アクティのバザー
最強と噂されていたパーティから追放された4人。
追放された仕返しにパーティのテントを爆破しお尋ね者に。
そんな中捨てられたダンジョンを見つけ、そこで気ままに暮らします。
職業、魔法、魔物、勇者、ダンジョン有り!
体操選手結、治癒師まど、発明家遙、運動選手奏音の4人がドタバタ暮らします!
【冥界の神】オシリスからの贈り物、骸骨犬アビスはとても賢い。
最近では使用人として活躍している狼男、フェンダー・ヴォン・ボルクタのペットになっている。
ほら、今も庭で追いかけ回って遊んでいる。
そこには、ここしばらく見ていなかったフェンダーの笑顔があった。
遊ぶのが良い息抜きになるならそれで良い。私はコックリと深く首を振った。
そして魔物商店街は今日も賑わっている。
魔物商店街には、許可ある者以外は立ち入れない。
それは、天候だろうと神々だろうと同じだ。
「台風」や「暴風」も立ち入れないので、毎日のように晴れだ。
ただ、畑には定期的に小雨が降っている。
じゃないと枯れてしまうからだ。(当たり前)
「いやはや、「霧龍」が来てくれてから魔物の子供達が大喜びだね♪」
とまどが小さく飛び跳ねた。
霧龍とは、【天候の神】が連れてきた全長200Mはある巨大な龍だ。
常に全身が薄く霧に包まれており、その能力は
咆哮だけで国を滅ぼし、息吹で一軍団を殺すと言われた生ける伝説。
その霧龍が魔物の子供を乗せてご機嫌で空を飛んでるのだから面白いものだ。
霧龍の主、【天候の神】はその名が現す通り、天候を司っている。
純粋な攻撃力で言えば相当に強力な神のはずだが、
デイが作った葡萄酒が好きな、一介の燻製屋である。
その時ふと今日の楽しみを思い出し、自然に笑みがこぼれた。
楽しみとは、今日のバザーである。
犯罪スレスレの料金を奪い去っていく、如何わしい裏通りのバザーではない。
晴天の下で賑やかに開かれる、一年に一度の行事だ。
パチンと指を鳴らすと私の身体はバネのように柔らかくなり、
一瞬で広場の中心に移動できた。
勘違いしないでほしいが、私の移動は神々が使う瞬間移動とは違い、
純粋な身体能力だけで移動している。
少しゆっくりと歩きながらバザーを見る。
「 ミセス・ハイゴブリンの 裁縫屋 」から「オークの定食屋」まで多種多様なラインナップ。
その中で異彩を放っていた店、「霧龍の天候屋」を私は選んだ。
油が塗られていて、サッと開く両開きのドアを開けて私はその店に入った。
「やあ、いらっしゃいませ♪」30歳ぐらいだろうか。
それぐらいの年齢のエプロンを着けた女性がカウンターに立っていた。
「どんな服をお探し?ジーンズ、Tシャツ、なんでもあるわよ!」
元気良く答えたその女性が、【天候の神】だと私は分かった。
彼女の黒髪は小さな稲妻でバチバチと光り輝き、身体は綺麗な白雲で覆われていた。
私は、白いカーディガンが気に入ったので、それを買った。
「おや、良いのを選んだわね!あなたに天候の祝福を」
最後まで明るい店主に見送られて私は店を出た。
試着室で着たカーディガンはとても着心地が良かった。
聞くと、結構な人数が買っているようだ。
まど、遙、奏音はもちろんデイまで買っていた。
このカーディガンの凄いところは、魔力を流すと一時的に周りの天候を支配できるというところだ。
白色の私のカーディガンに魔力を流すと、私の周りを白い雲が覆った。
アクティは本当に凄い。私の知らない店もまだまだあると思い知った。
デイ:【天候の神】が仕立てたこのスーツ凄いんだよな
秘書:私も愛用しています




