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01.森の中でもう死にそうなんだが

「おい、見捨てないでくれ、まだ死にたく……ぐぇ!」


 その光景から目をそむけて、オレはガムシャラに森の中を駆ける。


 ついさっきまでガハハと豪快に笑ってた、筋肉ムキムキの中年狩人の悲鳴にも構わずに。


 ……ちくしょう、誰でもカンタンに稼げる儲け話じゃなかったのかよ。


 半ベソかきながら走るが、周囲に人の姿は見えない。どこまでも続く深い森があるだけだ。


 全員やられちまったのか?森に入る前は20人以上いたはずだぞ?

 

 これまでだってヤバい修羅場はいくつもくぐり抜けてきた。


 そのはずだったのに、ゼッタイ死ぬ!という恐怖に襲われて、うまく呼吸もできない。


 ああ、股間も半ベソかき始めたぞ。


 ピィィィィ!


 不快で恐ろしいモンスターの雄叫びが後方で轟いた。


 ガハハのおっさんを食い終わったに違いない。


 次の獲物は……オレだ!


「ああああ、くそ、まだ死にたくねぇ!ゼッタイ成り上がってやるって決めたのに!」


 ついさっき見殺しにしたおっさんと同じセリフを吐いてることに気づいたそのとき、もう一度ピィィィという耳をつんざく不穏な咆哮が響いた。


 その音に気圧されて思わず立ち止まり後ろを振り返ったオレの目に、恐ろしげな歯が並んだでかい口を開けて飛びかかるケモノ型モンスターの姿が飛び込んできた。


 死、死ぬ……


 ごめん母ちゃん、オレもそっち行くわ……

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