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落ちこぼれと呼ばれた超越者  作者: 四季崎弥真斗
2章 創世樹の森
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公都ハーンス

 「レンタロウさん、フィーナさん。目的地のハーンスに到着しましたよ」


 謎の植物巨人との戦闘を終えて2時間後、ようやく目的地の公都ハーンスが見えてきた。


 「あれがハーンス!」


 フィーナが爛々と目を輝かせて見えてくるハーンスを眺める。


 モンスター対策の為か、ハーンスの周りはレンガで造られた5メートル程の城壁でグルリと囲まれている。


 そしてハーンス唯一の出入口である門の前には門番らしき人物が2人が立っており、長蛇の列を作っている商人の馬車や冒険書達の入場検査している。


 煉太郎達は列の最後尾に並び、自分達の順番を待った。


 「次の馬車」


 30分程待ち、ようやく煉太郎達が乗る馬車の番がやって来た。


 「出身と荷物の内容は?」


 「アルバ村から来ました。積み荷は特産品のアルバ酒です。通行書はこちらに」


 出身と積み荷の内容を説明し、入門書を門番に見せる青年。


 「確認しよう」


 門番は積み荷を隈無くチェックし、内容と同じ品か、危険物がないことを確認する。


 「よし、異常な物はないな。通って良し」


 「ありがとうございます」


 青年は軽く会釈すると、馬車を進めようとする。


 しかし――


 「あ、ちょっと待ってくれ」


 門番に呼び止められて馬車を再び止める。


 「馬車に乗っている2人は初めて見る顔だな。このハーンスを初めて訪れるならなら詰め所で書類を書いてもらう必要があるんだが……」


 煉太郎とフィーナは、このハーンスに来るのは初めてなので門番の指示に従うことにした。


 「では、私は先に失礼しますね」


 馬車の品物を得意先の店に届けなくてはならないのでここで1度別れることにする煉太郎達。


 「ああ、ありがとうな」


 「お陰で助かったよ」


 「僕は暫く公都で仕事をしなくてはならないのでアルバ村に戻るのは3日後になります。それまでこのハーンスを満喫してくださいね」


 そう言って青年は先に門を通り抜けて行った。


 「では2人共、こちらへ」


 煉太郎達は詰め所の中に入り、門番に進められて椅子へと座る煉太郎達。


 机の上に書類とペンが置かれ、煉太郎達は内容の項目に記載していく。


 「よし、書類への記載は終わったな。幾つか質問をさせてもらうが構わないな?」


 「ああ」


 「うん」


 門番の問いに煉太郎達は頷く。


 「まずはこの都市に何の目的で?」


 「討伐したモンスター素材の買い取りと食料などの調達だ」


 「なるほどな。次の質問だ。そのモンスターは奴隷用マジックアイテムで従わせているのか?」


 門番は視線を煉太郎の肩に乗っているクルに向ける。


 「クルル?」


 視線を向けられ、クルは「どうしたの?」と言いたげに首を傾げる。


 「いや、こいつは旅の途中で遭遇して懐かれたんだ」


 「ふむ、マジックアイテムで従わせている訳ではないのか……」


 煉太郎の言葉に門番が何かを考え込む。


 その様子に煉太郎達は微妙な物を感じたが、門番が口を開くのを黙って待っていた。


 「この都市に滞在する冒険者の中にはモンスターを飼い慣らしている者は多少だが存在する。しかし皆モンスターには必ず奴隷用のマジックアイテムを装着させているんだ。飼っているモンスターが急に街で暴れないように為にな」


 「そのモンスターを使役させるマジックアイテムはこの都市にも売っているのか?」


 「ああ。マジックアイテムを販売している魔法屋にでも行けば売っているはずだ」


 「分かった。購入して付けさせよう」


 「そうしてくれると助かる。奴隷用のマジックアイテムを購入するまでは代わりにこれを付けてもらうぞ」


 門番は小動物用の奴隷首輪を煉太郎に渡す。


 「使役しているモンスターが暴れて人に怪我を負わせたり、物を壊した場合は全ての処罰は主人の方にいくから注意するんだぞ」


 「分かった。気を付けよう」


 クルに限ってそんなことはしないだろうと思っている煉太郎だが、『郷に入っては郷に従え』と言うことわざがあるので素直に門番の指示に従うことにした。


 「クルル……」


 首輪が思いのほか小さく、クルには少しキツイようだが暫くの間の辛抱だとクルに言い聞かせる煉太郎。


 「質問は以上だ。一応この街に入るには税金を払う必要がある。2人たがら銀貨2枚だな」


 「ちなみにこの公都の地図はあるか?」


 「あるぞ。地図は銅貨8枚だ」


 「これで」


 煉太郎は銀貨2枚と銅貨8枚を門番に渡す。


 「はい、確かに。これが地図だ」


 煉太郎は門番からハーンスの地図を受け取る。


 「それじゃあ俺達は行くぞ」


 「ああ。公都ハーンスにようこそ。良き観光を」


 門番にそう送り出されて、煉太郎達は詰め所を出ていった。

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