9話:幻の素材
びゃっこ☆彡です
明日からだいぶ忙しくなると予想されるので今の内に何話か投稿します
「……そう言えば最近あるプレイヤーが面白いクエストを見つけたそうよ」
「へー、どんなクエストなんだ?」
俺のオムレツを綺麗に平らげたエルザは俺が面白い話をしてくれと頼んだ事をちゃんと覚えていたのか口元をナプキンで拭きながら話をし始めた
「……新しいマップの東フィールドで発見された素材採取系のクエストなんだけどね、何でも採取素材を見つけたと思って手を出したら消えちゃってクリア出来ないんですって、掲示板でもそれ専用の板が出来てるしそうとう良い報酬の出るクエストなんじゃない?」
「ほほーう…」
「……どうする?」
「愚問だな! 行ってくる!」
「ふふ、言うと思った、皆には私から伝えておくからゆっくりいってらっしゃい」
「ありがとエルザ!」
「……場所は新しいフィールドの東だからってボスまで倒しちゃ駄目よー!」
「分かってるって! じゃ、いってきまーす」
流石の俺でも第1ボスが撃破されてから1週間で第2ボスまでは倒さないよ
……たぶん
ま、まあ取りあえずは2番目の町へ行ってからだな!
俺は自分のアイテム欄からワープアイテムを取り出して第2の町へ転移した
「……ほんと、思いったったらすぐ行動するんだから…このゲームが始まってからそこそこ経ったけどやっぱり私はあいつの事……うむむむ、悩むなんて私らしくないわ、気分転換に防具でも作りましょ」
今は、この思いを内から解き放つなんて出来ない……だけど、もし…もしこのゲームがクリアされたら……私は…
気分転換で始めた鍛冶もいつの間にか目の前に白と青の防具が出来てしまい辞め、結局さっきまでと同じくギルドホームにはトントンと言うリズムが響くのだった
《第2の町:ゼパーロ》
「消えちまう素材?」
ガヤガヤと賑やかな商店通りで如何にも気難しいおやじの声が一際大きく上がった
彼の人間味のある態度に何度目か分からない関心をした後俺はもう一度そのおっちゃんのNPCに話しかけた
「そう、なんかそれらしい事とか聞いた事無いか?」
「ふむ、大体坊主はそんな糞の役にも立たねぇ素材を見つけて何がしたいんだ? また領主の報酬狙いなのか?」
「んー…確かにその領主の報酬ってのも気になるんだけど、一番は面白そうだから、かな?」
「ガッハハハ! そうか、面白そうだからか! よし、気に入ったぞ坊主! お前名前はなんて言うんだ?」
「ん? 俺の名前はアオイだけど……」
「そうか、じゃあアオイ! 幻の素材を見たいと言うお前に1つ頼み事をしようじゃねぇか!」
“ピコン”
【クエスト】
不思議な幻:東の岩場に姿を現す“幻”を集めろ 3/0
<報酬>
???
受ける/受けない
「おお? 掲示板でも見た事の無いクエストだな……」
確か掲示板には
1.寒ライ ID:kzOGe4yz
幻の素材とか言う凄そうなの見つけたぞー!
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2.名無しさん ID:AonTcwMz
何だと!?
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3.逝け面 ID:ZIZjAwhZ
詳細、!
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4.青い音速 ID:YxNgMNm
ゼパーロの店がいっぱいあるとこで気難しそうなおっさんに話しかけたらクエ始まる。
[幻の採取]ってクエで報酬は領主からとその素材が手に入る
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5.寒ライ ID:kzOGe4yz
おま、俺の唯一の手柄を……
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って感じだった
だけど今俺の目の前に表示されてるのは…
【クエスト】
不思議な幻:東の岩場に姿を現す“幻”を集めろ 3/0
<報酬>
???
受ける/受けない
「会話の内容によってクエストが変わるって事、か? まあ何はともあれクエスト自体は受けられたんだし、東のフィールドへ行ってみますかね」
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