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落ちこぼれと呼ばれた超越者  作者: 四季崎弥真斗
1章 超越の始まり
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手帳

 「マジかよ……」


 赤く染まった髪に発達した筋肉、身体中の複数の紋様、そしてオーガによって切断されて失ったはずの右腕。


 近くに置いてあった鏡で、自分の変わりすぎていた外見を見て、思わず煉太郎は呟いた。


 実験直後までの記憶はある。だが、それ以降の一ヵ月間は意識を失っていたので現在の状況が全く理解出来ない煉太郎。


 「俺の身体はいったいどうなっているんだ……? それに体内から妙な感覚もある……」


 外見の変化だけでなく、体内にも違和感を覚える煉太郎。冷たいような暖かいような感覚。それはまるで夢の中で感じたものに似ていた。


 「ん、あれは……?」


 ふと、視線をマーディンの遺体に向けると、その傍らに手帳のようなものがあった。


 「これは……」


 煉太郎は手帳を拾い上げ、パラパラとページを捲る。


 手帳にはマーディンが今までに行ってきたことの全てが記されていた。当然、煉太郎が意識を失っていた一ヵ月間に起きたことも記されていた。


 まず、煉太郎はこの1ヵ月間の実験により自身の身体に起きた変化について知ることが出来た。


 手帳によると、今の煉太郎はほぼ不死身に近いらしい。


 再生力に特化したリバースドラゴン(Aランクの竜型モンスター)の細胞を取り込んでいるため、どんなに重傷を負っても回復する。


 しかし、魔力が枯渇している状態で傷を負えば治りは遅くなるし、流石に一瞬で塵にでもされれば死ぬようだ。


 身体能力は獣人族、筋力に関しては鬼人族の細胞を取り込んでいるためかなり向上している。


 そして、最も驚くべき事はその莫大な量の魔力だろう。神の魔力により煉太郎の有する魔力の量はもはや人智を超えるものだった。先程から感じている体内の違和感の正体である。


 「何だか、化け物になった気分だな……」


 変わりすぎている自分の身体に思わず呟く煉太郎。


 「ん、待てよ?」


 それと同時に煉太郎の脳裏に推測が浮かぶ。


 「これだけの魔力があれば召喚の祭壇を起動させられるんじゃないか?」


 煉太郎を含む他のクラスメイトたちをこの世界――ラディアスに召喚させた伝説級のマジックアイテムである召喚の祭壇。


 起動させるには莫大な魔力が必要とされている。オルバーン王国の中でも魔力が高い者達が20年間魔力を溜めてやっと起動させられる程の魔力が。


 しかし、今の煉太郎の魔力なら数日間もあれば召喚の祭壇を起動させられるだろう。


 「還れる……元の世界に還れるんだ……!」


 元の世界に帰還出来る手段を見つけて思わず喜ぶ煉太郎。


 「よし、次は今いる場所についてだな!」


 煉太郎は手帳を捲り、現在自分がいる場所について調べる。


 煉太郎がいる場所は人喰いの森と呼ばれる危険なモンスターが生息する森の奥地にあるマーディンの研究施設らしい。


 しかし、この人喰いの森は煉太郎が召喚されたオルバーン王国にあるのではなかった。


 煉太郎が召喚されたオルバーン王国から遠く離れた地――ネーデン大陸の辺境にあるエルバナ公国にあるのだった。


 マーディンは特殊な魔法陣を使用して各地を転移しながら移動していたようだ。だが、その魔法陣はマーディンの魔力でしか起動出来ない仕組みになっている。


 「……嘘、だろ?」


 希望が絶望に変わり、落胆する煉太郎だった。

次回、新たなヒロインが登場します。

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