表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
落ちこぼれと呼ばれた超越者  作者: 四季崎弥真斗
1章 超越の始まり
45/139

拳銃の完成

 煉太郎がドーンに拳銃を造ってくれるよう頼んで3日が経過した。


 ドーンから拳銃が完成したと言う知らせが届いたので煉太郎とフィーナは鍛冶屋へと赴く。


 「来たぞ親父」


 「おはよう、ドーンさん!」


 「おう、来たかお前達。待ってたぞ」


 拳銃の完成に力を入れていたのか、ドーンの目は隈に覆われている。


 「おい、大丈夫か親父? まさか一睡もしていないのか?」


 「少し休んだら?」


 「俺をそこいらの奴らと一緒にするな。これでも丸1週間は寝ずに鍛冶作業をしたこともあるんだぞ? それに比べたら3日くらい楽勝だ」


 「それはそれで……」


 「凄いね……」


 余りあるドーンの元気に呆れたように呟く煉太郎とフィーナ。


 「まずは預かっていたこいつを返しておこう」


 ドーンが煉太郎に返却したのはタブレットだった。拳銃を製作する間、ドーンに預けておいたのだ。


 「ん? タブレットに何か付いてるぞ?」


 充電器を差し込む場所にはマジックアイテムと思しき物が取り付けられていた。


 「拳銃を造るついでにちょっと弄っておいた。そのタブレットと言うマジックアイテム電気を蓄電して起動する代物だと聞いた。そいつに魔力を流し込むことで自動的に蓄電出来るようにしておいた」


 「そいつはありがたい。助かるよ」


 これでいつでも充電が可能になったタブレット。これから先、何かしら必要になるだろうからドーンの配慮に煉太郎は感謝する。


 「さて、ここからが本題だ。これが俺が造った拳銃だ!」


 ドーンは机に箱を置き、中を開けて完成された拳銃を煉太郎に見せる。


 見た目は黒一色の拳銃。


 「俺が見せた銃の設計図とだいぶ形状が違うな」


 「俺なりに改良を加えたからな」


 スライド、フレームなど元となった拳銃の原型を何一つ留めていない程に大型化、肉厚化されている。全長は30センチは超えているだろう。


 「それに重い」


 拳銃を持つとかなりの重量がある。


 「稀少な鉱物のオリハルコンで造ったからな。その代わり、どれだけ手荒に扱っても壊れることは無いから安心しろ」


 「装弾数は?」


 「7発だ。弾切れになれば魔力を拳銃に流し込むといい。魔力を自動に弾丸へと生成して装弾さえる筈だ」


 「現代兵器と魔法によって造られた拳銃――いや、魔銃と言うべきか。中々イカすぜ!」


 魔銃を構え、はしゃぎ出す煉太郎。


 「威力を確かめたい。試し撃ちが出来る場所はないか?」


 「そう言うと思ったぜ。準備してあるからついて来い」


 案内されたのは裏庭。


 的として用意されたのは鉄製の鎧で覆われている木製の人形。


 その人形から10メートル程離れた場所に立つ煉太郎。銃口を人形に向けて狙いを定めて、引き金を引いた。


 ドパンッ!


 乾いた破裂音と共に銃弾が人形に向かって解き放たれる。


 弾丸は意図も簡単に鎧を貫通した。まるでライフル並みの威力だ。


 「良い感じだ」


 煉太郎は文句無しと言った表情で呟いた。


 「坊主、もう一度撃ってみろ。今度は魔力を込めながらな」


 「? 分かった」


 煉太郎は再度人形に銃口を向ける。


 今度はドーンの言われたように魔力を魔銃に込めながら引き金を引く。


 ズドンッ!!


 爆発音に似た音を立てて弾丸が発射される。


 「――ッ!?」


 予想以上の強い反動にバランスを崩し、尻餅をつく煉太郎。


 発射された弾丸は赤い魔力を纏い、空気を切り裂くような音を立てながら、真っ直ぐに人形へと向かっていき、人形を跡形も無く消滅させた。


 「マジかよ……」


 先程よりも遥かに高い威力に思わず絶句する煉太郎。


 その様子を見て、ドーンは満面の笑みを浮かべる。


 「魔力を込めた量によって威力も格段に上がるようになっている。我ながら最高の出来だぜ」


 「こいつは凄い……」


 まじまじと魔銃を見つめる煉太郎。


 「パーフェクトだ、親父」


 想像以上の出来に煉太郎は満足げに言った。


 「気に入ってくれて良かったぜ。それで、名称はどうするんだ?」


 「そうだな。『タスラム』とでも名付けようか」


 タスラムとは、ケルト神話に出る光の神ルーが使用した石弾で、魔神バロールの目を射貫く程の威力があるとされている。


 先程の威力を見て、この魔銃にピッタリの名称だと思ってそう名付けたのだ。


 「タスラム、良い名称だな。これはおまけだ」


 そう言ってドーンはタスラムの銃身に触れると、ラディアスの文字でタスラムと刻まれる。


 「これ程の出来栄えだ。料金は弾んで貰うからな?」


 「勿論だ。それで、親父にはもう一つ造って貰いたい物があるんだが……」


 「何だ、それ程の物を造らせておいてまだあるのか? 本当にお前という奴は……」


 ドーンは呆れたように溜息をを吐くと、店内に戻る。


 「それで、何を造ればいいんだ?」


 椅子に腰掛け、問うドーン。


 「ああ。これなんだが……」


 タブレットを異空間から取り出そうとしたその時――


 「バーンさん! バーンさんはいるか!?」


 勢い良く開けられた扉。


 扉を開けたのは村人の青年だった。


 全身汗まみれで、肩で息をしている。どうやらここまで走って来たようだ。


 「バーンさん! 大変なことになった!」


 「どうしたんだ、そんなに慌てて。何かあったのか?」


 尋常じゃない様子の青年に尋ねるバーン。


 「さっき仕入れから戻ってきた連中から、聞いたんだ……! 軍勢が……ゴブリンの軍勢がこの村に向かって来ているようだ!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ