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第十章 決着、そして歯車が噛み合った

ゲームファンタジー!

最近は小説を読む度に自分の力不足を実感してます…やっぱ皆さんには勝てませんm(__)m

もっと頑張らなければ…(クロア達がね


最近あとがき占拠されたんで前書きと言う名の作者コメントとなりますね。うん


夜中に書くもんじゃないな…ワケわからん…(^^;

では、皆さんをこれ以上に混沌とカオスの世界へ引きずり込みましょう!

「異門『ヴァルハラの通行手形』」!

重く、低い音が轟いた。

目の前には、炎と赤黒い煙が渦巻くようにして空に伸びていた

「嘘だろ…何で庇った」

黒髪の青年が煙に向かって叫ぶ。ほんの数秒前まで人だった煙は当然何も答えない

楼騎はルイエスを探す。

近くにはいない。あいつの武器を考えたら狙撃と考えるのが妥当だろう…

幽月と水映月を構えて楼騎は神経を研ぎ澄ます…小さな音も聞き漏らすまいと静かに目を閉じるルイエスは砂煙と爆煙を見ていた。ユラユラと空へと伸びていく煙は彼の武器からも立ち昇っていた

巨大な三脚の上に設置された黒い機関銃に一度息を吹き掛けて煙を掻き乱す

「さて、次だね」

『弾丸装填』と書かれた繰符を使って弾切れの銃に黄金のベルトが装弾される

カチリ、とゲーム終了の引き金を引いたピクリ、と楼騎は反応する。

風の流れが僅かに歪むのを感じて咄嗟にバックステップを踏んでその場から離れる

一瞬前にいた場所に金色の弾丸が突き刺さって砂ぼこりを上げる

「大口径…しかも機関銃か」

タンタンタン、と軽快なステップで着弾地点を紙一重で回避しながら滝へと逃げていく。

後一歩で崖から飛び降りる、そんな場所で

「いってぇ…」

楼騎は左側に体を倒して金色の雨をやり過ごして声がした場所を確認する

「ククク…お前もズタズタだな」

全身血まみれの傷だらけの新人が生意気な事を言ってやがった

「生きてたか。死んだかと思っていたが」

ほんの僅かに安堵する。が、じっとしているわけにもいかない。再び金色の弾丸が襲いかかって来ていた

「新人、飛ぶぞ」

「はっ…跳んだあとは飛ぶのかよ…好きにしやがれコンチクショウ」楼騎はクロアの手を取って引く。そしてそのまま、背負うような体勢にして落差10m以上ある滝を飛び降りた

身を切るような高揚感と、中身が浮き上がる気持ち悪い感覚。そして耳元で鳴る風の心地よさに両手に握った刀を強く握りしめる

―水面が迫る

二人はまばたきもせずに水面を見つめている。何故だか恐怖は微塵もなかった

―水面に触れた

ザブン、と体が水を貫いて気泡を無数に生産した。そして二人の姿は見えなくなったルイエスは思わず岩山から下を覗き込む。元からこの銃は高低差に弱いのだ。なんとしても逃げた先を見つけなくては…

「滝の周囲にはいないようだね。となると…」

崖に空いた空洞を見つめる

少しばかり遊ぶのもいいかもしれないな

―――

「大丈夫か?クロア」

暗い場所で楼騎は小さなランタンの光を受けながら呟いた。ランタンは周囲に散乱していたものから状態の良いものを選んで拝借したものだ

「なんとかな…痛てぇが少しばかり目が覚めたぜ」

ククク…と横たわったままクロアは笑う。二人の足元には水溜まりが出来ていた

「奴が嗅ぎ付けるのは時間の問題だ。クロア、動けるか?」

片手が上がって振られる。どっちだよ

「あんまし動けねぇ…な」

クロアは一人だけ赤黒い水溜まりに触れる。少しばかり意識が遠退きそうになったが無理矢理引き戻す

「…そうか」

楼騎は考え込む。果たして逆転の策はまだ使えるのかを…

「やれるぜ」

立ち上がったクロアに気付いて奇策を思考していた楼騎は驚く

「勝てるんだろ…やれるぜ」

新人の言葉に、小さく笑う

「わかった。ならば次に移ろう」

そう前置きして楼騎は第二部分を伝える

「奴は必ず…」ガシャン!と金属の設置音が響く。二台の大型バルカン砲…その間に立ってルイエスは親指一つで使用できるスイッチに手をかける

「そこにいるんでしょう?ほら、出てきなよクロア!」

沈黙…ルイエスは小さく笑う

「ほら、出てきなよ。怖いのかい?」

ははは、と笑ってルイエスは『10』と叫ぶ。一拍置いて『9』、小さくなっていく数字を聞きながら洞窟の岩影から二人は様子をうかがっていた

「本当だな。まさか来るとは」

「だろ?バカなんだよ」

二人は手に持った武器を握る。クロアの手には紅い刀が、楼騎の手には蒼い刀が握られていた

「行くぞ」

『1』と叫んだとき、ルイエスは現れた二人を見て嘲笑する

「やっと出てきたね、待ちくたびれたよ」

「黙れ。繰符『月明かりの結界』」

世界が夜になる。暗い、星が瞬く世界が空を支配する世界にはただ、静かな静寂と、誘惑する満月が存在しているだけになった

「なんだ?これは」

ルイエスは空を見て、照らされる土の地面を見る。その瞬間に紅と蒼の軌跡が走った。

「しまっ…」

一瞬の差で二つの刀が二つの銃を切り裂いた。クロアはその時点で再び意識が遠退いたのを感じて軽く頭を振って引き戻す

「へっ…形勢逆転だな…」

金色の粒子の合間からルイエスの手に挟まれたカードを見つける。クロアは刀を振り上げて叩き下ろす「双銃『リスプ・メイス』」

目の前に灰色の銃口が現れて回避する。直後にタン!という発砲音が頭を打つ

クロアは体勢を下げて背後に回り込もうと移動するがルイエスの左手はピタリと照準を合わせていた

タン!と発砲と軽い衝撃、クロアは右手が動かなくなったのを即座に感じて刀を左手で受け取って切り上げる

それを左手の銃で受けて後方へと受け流す。そのまま反転してルイエスは右手に握った銃を突きつける

「もういいや、死になよ」

強い衝撃が胸を撃つ。

心臓をほんの僅かそらした一発は二発となって再び逆位置に撃ち込まれる

「しぶといね。死を否定しているんだ」

ルイエスは薄く笑う。そして、三発目が…

蒼い一閃が鮮やかに見えた。

「水映月を棄てろ。もうお前は休め」

ズキズキと痛む腕を押さえているクロアは再びグニャグニャとした思考の海に沈んでいた。痛みと、憤怒と、憎しみと、そして、哀れみ。全てを叫ぶ自分がいて、全てを否定する自分がいる。

生と死、二つの境界すらあやふやな世界で彼は何かの(かい)を求めた。

―全てを壊せ

解は二つ

―全てを知れ

選べるのは一つ、

―結末は世界と共にある

無意識の意識の隙間に落ちた意識は完全なる二択に挟まれて動きを止めた。彼の心臓を弾丸が貫いても彼の意識は埋没したままだった白い部屋にいた。

無限に続くような、広大な世界の中にはクロアと輪郭(りんかく)がはっきりしない人々が立っていた

―クロア

高い声に呼ばれた気がした。

―ずっと一緒にいようね

勝手なことを言っている声に小さく反発する

一瞬だけ沈黙があって世界がボロボロと崩れていく。その崩壊はとてもはやくてクロアはあっという間に奈落へと落ちていった

―クロア

低めの、だが幼い子供の声が聞こえる

―クロア

最初に聞いた声と良く似た声が奈落に響いた。声はそれ以降パタリと途絶えて、クロアの体は一瞬にして金色の粒子へと変化したハッと眼を覚ます。

真っ白な空を見てまだここは『ヴァルハラ』かと驚く、が

「クロア!起きたぁ!!起きたよぅ!!」

なんか騒いでるのがいるから違ったのだと気付く。だとしたらここは何処だ?クロアは周囲をうかがう

―完璧に統一された白。

―やや薄暗い独特な明かり

―鼻を突く薬品臭

医務室だと理解した。

「あら、ようやくお目覚め?」

白衣を着た女性がカーテンをずらして一言呟く。その後ろでは金髪が楼騎を揺さぶっていた。顔が青くなっているのは無視するとしよう

「俺は…なんでこんなとこに…」

ぼんやりとした頭では考え事に向かない…軽く頭を振って立ち込めるモヤを取り払おうとする

「アナタは気を失ったのよ。たまにゲームをプレイした後に気を失うのがいるから心配しなくていいわ」

『T』はそう言ってエアリアルを呼び寄せる。そして、何かを耳打ちしてカーテンの外へ出ていった

「心配したよ、まさかあんなになるなんて…」

…ん?なんかこの雰囲気に覚えがある

まさかとは思うが…

「また首の骨を折る気だったのか?」

彼女はぶんぶんと手と頭を振って全力否定する。ゲームの時とは別人としか思えないな

「こんな口調はこいつが心配してる証拠だ。少しくらい多めに見てやれよ」

カーテンを押し開けて楼騎が入って来る。どうやら生きてたようだ

楼騎は椅子を引き寄せて腰掛け、エアリアルもベッドに腰掛ける

「俺なんか何も言われないな」愚痴ったな。

「う…」

エアリアルは気まずそうにソッポを向いて話が終わるのを窺っている

「まぁ、元気そうだな。まぁ三日三晩寝れば当然か」

「何だって?」

クロアは一瞬自分の耳を疑う。何日だって?

「三日三晩だ。こいつなんて昼間はずっと」

「わーわーわー!言わないでよぉ!」

アッパーが炸裂する。鮮やかに決まった一撃に青年の体が飛翔する…そして、カーテンの外へと鈍い音と共に落着する…

ついてないな、クロアは同情する

「エアリアル…またやったの?」

至極冷静な声が聞こえて、減給だと脅す。彼女は驚いて謝りに行く

「やめて欲しくばこの資料を書いてある先に配って来てね」

「え…これ、百部以上あるよ…」

「走って!」

「はぁぁぁい!」

バタバタと足音が遠退いて。鮮やかに決まった一撃に青年の体が飛翔する…そして、カーテンの外へと鈍い音と共に落着する…

ついてないな、クロアは同情する

「エアリアル…またやったの?」

至極冷静な声が聞こえて、減給だと脅す。彼女は驚いて謝りに行く

「やめて欲しくばこの資料を書いてある先に配って来てね」

「え…これ、百部以上あるよ…」

「走って!」

「はぁぁぁい!」

バタバタと足音が遠退いていく。もうクロアには見えていないのだが不思議と泣きそうなエアリアルと意地悪なTの顔が浮かんできた

―全てを壊せ

―全てを知れ

同時に聞こえた言葉を振り払う

「俺は、知りたい」

シャッと開いたカーテンに少しだけ顔を上げる。Tが仁王立ちで待っていた

「聞くわ。アナタは何処にいたの?」クロアは思わず聞き返す。そしたらTはまったく同じことをやや強めに聞いてきた

「ゲームをプレイして気を失うのは稀にあるわ…。でも、それは数分程度、三日三晩、アナタのキャラクターは『死亡』していなかった。それに、反応も無かった。

アナタは、何処にいたの?」

クロアは何の事かと聞く。Tはアナタの試合のことよ、と答える

彼は少しだけ考えてから何も覚えていないと答えた。実際は自分にも良く分からないのだ

「そもそも、俺がやられても『死んで』いなかったのはシステムのバグじゃねぇのか?」

そもそも、只のプレイヤーである俺がシステム側の人間に分からないような事を知っているはず無いじゃないか、馬鹿馬鹿しい

「証拠でもあんのかよ」

Tは小さくうなずく

「一応…ね」

証拠不足だとわかっているのか彼女は控えめに口を開く

「今より一時間前、『クロア』の死亡を確認。そしてそれより16分後にプレイヤー『クロア』の意識回復。偶然は考えられないでしょ?」

クロアは小さく唸る。確かに何かあったようだがどうにも釈然としない…なんなのだろうかこのモヤは…

「聞いてるの?」

クロアはハッとする

「BUGか?あいつらは」

いやだがしかし確証は無い上に何故そう思ったのかすらわからないだが…

「クロア!」

Tの激しい一声に一瞬全ての思考にブレーキがかかる。彼女はまた仁王立ちしていた

「何か知ってるわね?」

彼は観念して白い空間と輪郭がはっきりしない人々のことを話す

もちろん、最後に夢だろうと付け加えて

「…白い空間に、人か…わかんないわね」

管理者もわからないらしい。どうにも納得いかないものがあるが…嘘をついてるふうでもないので追求はしない

「なぁ、俺はいつまでここにいりゃいいんだ?」

クロアは狭い、カーテンで仕切られた個室を指差す。長い間いると居心地どころか気分まで悪くなってくる…

そう思った瞬間、頭に激痛が走った。そうまるで殴られたような…そんないた…み

ドサリとベッドから落ちて鈍い音をたてる。後頭部に手刀をかましたTは小さく謝る

「ごめんね、場所を知られるわけには行かないのよ…」

彼女が立ち去った後には誰も残っていなかった。クロアの荷物がほんの少しだけ減っていたのを、数分後に戻ってきた二人は見抜けなかった二人は、何処に行ったのかと議論を始めた

―――――

脱落者コーナー PS.『人生の』

―――――

クロア「…看板変えたやつ誰だよ」

クロア「しかも俺だけかよ…何すりゃいいんだよ…なぁ、白燕よぉ」

カンペ『繋いで!』

クロア「もういいや、カギ括弧俺な」

「さて、俺の周囲の人間の話でもするか」

「ガルト。出番無いが俺の相棒だな。昔からの馴染みでな、小中一貫の制度のせいでで軽く10年は続いてんな。うん。」

「エアリアルか…あいつはぶっちゃけるとよくわからん。関わると死ぬタイプだな」

「楼騎は…信用はできるな。ただ、苦手なタイプだな」

「双子?あぁ、ノピアとヨロワか…どこ行ったんだろうな?子供は手加減を知らないから嫌いだ」

「ルイエス?死ねよ」

「Dか…信用できないな。なんかわかんねぇし」

「T?…なんだろうな、頭がいてぇ…俺、なにがどうし…むがっ」


シロツバ「今回はお開きです。また次回お会いしましょう〜」



シロツバ「危ない危ない…」

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