表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/77

(3)

 というわけで、サガラにザット、それにジュリアも一緒に、[ホープ]の修行へと向かっている途中なのだ。

 [ホープ]の修行場所は、【上の方】と呼ばれる身分の人たちが住む場所の一番上、【天空城】というところだという。

 今は、ロープウェーのようなものに乗っている。

 見た目は、ただの木の箱みたいで頼りなかったけど、乗り心地は案外快適だったりする。


(うーん。つらい修行に行くっていうより、まるで観光地にでも行くような気分だわ)


 最初の悲壮な決意は何だったんだってくらい、賑やかで楽しい旅路だ。


「まったく。追加で三人分の通行許可を取るのには、骨が折れたよ」

「ふふ。感謝しているわ」

「ご無理を言って申し訳ありませんでした」

「けっ。お前のことだから、どうせ裏ルート持ってんだろ」

「サガラってば、そういう言い方はないでしょ! ごめんね、ラフ。色々大変だったでしょう?」

「いやいや。小うるさい貴族を三人ばかり黙らせる程度で済んだし、どうということはないよ」

「そ、そっか。うん。ありがとう」


 何だかその笑みに黒いものが混じっているようにみえたけど、きっと気のせいだ。

 そうに違いない。 


「結界の中に入った。さて、そろそろ到着だね」

「え? うわぁっ」


 ラフの言葉に外を見て、思わず感嘆が漏れる。

 唐突に目の前に広がるのは大きな町だ。

 【上の方】のいるところも大きなお屋敷だらけで、すごいと思ったけれど、ここは更にその上を行く。

 建物すべてが整然と並び、マスの目のような……そう、授業で習った、平安京とかそういう碁盤のマスの目みたいなそんな感じ。

 そしてなによりすごいのは、その中央にある真っ白なお城。

 キラキラと光るあの建物は、何の材質でできているんだろう?


「ここは結界を張られているからね。外部からはまったく見えないようになっているんだ」

「限られた方々しか入れない聖域。一生目にすることはないと思っていたけれど」


 ジュリアもうっとりと魅入っている。


「特権階級のいけ好かない連中の住む場所ってだけだろ」

「いえ、精霊の気配も強いです。ここは、かなり上級の精霊も宿っているようですね」


 なるほど。だから、ここが修行の場所になるっていうわけだ。

 何となく、修業の緊張感が出て来た、というところで、目的地に到着したらしい。

 ロープウェーもどきが止まった。


お気に召しましたら、拍手いただけると嬉しいです! 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ