第二話『戦闘型アンドロイドは大抵はロリ枠』
「我が名は最終決戦殺戮兵器二十八号突撃型、世界を滅ぼし、人類を駆逐するために造られし者。お前のような下等生物にはもったいないくらいの超絶美少女でもある」
「あんま舐めた口聞いてっとその口縫い合わすぞ」
結局俺とこいつは近くの店でスーツを買って着替えたあと、そのままレストランで料理を食べていた。
「そもそも穴って本当についてんのかよ」
「口ならついてるだろ。れぇ」
「へぇ、本物の人間そっくりだなぁ。どうなってんだ?」
「舌の柔らかさも歯の硬さも本物を忠実再現しているからな」
「触ってみていいか?」
「構わんぞ」
そう言って俺は人差し指と中指をこいつの口の中に入れた。
口の中は小さく、指を日本入れただけで口の中はいっぱいになる。
中は唾液のようなものでヌルヌルとしていて温かい。
舌は小さく、指で軽くぷにぷにしてみるが、ちぎれてしまうのではないかと不安になるほど柔らかい。
指を奥に入れても噎せる様子はなく、指を全部入れても特に反応はしなかった。
「ろぉら、ほんおろそっふりらろ」
「おぉ、本当に人間を忠実再現してんのな」
他にも真っ白な歯などに触れてみるが、とても硬い。
犬歯も尖っていて、歯並びはとてもいい。
遊びすぎたか、こいつが軽く甘噛みしてくる
「いいはへんやへろ」
「もう少し良いだろ。超絶美少女完璧デウス・エクスマキナ様の寛大な心で許してくれよ」
「ひははらいら」
チョロい。
にしても本当に可愛いなぁ。
口の利き方さえどうにかなれば普通に大歓迎なんだが。
て言うか俺が聞きたいのは下の穴の方なんだが。
「まぁいいや」
「プハッ。もういいのか?」
「あぁ、あと気になるとすれば下の穴だな」
「安心しろ。穴はついてない」
「ついてねぇのかよッ!!」
「ん?つけたいなら付けられるぞ。お前と私が結婚したらな」
「そん軽いもんなのか?」
「私を誰だと思ってる!私は───」
「ハイハイ、超絶美少女完璧デウス・エクスマキナ様··········だろ?」
「わかってきたじゃないか」
相変わらずジト目で無表情なくせして何故かドヤッてるのだけは分かるんだよなぁ。
「さて、私の紹介はもういいだろ。お前の自己紹介を聞きたい」
「俺か?お前らエクスマキナは───」
「お前らじゃないし、私の名前はエクスマキナでもない」
「いやだって、長いんだもん」
「だったら気軽に二十八号と呼んでくれ」
「二十八号、お前らエクスマキナは他人の情報を大体把握してんじゃないのか?」
「あぁ、お前が恐怖の黒騎士っていうネーミングセンスの欠けらも無い呼ばれ方をされ、もうすぐ魔法使いになりそうで一発ヤラせてくれて美少女なら誰でもいいと思ってる最低の騎士様だってことはよくわかってるぞ」
「おう表出ろや、スクラップにしたらァポンコツ」
俺はガッ!と二十八号の頭を掴み、ミシミシと音を立てながら握り潰すつもりで思いっきり握る。
「だったらお前の口で語れよ。私は悪くない。データでそう書いてあるんだからな」
「チッ、めんどくせぇ。てか誰情報だよそれ」
「この国の王だ」
「あの愚王今度マジで覚えとけよ」
俺は二十八号から手を離し、大きくため息を吐く。
そう言えばこうやって自分を紹介したことなどなかったなと思いながら、手の上でグラスに入ったワインを回す。
「長いぞ?」
「長い話は好きだ」
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「それで俺は近衛隊副隊長から突撃隊の下っ端まで落とされたんだよ」
「ほう、私と同じ突撃隊か」
思いのほか話しは弾んだ。
俺と二十八号は案外相性がいいらしく、お互い気も合うらしい。
まだ会って少ししか経っていないが、俺は案外こいつのことを気に入っている。
「そういえばお前も突撃隊だっけ?」
「私たちエクスマキナにとって突撃隊は欠陥品のゴミ捨て場だ」
「超絶美少女完璧デウス・エクスマキナ様じゃなかったのかよ」
「私の素晴らしさが分からないスクラップ共の評価など気にはしない」
「強いなぁ」
エクスマキナにもそんなもんがあるのかぁ。
うちの騎士団も突撃隊は落ちこぼれの集まり。
近衛隊から落っこちた俺も落ちこぼれか。
「同じ落ちこぼれ同士仲良くしようぜ」
「ふざけんな誰が落ちこぼれだボケ」
「おうやんのか?」
ホント生意気だなこのエクスマキナ。
「それで私と結婚するきになったか?」
「なんでだよ」
「なにいってんだ、縁談つったら結婚するための顔合わせだろうが」
「いやそうだが」
なんだその結婚以外の選択肢はありませんよみたいな顔。
ふざけんな。
どう考えても問題しかないだろ。
子供作れねぇし最終決戦殺戮兵器二十八号とかとんでもなくやべー名前のやつとなんで結婚しなきゃいけねぇんだよ。
顔は確かに美少女だけどどう見ても犯罪だろ。
見た目どう見ても中学生、下手したら小学生じゃねぇか。
「まず俺はボンキュッボンのドスケベボディのお姉さんが好きなんだ。お前みてぇな小学生じゃ立たねぇよ」
「ほぉ?言ってくれるじゃねぇか、試してみるか?」
「試すも何も俺はお前じゃ無理だっての」
こんなちっこいのに勃ったら人としてダメだと思う。
確かにこいつとは話も合うし、気も合うし、なんだかんだ言ってこいつと話すのも楽しい。
だが結婚するかってなると話は別だ。
俺たちはあってまだ数十分しかあったことねぇんだ。
そんなホイホイ結婚できるほど俺はチョロくない。
「なら私と同居しねぇか?」
「同居?」
「安心しろ、食費はかからん。なんなら部屋の掃除はするし、飯も作ってやる。どうだ?お前にはメリットしかないぞ」
「うーむ」
「それとも怖気たか?」
「あ゛ッ?」
すると二十八号はわざとらしくため息を吐きながら、俺とあって初めて表情を変える。
それは煽るように口角を釣りある。
「まぁ私はこんな美少女だ。お前みたいな女に飢えた男なら数日とかからんうちに手を出してしまうか」
「おうおう言ってくれんなぁ。上等じゃねぇか、その話乗った」
「期限は一年、私に手を出さなかったらお前の勝ちだ。私の全てをやろう。もしお前が負けたら私と結婚してもらうぞ」
「そのウザったい顔を泣き顔にしてやるから覚悟しろや」
「やれんのかぁ?」
「お前は負けたあとなんて言い訳するか考えとくんだな!」
俺と二十八号は睨み合いながら、相手を煽るように、悪役がするような凶悪な笑みを浮かべながら、相手の負けた時の言い訳をしながら泣き顔にさせるのが今から楽しみだった。
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