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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

初めて笑った日。。

作者: あい

この話で主人公が言っている言葉は、私(小学生)の考えを写しているのでおかしなところがあったらすいません。

『また・・・命が消えて行った』

「・・・そんなに悲しいなら止めればいいじゃないか」

『うるさい』


こいつは俺の今唯一友達と呼べる存在、ダシン。

しかし人間をまったく理解していない。

人間の本性を全くと言っていいほど見たことがない。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


100年ほど前、私は人間の本性を初めて知った。

そのころは今と比べてとても緑が多く、住み心地がよかった。

私は人間に化けて学校というものに通っていた。

名前は「リンディ・レイ」。いつも冷めていて、この世界と同じように皆に嫌われているのだと思っていた。

しかし、こんな私にもあの温かい笑顔を向けてくれて、毎日が楽しかった。

―――だが、ある日を境にその笑顔は消え、冷たい、裏切り者を見るような目を向けてきた。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


今日もいつものように友達と学校へ通っていた。

「席に着け!転校生を紹介するぞー。自己紹介をして」

「はぁいv 水井姫華っていいますぅ、よろしくねぇvV」

「席は・・・レイの隣が空いているからそこにしろ」

「どこですかぁ?」

『ここ。よろしく』


「学校案内してくれないかなぁvV」

『別にいいけど?昼休みに(何で・・・)』


~昼休み~


『ここが屋上。ここは広いが慣れれば問題ない』

「ねぇ、レイちゃん・・・」

『なに?』

「何でアンタなんかがみんなに気に入られてんのよ!!」

『私だって知るものか』

「どうせ金か何かで誘惑したんでしょう?一番はこの私!あんたなんか嫌われろ!!」

『金などに人間は釣られるのか・・・』

「当たり前じゃない!!フフフ・・・覚悟してなさい?」


水井姫華ははさみを取り出してきた。

何をするのかと考えていると・・・


「きゃあああああああああああああああああああ!!」

『あ・・・』


急にどたばたと聞こえて振り返るとクラスの皆と先生がいた。

みんなの顔を見ると青白く、驚いていた。

・・・それは、私の足元に血が付いたハサミ。目の前には腕を自ら切って叫んでいる女。

ああ、はめられたのか・・・。そう思ったときには遅かった。水井姫華はみんなに嘘を教えていた。


「レイちゃんがそんな人だとは思わなかった!!」

「自分より可愛いから傷つけたなんて最低よ・・・」

「お前にも同じ痛み、わからせてやるよ」

『自分が痛い思いをしていないのに同じ痛み?わからせてやる?アンタ、バカか』

「うるせぇ!!やっちまえ!!」

『まったく理不尽な・・・』


友達だと思っていた人から毎日殴られ蹴られ・・・

いじめが始まった。先生は止めずにただ見ているだけ。

我慢できたのはたった一人、、

一人だけ私に唯一味方でいてくれたこと。

転校したときから仲良しで、今でも仲良くしてくれた。


「ねぇ、いい加減学校来るのやめてよぉ」

『教育の義務があるからな』

「姫華ちゃんに口答えするな!!」

「お前の大事なモノ、奪ってやるよ」

『大事なもの・・・?そんなものない』

「へぇ?じゃあ奪ってあげるぅvV」


この言葉は本当だった。

次の日学校へ来てみると、壁を埋め尽くすほどの新聞。

しかし一部の記事だけ全て蛍光ペンか何かで囲まれていた。


“神条瑠夏殺人事件!!昨日の午後五時、帰宅中にナイフで刺され死亡”


神城瑠夏。私の唯一の味方。

教室に入ると水井姫華が1人、笑っていた。


「どうしたのぉ?」

『人を殺すのはそこまで楽しいと思えないが?』

「姫華はそんなことしないよぉ・・・っく・・・疑う、な、んて・・・」

「泣いちゃったじゃん!!姫華ちゃん、大丈夫?」

「お前最低だな。死ねよ!!」


このとき私は決心した。こいつらに復讐すると。


『・・・今の私は自分で止められそうもない。覚悟しておけ』

「なんのことぉ?」

『今日のところは帰る。明後日にまた来る』

「まだ来るのかよ」

「でも明日は来ないみたいだし、いいじゃん」


復讐は明後日。

一日ぐらい自由にしてやろうと思った。

それと、復讐に向けての準備。

やはりまだ友達の頃の思い出が残っているのか、ためらいがあった。


当日。


「うわ、本当に来たし!!」

『パーティーに招待しに来ただけだ。

今晩12時、ここの校庭で始まるから遅れるな。

遅れた奴は、命がないと思え。じゃあな』

「・・・なぁ、行くのか?」

「行かないと殺されるんでしょ?」

「姫華こわーいvV」

「そうだ!みんなで姫華ちゃんを守るんだ!」


つくづく人間はバカだ。

そのようなことを言っても心が怖がっているのに。

「死にたくないから行こう。」これが本音。

まあ、来たとしても生きて帰れるとは思えませんが。


「これがパーティー?頭おかしいんじゃないの?」

「なんにもないじゃない!」

『そうだな。すぐにお前たちの身体も無にしてやるよ』

「身体を無にする?」

『まあそれは後で。まずはこれ!!』


縄でみんなを縛り動けないように固定する。

キュッと結ぶ音が暗闇に響く。この音が復讐の始まり


『このハサミ、覚えてるか?』

「レイちゃんが私を切ったときのでしょぉ?」

『惜しいな。まあいいが・・・これ、左利きだよな?』

「そうだな」

『私、右利きだけど?』

「何か関係あるのぉ?」

『普通、相手を痛めつけようとするなら利き手、力の入りやすいほうでするよな?

私は右利き。このハサミは左利き。おかしくないか?それに・・・

この中で左利きの人はアンタだけ。水井姫華さん?』

「そんなの知らないよぉ?」

「自分で自分を傷つける何でおかしいだろ!!」

『このハサミからはアンタの指紋が検出されたけど?』

「そんなの嘘にきまってるわ!!」

『まだ言うか。なら、これでわかるはずだけど?』


四角形の映像が宙に浮いていた。

これは神だけが使える力。そのときの事を映す。


「これなによ・・・」

『素が出たけど?』

「別にいいのよ!!これがなんだか教えなさい!!」

『見ればわかる』


手を叩いた音が一つ。

・・・始まった。

あの屋上であった出来事が流れた。


「これ・・・本当なの?」

『本当だけど?それなのにお前らは・・・』


私は体中にできたあちこちの痣・傷を見せた。


「でもあのときこんなものはなかったぞ!!」

『死角になるところに置いたからな』


これは嘘。こんなこと、神の力を使えばたやすいこと。


「う、嘘に決まってるじゃない!!こんな人を信じるの!?」

『・・・そうですか?次からは本当のことを言ってくださいね。でないと・・・殺します』


水井姫華の頭には銃がつきつけられていた。

勿論私がやっている。


「ひっ・・・私が、やりました・・・」

『で、言うことは?』

「ご、ごめんなさい!だってこんなこと知らなくて・・・」

「俺も知らなくてやったんだ!!ごめん!!」

「俺は、脅されて!!!」

「私もよ!!」


私が銃を持っているからか、皆謝りだした。

泣きそうに、震えた声で。中には既に泣いている者もいた。

勿論私はこんなことを言ってほしいわけではない。


『そうですか』


銃をしまえば皆ホッとした、安心しきった顔になった。


「な、なあ、この縄外してくれよ」

『嫌です』

「何で!?」

『すぐにわかると思うよ?なあ、お前私に「死ね」っていってな?』

「そ、そのときは!!」

『でも、言ったことに変わりはない。お前が死ねよ」


少女は大きな鎌を出した。

そして・・・男の首を撥ねた。

あふれ出す血で周りの者たちは赤で染まっていった。


『お前らも・・・な?じゃ、arrivederci』


ボンッ!!という何かが破裂する音がした。

少女は聞こえなかったのかと疑うほど平然としていた。

見上げれば全てを包み込む闇のような空。

見下ろせば薔薇のように真っ赤な地面。

その血と同じ色の髪をした少女が1人。

静かに涙を流し、震えている少女が1人。

目を閉じれば風の匂い。

とても静かで、先ほどのことはなかったようだった。

しかし、段々と近づく血の臭いが物語っていた。

夜の静けさを破ったのは私。


『愚かなものよ。恐怖に溺れ冷静さをなくし・・・間違いを犯す。

一度犯した間違いは認め、償え。過ぎ去ったときを戻すことはできないよう、間違いを取り消すことはできない。割れてしまった花瓶のようにどうカケラを組み合わせても戻すことはできない』


小さく、生まれたばかりの赤子に話すような優しい口調で

ゆっくりと友人“だったもの”に語りかける。


「ねぇ、なんで私は殺さないの?」


泣いていた少女。・・・水井姫華が尋ねてきた。


『それは、お前には大切なものを失う悲しみを味わって欲しかったからさ』

「大切なものって・・・!」


大切なものの意味を理解したのか、水井姫華は目を見開いた。

本来、普通の人間の大切なものは家族。


「やだ!!お母さんとお父さんだけはやめてえええええ!!!」

『私も同じだった。なあ・・・大切なものを失うのは怖いか?悲しいか?

自分のせいで自分の大切なものが消えるのはそんなに苦しいか?」


水井姫華は、泣き叫び、何も答えない。

いや、この叫びが答えなのだろう。


『そうか。それでいい、私はそれを知ってほしかった。

しかし、罪は償わなければならない。皆と同じように、死んで償いなさい』

「いや・・・やめて・・・」

『これは、死神の鎌と言う。まあ私は死神まで堕ちたのさ・・・』


聞こえてないとしても水井姫華にずっと語りかける。


『いや、せっかくこれを用意したのだし、これで逝け』

「やだ、お願い・・・殺さないで!!!」


私が銃を構える間も、泣きながら生を祈願している。


『ああ、最後に私の名前を教えてやろう。

私は、**・*****だ」


少女の言葉は銃声により聞こえなかったが、

初めて見た少女の笑みはとても輝いていた。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


『今日があの初めて笑った日、だな。そして・・・初めて人間の愚かさを知った日』

「お前は子供が嫌いなのか?」

『嫌いではない。子供も大人も皆同じ人間。ただ違うのは、汚れているか』


今、人間界では殺し合いが起こっている。誰も人を信じず、誰の言葉に耳も傾けず。

ただ刃を持って、生き延びようとする。


『・・・また一つ』

「ああ。」

『また一つ、星が消えたのか・・・』


終わり。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ストーリーもいいし、まぁまぁわかりやすい文章でした。 [気になる点] 短編だから仕方ないんだろうけど少しはなしがスピーディーすぎるかな?と思いました。 また少し情景の想像がしにくく感じまし…
[一言] 物語的に面白かったです。 じゃっかん神秘的で良かった。
2010/11/28 23:02 シャーペン
[良い点] まだ文章遣いなどあらあらしい感じですが、読み方によっては幻想的な作品に成っていると思います。 [気になる点] ”間”と云うか、前章 本編 終章の区別をもう少し分かりやすくした方が良かったか…
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