〜回想〜初対面の王子様
だいぶ投稿するのに時間がかかってしまいました。
「おい、お前」
「私ですか?何でしょう?」
突然話しかけられて私は少し驚きましたが他にする事もないのだしと思い会話をすることにしました。
「お前は何者だ⁇何故こんな所にいる」
「私はシルフィア・ウォーター。お父様が仕事をしている間ここで待たせて頂いてるの。貴方こそ誰なの?貴方も私と同じで誰かを待っているの?」
「俺のことを知らないのか?」
「? ええ、そうですわ。だって私達今日初めてお会いしましたよね?」
「それはそうだが……」
「⁇」
「まぁいい、ちょうど暇してるとこだったからな。お前には特別に俺のことを教えてやろう」
「そうですか。それはありがとうございます」
「俺の名前はレオルド。この炎の国の王子であるレオルド・ファイアーだ!よーく覚えとけ‼︎」
「王子様でしたのね、改めて自己紹介させて頂きます。水の貴族の娘シルフィア・ウォーターでございます。レオルド殿下よろしくお願いしますわ」
「ああ、ところでお前の父親は今仕事をしていると言ったな⁇」
「ええ、そうですわ」
「もしかして俺の父様の所へ行っているのではないか⁇」
「よくお分かりになりましたね。お父様と王様の2人で少し大事なお話をされるそうなので私はこちらにいるようにと言われたのです。」
「やはりそうか……」
「何かお心当たりがございますのでしょうか⁇」
「おそらくお前と俺との婚約の話だろう」
「婚約ですか⁇」
「よくある話だろう⁇俺はここに来る前に父様から婚約者との顔合わせだと言われたからな。今お前の父親が父様と一緒にいるということは俺たちが婚約者同士というわけだ」
「そうなのですね。私とレオルド殿下が婚約者……」
「だから顔合わせも兼ねてこの部屋に連れてこられているんだろう」
「はぁ………」
「何だ俺との婚約がそんなに嫌か⁇」
「そういう訳ではないのです。ただ突然婚約者と言われて混乱してしまって……」
「そうか、でもこの婚約は仮のもので正式なものではないからそこまで悩まなくてもいいだろう」
「仮⁇」
「ああ仮だ。初対面でお互いのことを知らないし、何より俺がお前を気に入らないからな。とりあえず仮の婚約だけして他のうるさい奴らを黙らせるんだよ」
「あの、気に入らないとは⁇」
「俺はお前みたいな奴好みじゃないからな、見た目からして駄目だ。それに俺のことを知らないときた。俺はこの国の王子だ‼︎誰もが知ってる存在でありながらお前は俺のことを知らないと言って全く興味を持っていなかった。そんな奴が俺の婚約者だなんて認められない」
私は唖然としてしまいました。
これがこの国の王子なのかと、そして同時に私のレオルド殿下への印象も最悪なものになりました。
それからしばらくして城のメイドが私達を王様とお父様のいる部屋に連れて行きました。
そこで私と王子との婚約についてお話しされたのですが、先程の王子の発言に衝撃を受けたままの状態だったのであまり覚えておりません。
はっと気がついたのはお父様と一緒に帰宅する馬車の中でございました。