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0章

 

 ふざけるなって思う。

 

 本当に最悪だ。

 

 散々人のことを振り回しておいて、サッサと自己完結でさようならってなに!?


 悔しくて悲しくて、そしてすごく切なくて……。


 あんなに泣いたのに、また涙が溢れてきて、慌ててそれを乱暴に拭い取る。


 こんなこと認めない。


 いつだって“あいつ”は、自分勝手で人の気持ちなんておかまいなしなんだ。


 馬鹿みたいに独りで抱え込んで、相談の一つもしてくれない。


 “あいつ”にとって、私は何なんだろう?


 こんな別れをして、サッサと元の世界に返るとでも?


 お生憎様。私を見くびらないでよね!


 誰になんて言われようと、私は“あいつ”をあきらめたりなんかしないんだから。


 それがたとえ、どんなに無謀なことだったとしても……。 

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