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第九章 宝玉と犠牲

ゲームファンタジー!


前書きこれだけでもいいよね!(駄目だろ)

今回はちょこっと悲しめ?愛する女の苦悩とは!

崖の上で犯人は何を思う?

ご期待ください

グンッ、と琥珀の大斧が天へと掲げられる。目で追う二人は直感的に『ヤバイ』と思った。

「『千年の化石』」

静かに告げられた技に二人は後方退避を試みる。まぁ、案の定逃げ切れはしなかったが…

打ち据えられる琥珀は地面を割りその亀裂から衝撃波を放出する。エアリアルはステップで直撃を避けるがクロアは足を掬い上げられてしまう

「対空斧技『アンガレス・スカイ』」

斧を低く構えたラムダは、ゆっくりと、そして力強く手にした巨大な宝石を投げた。

「くっ…そ!『パリィ』」

咄嗟に引いた回避の呪符。

斧を受け流して直撃を免れる

「貫け」

地上から射抜くように鋭い、金髪の武器の解放宣言が聞こえた

「『必中の神の槍(グングニル)』」

鋭い光と共に『必中』の槍が投げられる。神の槍は寸分違わずラムダの心臓を狙いそして

「『水晶結界(クォーツシールド)』」

弾かれた。

「なんでぇ?!」

半分絶叫に近い声の隣に蒼碧の少年が落下する。鈍い音がして少しばかり身悶えしてはいるが問題なさそうだ

「大丈夫か?」

「お返しするわよぅ」

帰ってきた槍をクロアの眼前で受け止める。槍は一瞬で光をはぜてその役目は終えたとばかりに金の粒子になって霧散する

「時間切れね。私の勝ち。」

ラムダが宝石を引き連れてやって来る。浮いているのはあと六つ。全てが先程の水準ならば勝ち目は薄い

「ちっ…」

白陰、黒陽はここから30mほど離れた砂地に突き刺さっている。パッチワークのように様々な大地が繋がるテストステージに勝ち目がありそうな場所を探す。

岩山のような凹凸や、ビル群のようないりくんだ場所…、なんでもいい。時間が取れそうな場所は…!無かった。

そんな場所も、エリアも、全ては遠く離れていた。

「ちっ…」

二度目の舌打ちをする。

エアリアルも逆転のチャンスを窺っているが、見つからないようで歯噛みしている。

「終わりよ。『紫―』」

「炎剣『フランメリーゼ』」

素早く解放されたレイピアが宣言途中のラムダを貫く。不意打ちの、禁じ手だった。

「ぐぅっ」

一撃の威力は低いレイピアを再び突き立てる。

「きっ!」

白い、華奢な二人の体がぶつかり、エアリアルが突然叫ぶ。痛みと、苦痛に絶叫するエアリアルの体を五つの宝石が貫いていた。紫色の、水晶がだ。

「『紫水晶の爪(アメジスト・クロウズ)』」

ズッ…と引き抜かれて華奢な体が粒子に変わっていく。髪と同じ、綺麗な金色に…

「ごめんね…新人クン…負けたわぁ…」

最後に笑って、エアリアルはこの世界から退場した。リアルで機械の作動音を聞いたような気がした。

「…まず、一人」

傷口を庇いながら、鉤爪のような鋭い爪の武器を構えて女がやって来る

「…二人目」

苦しそうに腕を引いて、クロアめがけて突き出す。全身が震えた。

自らの死を理解した瞬間、何が何だか分からなくなって分からなくなったらわからなくてワカラナクナ…

「ガアァァァァァァァァ!」

吼えた。

無限に続く自身の思考を断ち切るように吼えて、狂ったように迫り来る爪を受け止める。血が目に入ってもまばたきすらせずに

「ラァッ!」

狂える猛獣の如くラムダを弾き飛ばす。彼女は軽く5mは飛ばされて、白い床の上に転がる

獣となったクロアは自身の武器を指で招く。すると双剣は30mの距離を飛んで手に収まる

「『混沌幻影』」

二つの剣は形を失い、一つの大剣に変成される。酷く禍々しい、ギザギザとした刀身に漆黒の爪跡のような紋が刻まれた剣を片手で握る

「ガァァァァァァ!」

吼えて振り下ろす。ほら、これでお前もおしまいだタンッ、と容易く銃弾が胸を撃ち抜く

「ぐっ…」

振り返ると、白い、嫌なガキが銃を片手にこちらを見つめていた。銃口からは白い煙がたなびいていた。

「主!」

「伏せていなさい!」

次弾装填。鈍い機械音が響く

「伏せろ!クロア!」

和装の楼騎が間に割り込み、クロアを突き飛ばす。その拍子で剣が手から離れてカランカランと地面に落ちて回る

パタタッ、と目の前を汚した血にクロアはハッとする

「俺は…何を…」

カチャン、と金属が触れ合う音がしてクロアは地面に転がる双剣を見る剣は『何故か』身をよじったように捻れていて、苦しみを体現したようなっていた。剣は数秒の間をあけて姿を金の粒子に変えてしまう

「…っ、ルイエスめ…腕を上げたな」

クロアを守るように立ちはだかっていた楼騎が半歩後退して呟く。腕と、額から血が流れていた。

「クロア、動けるか?」

「あぁ。動くだけならな」

それを聞いて楼騎はかすかに目を閉じる。そして告げる

「逆転する気はあるか?」

クロアはグシャグシャに塗り潰された紙のような思考の中でその問いにイエスと答えた

「よし。唯一の逆転の策を教えてやる」ゴニョゴニョとしている二人を前に、ルイエスは銃を構える。

「主…申し訳ございません」

「気にしなくていい。他が使えなかっただけだよ」

ラムダは、少しだけ目を伏せる。

主と呼ぶルイエスの側にいられるのは彼の部下の上位三人だけ…。そして今、ラムダの順位の上下が消えてしまい彼女自身傷を受けている。

―完全勝利は絶望的

彼女はほんの僅かでも勝率を上げられるように周囲を観察する…。と、ある物に気がついた

「あれは…」

小さな呟きに、ルイエスは顔を上げた

「…というわけだ」

楼騎は作戦を伝え終える。クロアはそんなのありかよと言わんばかりに唇を尖らせている

「逆転だぞ。ほら立て」

蒼紅の刀を持つ楼騎の秘策になんか納得いかないなと無言の抗議を行いつつクロアは立ち上がり、姿勢を低く構える

「三十六計」

楼騎の小さな言葉につられたのか緩やかな風がふわりと砂を舞いあげる。楼騎は瞳を閉じてゆっくりと深呼吸する…そして

「「戦略的撤退っ!!」」

二人同時に脱兎の如くルイエス達と反対方向に走り出す!

それを見たルイエスとラムダは一瞬だけ呆気にとられて、ラムダの方が早く正気に戻った。

「待て」

紫の爪を重そうに引きずりながらラムダが立ち上がる。走り始めるまでにかなり時間がかかったが走れば追いつくのは容易い。

『追いつける』事をイメージすればいいのだから…。

一方の二人組は全力で草原を突き抜けて、隣の無意味な石畳のエリアを抜けて岩が転がる場所に逃げ込んだ。

「こっちだ。」

ちょい、と楼騎が手招きした場所に行く。そこは人の丈ほどもある岩が二つ重なって小さな空洞を作った場所で内部からはゴウンゴウンという機械音が響いていた。

「転送装置だ。これで跳ぶぞ」「跳ぶって…どこへだ?」

楼騎は一瞬考えてから答える

「滝さ」

そう言って彼は装置に入る。踏み込めば体が消えて別の場所に転送される

楼騎の体は消えて、その後に続く

「見つけた」

岩の上から上下逆さまになったラムダが現れた。クロアはひっ掻かれないように気を付けて転送装置に飛び込んだヒュンというありきたりな効果音を聞いて景色が見えなくなる。一瞬で相当な距離を進んで再び景色が見えてくる

「…っ」

蒼い空に荒涼とした地面、そして後方で重力に引かれて轟音をたてている瀑布…クロアはあまりの変化に戸惑う

ゴウンゴウンという音が聞こえないほどの音に少しだけ顔をしかめる

「どうだ?感想は」割と最悪だ…、と答える。慣れない感覚に吐き気を覚えた

「さて、おでましだ」

ヒュンと一人の少女が転送されてくる。一瞬戸惑いを見せたがすぐにアメジストクロウズを構え直して戦闘体勢になる

「主の敵…。消えなさい!」

「悪いな、新人の前で負けるわけにゃ行かねえ!」

キン!という音と共に小さな火花が二人の間に散る。刀と爪が高速テンポで無機質な音楽を奏で、二人の武器捌きは一層鋭くなる

「くっ…攻めきれない!」

「足!」

一瞬だけうまれた隙に楼騎は叫ぶ。慌てて庇おうとしたラムダの爪は防ぐにはあまりにも遠すぎて…

「「…」」

時間が止まった。

極限まで張り詰めた空気が心臓を圧迫する…そして、時が止まったのではなく全員が身動きできないのだとクロアは悟る

「…何故」彼女の爪の下をくぐった刀が足の上数ミリの場所で完全に動きを止めていた。本当に、時間が止まったように…

「…おい」

「動くな!二人とも!」

緊迫した声にいかぶしむ二人は怯む

「あの野郎…!」

楼騎がガラにもなく悪態をついて罵る

「こいつの体にトラップを仕掛けやがった!」遠く離れた場所でルイエスは一枚の呪符を使用した。

「罠符『贄の乙女』」

砂が舞い上がり、彼の服にあたって地面に落ちていく

「ククク、最後の終わりに相応しいじゃないか」

一人笑って、呪符が消えないのに眉をしかめる。どうやら奴らは気付いたようだ…。舌打ちしてさらなる罠を使う

「罠符『光の導火線』」

トラップに反応して、触れるだけで爆発させる補助型の呪符だ。今頃、捨て駒の周囲を覆っているころだろう…

ルイエスはゆっくりと使えない部下が走り去った方角を見て呟く

「僕が出るのもいいかな」

ふふふ、と笑って彼はゆっくりと歩き始めたクロアは戸惑っていた。

目の前に淡黄色の光がたなびいていて、それらが渦を巻くようにグルグルとゆるく円形の形をとっていた。そして、それに触れるなと言われているのだ

「何だよ…これは」クロアが呟く。ラムダが酷く小さな声で答える

「『光の導火線』…そんな」

口調こそいつも通りだったが、目には落胆と絶望が浮かんでいた。彼女は何を思っているのか…クロアには知ることが出来ない

「…もう、用無しですか?」彼女の言葉はその場にいた者にとても鋭く響いた。二人の男は何も答えられなかった

「…ルイエスは、そういう奴だ」

楼騎は苦々しそうに呟く。ひょっとしたら、こいつはルイエスの行動を予想していたのではないかとクロアは思った。

理由なんて無い。ただの勘だ。

だからこそ逆に気になった

「くそっ、これはどうすれば消える!!」

―――

ガチャン、と誰も気付かない機械音が響く。クロア達のいる滝の上を微妙に上回る位置に巨大な三脚が鎮座していた。

比較的大きな岩が転がる山のような場所でルイエスは片目で狙いを修正する

「まずは…クロアだ」

カチリ、と巨大な三脚のトリガーを引く

轟音と共に金色のベルトが三脚に飲まれていき、そして…光の導火線に触れないようにしながらクロアは移動していた。とりあえず二人に近付けば何らかの解決法があるかもしれない…そう考えたのだ

「じれったいな…」

頭の横を光が撫でるように通り過ぎる。割と動く範囲が大きいので足を止めてタイミングを計る

ブオン!と耳元を豪速球が掠める

咄嗟に振り返ると


―金色の壁が迫って来ていた。


広範囲にばらまかれたかなり大きな銃弾が一秒の数十分の一の時間差でクロアの体を貫く!

「あがっ!」

思わず叫びが漏れる。クロアは次々に狙いを変えてくる銃弾を全てその身に受けて血の霞を作りながらかなりの距離を押される

「クロア!」

楼騎は轟音で異変を感じとって名を叫ぶ…、返事はない。

身動きできない状態でも、可能な範囲を目視する。…何も見えない。何も!

「クロア!答えろ!」

地面を穿つような音が終わる。

シンと静まった静寂に楼騎は最悪の結末を思い描く。新人の、リタイアを

「…一つ忠告」

楼騎は顔をあげる。ラムダが少しだけ笑っていた。

「導火線」

キィン、と光が物凄い勢いで焼失を始めていた。先程の銃弾で切れたのだ

「…くそっ」

周囲を取り巻く導火線が消え始める。精々十秒でラムダが爆発して…

トンッ、と楼騎は押されるのを感じる

「主の非礼をお許しください」

最後に笑って、彼女は消えた。

金色の粒子と紅い煙に変わって、この世界から消えた

―――――

脱落者の宴

―――――


エア「あとがきすたーとぉ!」

ブロウ「…めんどくせー」

エア「今回は脱落者の宴ってわけでゲストかもーん!」

ゾルア&ラムダ「どうも」

エア「行も無いので本題!」

『ルイエスとはどういう関係?』

ブロウ「…バイト主」

ゾルア「―――の――だから」

ラムダ「ごにょごにょ…だから」

エア「わ…わかんないよぅ。次!」

『好きなものは?』

ブロウ「…土佐犬」

ゾルア「鋭い物、それとダーツ」

ラムダ「小動物…あとは…ルイエ」

エア「もういいっ!」

『脱落者の一言』

エア「ラストぅー」

ブロウ「めんどくせー」

ゾルア「一撃死とか無いぞ」

ラムダ「爆死は嫌だ」

エア「爽やかに死ねるかバカモノー!」


シロツバ「打ち上げ行った彼らに代わり、一言…」


『質問受け付けます』

彼らに聞いてみたい事があればなんでも書いてください。(たぶん)答えてくれます


シロツバ「ではでは、またお会いしましょう〜」

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