〜回想〜 でもその前に……。
先程の出来事を皆様にお話する前に、まずは私のことを教えないといけませんわね。
私はシルフィア・ウォーター周りからはとシア呼ばれています。
家族構成は家族大好きな父と母、そしてちょっとシスコン気味な5つ年上の兄、私の4人で炎の王国の大貴族の1つウォーター家の者です。
そして転生者でもあります。
転生者と言っても昔の記憶などはほとんどありません。
ただ、何歳で亡くなったとか、どんなことをしていてどの様な生活を送っていたのか等のほんの些細なことを覚えているだけです。
たいした意味もない記憶の数々ですが1つだけ意味のあるものがありました。
何故か転生前の職であった保育士の記憶だけははっきりと覚えていたのです。
それだけ前世の私はこの職にやり甲斐を感じていたのか、子ども達と過ごす記憶だけが鮮明に残っております。
この記憶があるからでしょうか?
婚約者に対して(何とかしなくては)と強く思ったのです。
私の紹介は終わりましたので早速回想をしていきたいと思います。
私と婚約者の出会いは9歳の頃でした。
ある日私は父に連れられて王城へ行くことになったのです。
城で働いている父が私の事をいつも話題にしていたようで、それを聞いた王様が父の溺愛している子どもを見たいと仰ったそうです。
そして王様との対面の時、私と婚約者は出会いました。
王様との対面後、父が仕事の話があるというので別室に案内されて父が来るのを待っていました。
そこに突然やって来たのが婚約者
私は誰だろう?と疑問に思いましたが、私と同じように親を待っているようにと連れてこられたんだと思い、気にせず父が来るのを待っていました。
しばらくお互いに無言だったのですがそれが耐えられなかったのでしょう。
婚約者が話しかけてきたのです。