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落ちこぼれと呼ばれた超越者  作者: 四季崎弥真斗
1章 超越の始まり
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宝物庫



 「……落ち込んでいる場合じゃないよな」


 現在の状況をいつまでも嘆いているのも時間の無駄なので、取り敢えず煉太郎は気持ちを切り替えて、異空間に収納しておいた予備の服装(今の煉太郎に最も身長が近い勇悟の服)に着替え、マーディンの遺体に近づく。


 「まずは遺体をどうにかするか」


 煉太郎を狂気の実験の為に利用した人物であるが、このまま放置するには流石に忍びないと思い、その場でマーディンの遺体を火葬することにした。


 マーディンの遺体に油を掛け、火をつけると、轟々と炎が舞い上がる。


 暫くすると、轟々と良く燃えていた炎は消え、黒灰色のローブだけがその場に残されていた。


 「ローブが燃えていない? マジックアイテムなのか、これは?」


 煉太郎はこのローブについての情報を手帳を捲って探す。


 『不死鳥のローブ』


 伝説級のマジックアイテム。


 伝説の魔術師、バレリー=トリストフが『不死鳥』と呼ばれるSランクの鳥型モンスター・フェニックスが蘇る際に残る灰を使って染め上げて作ったローブ。


 破格の魔法防御を誇る。耐熱性、防寒性にも優れており、暑い時には涼しく、寒い時は暖かく、装備者に対して快適な着心地にする。


 損傷した部分を自動的に修復する。


 装備者の体力、魔力を少しずつだが回復させる。


 「ほう。これはなかなか……」


 高い魔法防御に自動修復機能、着れるエアコンと言える性能ぶり、さらに体力と魔力も回復させれることに思わず驚かされる煉太郎。


 「これは良いものを手に入れたな」


 煉太郎は不死鳥のローブを拾い上げると、それを身に着ける。サイズも煉太郎にぴったりだった。


 「もうこの部屋に用はないな。手帳によれば宝物庫があるみたいだな」


 マーディンは実験以外にもマジックアイテムを収集するのが趣味らしく、宝物庫には今まで集めたマジックアイテムが治められているらしい。


 「よし、宝物庫に行こう」


 煉太郎は実験室を出て、目的の宝物庫へと向かうのだった。



 ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆



 「おお、すごいな……」


 宝物庫に収納されている大量の金銀財宝、様々なマジックアイテムを見て思わず呟く煉太郎。


 煉太郎は手帳とマジックアイテムを見比べながら性能を調べる。


 『カルンウェナン』


 古代級のマジックアイテム。


 稀少で硬度が高い金属であるミスリルを使って作られた短剣。


 魔力を流すことで斬れ味が上昇する。


 『ペガサスブーツ』


 古代級のマジックアイテム。

 

 『天馬』と呼ばれるAランクの馬型モンスター・ペガサスの皮と羽を使って作られた靴。


 魔力を流し込むことによって空中を自在に飛ぶことが可能になる。


 『グレイプニル』


 古代級のマジックアイテム。


 拘束した者の異能と魔法の発動を封じる特殊な鎖。


 『導きの羅針盤』


 古代級のマジックアイテム。


 所有者が望む物や場所に針路を示す魔法の羅針盤。


 『妖精の水瓶』


 古代級のマジックアイテム。


 水妖精の加護が施されている水瓶。魔力を流し込むことにより美味しい水を作りだす。


 『透明マント』


 古代級のマジックアイテム。


 このマントを纏った者の姿を完全に透明になり、他人が姿を視認することが出来なくなる。


 『遠隔の鏡』


 古代級のマジックアイテム。


 半径1キロ以内の場所を映し出すことが出来る鏡。


 『会話の腕輪』


 古代級のマジックアイテム。


 2個で1対の腕輪。互いに持っている者同士、どれだけ離れた場所でも互いに会話をすることが可能になる。


 『真偽のオーブ』


 古代級のマジックアイテム。


 対象者の嘘を見抜く宝珠。真実を言えば青く、嘘を言えば赤く光る。


 「全部古代級のマジックアイテムかよ……。折角だし、全部貰っておこう」


 煉太郎はペガサスブーツとオリハルコンナイフを装備し、残りのマジックアイテムとを異空間に収納する。ついでにマーディンが貯めていたお金も全部貰っておいた。


 「ん、あれは――柩か?」


 視線を向けた先にあるのは古い柩。中身が気になって上蓋を退かそうとするがびくともしなかった。


 手帳によればこの柩は一定の時間内に必要な魔力を流し込まないと開かない仕組みになっているようで、それ以外の方法で開けることは不可能らしい。


 マーディンも試したようだが、開くことは出来なかったようだ。


 「あの爺さんでも開けられなかった柩か……。今の俺なら可能かもな……」


 柩の中身に興味を持ち、開けることにした煉太郎は魔力を柩に流し込む。


 次の瞬間には柩が光り始め、徐々に輝きを強くする。煉太郎から放たれる莫大な魔力を吸収して光を増しているのだ。


 柩が光り始めて、1分、5分、10分が経過した。


 すると柩の輝きが一際鋭く輝き――唐突に柩の光が消えてしまう。


 「成功した、のか?」


 柩をよく見ると、先程までなかった隙間が出来ていた。


 煉太郎は上蓋をずらした。先程までびくともしなかった筈なのに、今では容易に動かすことが出来た。


 「どうやら成功のようだな。さて、何が入っているのか……」


 煉太郎は開いた柩の中身を覗き込むと、中にあるものを見て目を見開いた。


 「……女の子?」


 柩の中には、少女が横たわっていた。

 いつも読んでくださり、本当に感謝しております。

 感想もありがとうございます。

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