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師匠は大抵ジジイか美少女。



「てめぇ今度は何やらかしたっ!」

「別に何もやってねぇよ」

「何かやらかしてねぇならなんで牢獄になんぞ入れられてたんだ!」

「知るかよ老害」


俺は今、サラハットと二十八号の前で師匠に怒られている。

何故か殴り合いで俺が吐血しながら半殺しにされながら。

近くの建物は全て破壊され尽くされ、俺はその建物の中の一つに埋まりながら、師匠は俺を見下していた。


「つかなんでわざわざ俺を半殺しにしてから説教たれとんじゃボケ老害!」

「てめぇが騎士やめてぇとかバカみてぇ事言い出してっからその根性叩き直してやるためだよ!!」

「うっせぇぞこのボケ老害!俺がどこで何しようが、お前には関係ねぇだろーが!!」


そしてこいつが俺の師匠こと、戦鬼せんき鋼牙こうが。鋼牙 正門まさかど

俺と同じ異国の出身で、俺が昔村で暮らすもっと前に、赤ん坊の頃いた国と同じ、太陽の国出身らしい。

師匠は自分の国に誇りを持っているらしく、いつも来ている羽織の背には、真っ赤な太陽の絵が描かれた羽織を着ている。

師匠が持っている武器も、刀と呼ばれる、切れ味のエグい武器だ。

俺も昔、師匠の小さい方の刀を貰った。

『死ぬ時この刀を使え。楽に死ねる』と、戦うためではなく、死ぬ時のために渡された。

普通弟子に死ぬ時のために武器渡すかね。


「てっめぇのせいで俺までめぇわくかかってんだよ!!」

「うっせぇっ!!だったらほっとけばいいだろ!?てめぇこそ俺が厄介になったから近衛隊から追い出したんじゃねぇのかよ!今更師匠ずらなんかしてんじゃねぇ!もう俺は免許皆伝も貰ったんだ!てめぇの弟子でも、なんでもねぇ!!」

「んだとこのガキィ!」


師匠は人だ。

鬼のような剛力も、龍族のようチート技も、吸血鬼のような再生能力も、エルフのような長寿でもない。

師匠は鬼のように大岩を素手で持つことは出来ないし、龍族のように空を飛んだり、火を拭いたりできないし、腕が無くなればもう生えてくることは無い。

そしてすぐに年老いていく。


だと言うのに師匠は戦で何度も勝利し、種族など関係なしに敵は皆殺し。

人々は師匠を「戦鬼」「戦の申し子」「血刀の侍」と呼ばれ恐れた。

年老いた今でもそれは変わらない。

師匠は強い。


でも、師匠は強すぎる。

この国の者達全員が恐怖するほどに。

だが俺は結構師匠のことが好きらしい。


口では何を言おうと、結局俺は、師匠を尊敬している。


「この老害!!」

「このバカ弟子が!!」


この後めちゃくちゃボコられた。




▲▼▲▼△▽△▽





「これが弟子にすることかよ」

「てめぇが弱ぇだけなんだよ」


この老害マジで強すぎだろ。


「で、そこの機械はなんだ?」


そこで師匠は二十八号を指さす。

二十八号は師匠と目が合うとササッと俺の後ろに隠れてしまった。

先程から思っていたが、二十八号はやたら師匠を警戒している。


「なんだ知らねぇのか?」

「あぁ、人形なら昔何百機もぶっ壊したが···············人の真似をする人形なんぞ見た事ねぇからな」


鋼牙は顎をいじりながら不思議そうに二十八号を見つめる。

確かに機械仕掛けの神(デウスエクスマキナ)と言えば、"創造主様"とかいう訳の分からん奴なのか、奴らなのかもわからん物の指示で動く。

指示されたこと以外は絶対にしない。

こいつらデウスエクスマキナ自体は種族ではない。

こいつらは所詮魂のない人形。

傀儡のようなものだ。


生き物とは似て非なるもの。

自爆しろと言われれば自爆し、殺せと言われれば赤子を何を思うことなく殺すし、同じデウスエクスマキナを殺せと言えば殺す。

そう言う奴らだ。


だが、二十八号はどこか··········()()()

仕草も、話し方も、その思考も、まるで本当に魂でもあるみたいな··········説明しがたい、他のデウスエクスマキナとは何かが違う。

今の師匠に怯えた仕草だって、感情の無いはずのデウスエクスマキナには本当は絶対にありえない行為なのだ。


「え、えっと、こいつと結婚を前提に花嫁修業をしている」

「ほーん、結婚··········血痕?」

「違う。結びあうと書いて結婚だ」

「····················うちのバカとお前さんが?」

「はい」

「おい、結婚はさておきバカってとこはせめて取り消せ」


師匠は俺の顔と二十八号の顔を何度も交互に見ながら目を擦り、耳と目と頭に治癒魔法をかけて再び「わんもわぷりーず」と言ってきたので、二十八号はさっきと同じことを1文字1句間違えることなく答えた。


「おいサラハット、俺もうボケちまったのか?」

「いや、どうやらマジで結婚は前提にしてるみたいだ」

「はああああああああああッッッ!?!?」


すると、町中に師匠の大声が響き渡った。


「お、お前、サラハットと結婚するんじゃなかったのか!?」

「おい待て老害、なんで俺とヴァルバラが結婚するんだ」

「てめぇなんで黙ってた!」

「別に黙ってたわけじゃねぇよ」


つかなんでこの老害は俺とサラハットが結婚すると勘違いしてんだ?


「やっぱりお前はついてる方が···············」

「頼むからつけるのはやめろよ。いやまじで」

「そもそもてめぇ結婚してどうすんだよ」

「幸せな家庭と子供が欲しい」

「そいつ産めんのか?」


そう言えば確かに疑問だった。

こいつは生命体ではなく機械だ。

機械って子供産めんの?


「安心しろ、私は優秀だからな。人工受精卵を作ってお前の精液を提供してもらえればできる」


受精卵て作れるんだ。


「お前ら何やってんだ」

「あ、愚王」

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