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警備隊のやつはだいたい馬鹿みたいに強い




結果から言うと、俺は今人攫いならぬ機械泥棒の罪で豚箱にぶち込まれている。

罪状は勇者への暴行に、勇者のパーティーの1人を誘拐に、公然わいせつ罪に、ようじポルノに、営業妨害にその他もろもろで手錠かけられて鎧から武器まで全部剥がされて1人寂しく牢獄でかれこれ三時間たった。

まさか俺の性癖にどストライクなエロ本があんなところに落ちていて、しかもそれが罠だったとは。

あれを考えたのは相当の軍師だな。


「お前が馬鹿すぎるだけだろ」

「何が完璧な逃走経路だよ。途中で"エロ本(ひとつなぎの大秘宝)"がある事くらい予想しとけや」

「お前の思考回路が予測を超えるほどアホなのが悪い」


あくまで自分は悪くないと言い張る


「最凶の戦士と呼ばれた騎士がなんてざまだよ。ヴァルバラ」


警備隊隊長サラハット。

かつて一万の魔族の軍勢が攻めてきた時、正門をたった一人で守り抜き、この国を裏切って王国の一部を占拠していた三千の兵をたった一人で殲滅。

様々な伝説がある中でも一際輝く世界でも語り継がれるほどの伝説は、この王国に攻めてきた魔王獣【ベヒーモス】を単騎で討伐。


俺も何度か内戦や戦争で顔を見た事があるが、その戦い方は狂獣そのもの。

敵の返り血で全身真っ赤に染まりながら戦うその様から【血潮の狂獣】サラハットなんて呼ばれてる。

見た目は完全に絶世の美女なのだが、男らしい。


まぁこんな可愛いやつが女の子なわけねぇか。


「今失礼なこと考えてなかったか?」

「何言ってるんですかサラハット隊長!俺がそんな失礼な奴に見えますか!?」

「あぁ」

「酷いぜ!俺とサラハット隊長は同じ硬いベットで寝た仲じゃねぇか!」

「誤解を招く言い方はやめろ!!あれは戦場で寒さを凌ぐため仕方なく···············」

「の割には『お、お前の体で俺の身体をあっためてくれないか、ヴァルバラ』とか言ってたくせによぉ」

「殺すぞ」

「うぃっす」


ちなみに一緒に寝たり、サラハットが俺に媚びたのは本当である。

昔北の雪の大地で俺とサラハットが猛吹雪の中遭難してしまった時、古小屋で吹雪は耐えたが、寒くて寒くてサラハットが耐えられなくなって、サラハットの方から一緒に寝てくれと頼んできたので肌を寄せあって一緒に寝た。

やましいことは何もしてません。

本当に本当です。


なので二十八号はそんな信じられないものを見る目で見ないでくれ。


「··········穴ではなく棒をご所望か」

「穴、俺は穴をご所望だ」

「だが一部の男性はついてる方が好きだと私のデータに載ってるぞ」

「なんでだよ」


相変わらずの二十八号のポンコツぶりを披露させながら、サラハットは大きな溜め息を吐きながら、横目で二十八号を見る。


「なぜ勇者パーティーのクロユリ様がこいつと一緒にいるんですか?」


そう言えば俺も気になってた。

クロユリと言えば勇者のハーレゲフンゲフン。

勇者パーティーの一人で、しかも伝説級の化け物たちをひき肉にしてきた最強最悪の戦闘殺戮兵器じゃねぇか。

噂じゃ神も殺したとか殺してないとか。


「こいつと結婚する為」

「おいヴァルバラ、お前とうとう結婚できないからって催眠系魔術に手を出したか」

「んなわけねぇだろ。第一こいつ機械だから精神系の魔術全部無効だろうが」


そもそも催眠魔術なんてエロ同人誌だけの世界だろうが。

だからサラハット、そのゴミクズを見るような見下すような視線を俺に向けないでくれ。

さすがに傷つく。


「まぁそれはさておき、こいつが勇者のパーティーの1人だろうがセフレだろうが知らねぇが、俺はただ王様に嫁が欲しいって言ったらこいつ出されたんだよ」

「王が?」


サラハットは一瞬俺を疑いの目で見るが、すぐに視線を二十八号の方に向けると、ブツブツと何かを呟き始めた。

なにか気になることでもあったのか、こうなると今のサラハットには何を言って聞こえないだろう。


「帰りてぇ」

「デートの邪魔しやがって、あのクソ野郎に超電磁砲ぶちかましてやりたい」

「やめろやめろ、あれでも一応勇者だからな。殺る時は俺と一緒にやろうぜ」

「仕方ない、この国を滅ぼすか」

「そうすると俺はお前を殺さなきゃ無くなるだろ。無駄な殺生は嫌だぜ俺は、めんどくさいし」

「おう、私が負けるわけねぇだろ」

「お前らどうでもいいが、そろそろ牢屋から出ろ」


この2人は仲がいいのか悪いのか、サラハットは面倒くさそうな顔をしながら牢屋の鍵を開けて2人を出す。

元々サラハットが来たのは王命により2人は無罪となりすぐにでも牢屋から出すようにと上官から指示があったからである。

しかもよりにもよってサラハットの休暇の日にその指示が来たのでサラハットは今無性に機嫌が悪い。

それに王がクロユリこと二十八号が勇者のパーティーだと知らないわけがないというのに、わざわざヴァルバラと縁談させたのも気がかりだった。


サラハットはとりあえずこの事は忘れることにしてこの2人をとっとと釈放させて家に帰って『撲殺魔法★少女デスバット♥』の続きを見たくてしょうがないのだ。


『何故だッ!なぜ子供まで殺した!あの子たちがどんな罪を···············』

『───コチラA-03-36、ニンムスイコウキカンスル』

『···············人の形をしていようと、所詮は殺戮道具か』


「···············」(人の形をした殺戮兵器が、人の真似事か)


サラハットにとってデウス・エクス・マキナという種族は殺戮兵器。

心などない。

感情も、思いも、絆も、ましてや愛情など、この種族にはない。

そうであって欲しかった。


だって、もしこの殺戮兵器達に心があるのなら、なぜあんな非道な真似ができるんだ。

もし慈悲があるなら、哀れみがあるなら、感情があるなら、産まれたばかりの言葉も喋れない子供を殺せるはずないんだ。


「どうしたサラハット。二十八号ばっかり見て、もしや惚れたか?」

「殺すぞ」


とりあえずヴァルバラはウザイの顔面をぶん殴ったサラハット出会った。

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