今日はよろしくお願いします!」


そう告げたショートボブで金髪のお嬢様が俺達の前に元気一杯の様子で登場した。

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