11話:分からない世界
びゃっこ☆彡です
これの前の話で何人かはブックマークを外すと予想します
(-ω-)
『この世界は現実となった』
そんな噓みたい言葉と同時にこのゲームはログアウト不能のゲームになってしまった
でも、僕は周りの人達の様に叫んだり怒ってたり泣いたりなんてしてられない
僕には…守らなければいけない人が居るから!
「優くん、本当に大丈夫なの…?」
「大丈夫だよ、ここは弱いモンスターしか出ないんだ、それにそろそろ最初に貰った3000Rも無くなりそうだし稼がないと…」
「そうだね……うん! 私も頑張るよ!」
「絶対に咲良は僕が守るよ」
「うん、優君となら何でもどんとこいだよ!」
そう、誓ったんだ
咲良は俺が守るって……なのにっ!
「へへっ、こんなゲームに閉じ込められて最初は糞ムカついてたけどよぉ…ここなら何しても犯罪にはなんないんだよなぁ」
「やめ…ろっ! 咲良に、触ん、な!」
「おいおい、麻痺受けてまだ喋れるのかよ……そんなにこの女が大事か? いいねぇ…青春、ってやつ? ブフッ! ハハハ!」
「ゆ……く、ん…」
咲良が泣いてる
咲良が、目の前で泣いてるのに! 何で、何で動かねえんだよ!
クソッ! クソっ! クソォォ!!
「ほいじゃ、まショータイムと行きますかね? はーい、この短剣がぁ~……女の腹の中へぇぇ!」
「あうっ! っ!」
「や、めろ! やめ…ろ!」
咲良のHPバーがガリガリと削れていく、確実に着実にその命を奪い取っていく
それでも僕の体は動かない
「ゆう、く……ーーーー」
“パリーン…”
咲良が、消えた
モンスターと同じ様に…砕け散った
「え…あ、うっ……」
頭が上手く働かない
あれ? 何でこんな所に居るんだっけ?
……ああそうだ、お金を稼ぐ為だ
じゃあ何でお金を稼ぐ必要があったんだっけ?
……ああ、寝る場所と食べ物が必要だからだ
え? 何でもうあるものを求め…?
……ああ、そうだ、ゲームに閉じ込められたからだ
じゃあ、何で咲良が死んだ?
…分からない
咲良が、僕が何をした?
…分からない、分からない、分からない!
「ふぅ…スッキリしたぁ、お前はー……んー女やった後にやるのもなぁ…感触が消えちまいそうだし、置いといてもいいか! ハハハ! じゃあなぁ」
あいつは何を言っている? 咲良を殺しておきながら、何であいつは生きている?
…分からない
ーーー何で、こんな世界がある?
ーーー分からないーーー
“ポーン”
『プレイヤーの絶望が一定値まで上昇しました。ユニーク種族へと転生します』
“ポーン”
『ユニーク種族を確認しました。ユニークスキルを手に入れました』
“ポーン”
『種族:魔王により称号“絶望”を手に入れました』
《???》
「……え!?」
「ん? どうした? 何か問題でもあったか?」
「あ、いえ、問題といいますか……プレイヤーの誰かが魔王へ転生したみたいです」
「む? あれは確か相当なストレスを感じる事で転生出来るようになるユニーク種族だろ? 具体的には30年間頑張ってきたゲームのデータが消えるくらいの…」
「い、いえ、それではデスゲームになった際条件を満たすプレイヤーが複数現れてしまうだろうと言う事で絶対に感じる事に無い程のストレスに設定しなおし筈なんです、けど……」
「ふーむ…抜け道でも見つけられたか? まあ兎に角出てしまった物はしょうがない、これ以上あの強力な種族は出さないように魔王の設定自体消しておけ、魔王なんてものは一人で十分だからな」
「分かりました」
足元に転がった男を見ながらその男の手や足を引き千切っていく
「あがっ、お前、こんな事してただで済むと…があ!?」
「黙れ…屑は屑らしくバラバラなのがお似合いだ」
更に男の体の一部を引き千切り黙らせる
「があぁぁ!!」
「状態異常:不死か……思った以上に使えるな、安心しろ…あと2分もすれば状態異常は治る、そうすれば……楽になれるさ」
すっかり日も落ちたフィールドで手、足、体がバラバラに散らばっているという普通ならあり得ない状況の中央に黒髪の男が立っていた
その目は何の感情も籠っていない
そして、瞳は怪しく赤く輝いていたーーーー
ついにそれらしいのが出てきましたね
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