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アネットちゃんとてのりドラゴン~ハズレ魔法【サンダー魔法】は、全てを縮小させるチート魔法なようです~  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第20話 超災厄級に名前負けしてないっすかね? そう思いません、アネットさん?

 ----"戦略的撤退"。


 頭の中でそんな言葉を思い浮かべながら、魔王軍最高幹部の《四頂点》、領土職人アスドラは逃走を開始していた。


「(なんなんですか、あれは?!)」


 いまさっき、目の前で起きた光景なのに、まるで夢のよう、いや夢であって欲しい出来事。

 自分が生み出した超巨大隕石が、杖から出したか細い雷に当たると、小さく、物凄く小さくなってしまったのである。


「(あの魔法はヤバイ、としか言いようがありません。あらゆるモノを縮小させる魔法だなんて、マズすぎる)」


 同時に、弱小種族たるクロウモールの魔人であるアスドラは、本能で理解していた。

 あの縮小魔法を放つ少女よりも、自分が恐れるべき気になる存在があるということを。

 その存在こそが、小さくなった隕石を壊すために、熱線(レーザー)を放ったあの小さなドラゴンであった。


 小さなドラゴンは、魔王軍で何度も見かけた。

 ドラゴンというだけあってどいつも強かったが、それでも熱線(レーザー)により隕石を破壊するような炎魔法を使えるようなモノは居なかった。


 そもそも、この世で熱線(レーザー)を放てるドラゴンなんてたった1匹、それもかの天体を焼き、そして真っ二つに裂いたといわれるあの伝説のドラゴンだけなのだから。



「("縮小魔法"、"結界に使われている《災厄の六獣》たる滅炎竜ブレイズの魔力の途絶"、そして"あの小さな赤いドラゴン"……まさか、あの滅炎竜ブレイズそのものなのでは?)」



 アスドラは、自力でその真実に到達していた。

 そして、いまこのタイミングで知ったことを後悔していた。

 もっと早く、それこそ戦う前に知っておきたかったと。


 縮小魔法を放つ令嬢、そして小さくなった滅炎竜ブレイズ。

 このタッグは、確実に敬愛する魔王カラミティー様にとって、脅威になるに違いない。


「一刻も早く、魔王カラミティー様にこの忠心たるアスドラが、お伝えしなくては----!!」


 アスドラは、クロウモールである。

 走るよりも地中を進む方が、速くこの場所から逃げ出す事が出来る。


 そう考えたアスドラは、地面を掘り進めるためにその爪を向けて----


 ----びりりりりっ!!


あっ(まっ)あいいえ(まひして)―――?!」


 地面を掘ろうとしたその瞬間、アスドラの身体の動きが完全に鈍化した。

 身体全体が痺れて、口が上手く回らず、爪も思ったように動かせない。


 ----麻痺。


 あらゆる動きを遅くして、動きを阻害する状態異常。


おえお(これも)あお(あの)えいいぉうお(れいじょうの)あおう(まほう)?!」


 彼女の魔法の速さを、アスドラは理解していた。

 彼女が放つ縮小化させる【プチサンダー】は、アスドラにとっては十分に避けられる速さだったのだ。


 アスドラは知らなかった。

 彼女が放つ、あらゆるモノを麻痺させる【サンダー】は【プチサンダー】と比べると速く、なにより杖によってその速さが速まり----結果として、アスドラは致命的な隙を生み出してしまった。



「----【プチサンダー】!!」



 アスドラが、アネットが放つ【プチサンダー】を受ける、その隙を。




 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



(「ひぃ!) (たっ、助けて!」)

『おぉ、実に小さく縮みましたねぇ』


 パタパタッと、滅炎竜ブレイズは翼を用いて、【プチサンダー】を受けて小さくなってしまったアスドラに近付いていた。


 縮小してしまったアスドラは、狂ったように、必死に逃げようとする。

 自慢であろう爪で地面を掘ろうとして、地面が硬すぎるのだろうか、全然掘れていないようであった。


『なにが、超災厄級だ? 小さくなった程度で、喚き散らかす無能めが?

 ----あぁ、地面で掘って逃げようとしてるのか。分かる。オレサマも経験あるからなぁ』


 ブレイズはそう言って、口を大きく開ける。


『オレサマだって、最初は空を飛ぶという基本的な行動すら出来なかったんだ。オレサマ以下のお前なんかが、地面を掘れるはずがないだろう?』


(「ブレイズ!) (お前の目的は?!」)


 ----ぼぅっ!!


『済まんが、小さすぎて聞けないんだ。まぁ、「お前の目的は?!」と聞きたかったんだろうなら、こう答えてやるよ。

 ----オレサマが"縮小"という名の地獄に居るんだ。オレサマ以外にも、この地獄を味わってもらいたくてなぁ』


 火炎魔法を使って消し炭にして始末したアスドラに対して、ブレイズはそう呟く。


『おやっ? これはなんだ?』


 と、そこでブレイズは、消し炭の中から、1つの球体を見つけ出す。

 その球体はキラキラと光り輝いており、中心には【星】という文字が刻み込まれていた。


 見た事のない代物ではあったが、実に綺麗で、アクセサリー代わりにちょうど良いと、ブレイズはそう考える。


『良く分からんが、アネットさんの機嫌を取るのに良さそうだ。これは討伐報酬代わりに貰っておく。

 じゃあな、超災厄級に相応しくない、田舎モグラ魔人めが』


 パクッと、その球体を口にくわえたブレイズは、『アネットさ~ん!』と、いつものように全力で媚びる姿勢を貫くのであった----。




 こうして、冒険者の街ラッカルトに襲い掛かった超災厄級の存在。

 星属性の魔法を操る、魔王軍最高幹部の《四頂点》の一角、領土職人アスドラは退治された。


 《四頂点》の撃破という快挙は、冒険者の街ラッカルトのみに留まらず----。

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