戦争中継(リアルタイム)
最強と噂されたパーティから追放された4人。
追放された仕返しにパーティのテントを爆破しお尋ね者に。
そんな中捨てられたダンジョンを見つけ、そこで気ままに暮らします。
職業、魔法、魔物、勇者有り!
体操選手結、治癒師まど、発明家遙、運動選手奏音の4人でドタバタ楽しく暮らします。
「暇だーーーーーーーーーー!」と奏音が叫び声をあげた。
「ふむむ、確かに暇だねえ。かと言ってもすることは無いし…」遙は本を片手にそう言った。
そんな中、私はふらりとゴブリン家庭菜園室に行った。
そこではゴブリンがせっせとタネを蒔き、畑を耕していた。
「おや、これは結さん。」とゴブリンがこちらに挨拶する。
ゴブリンは基本知能も低いが、このゴブリン爺さんは知能が高く、人語も自由自在に操れる。
「見てください、野菜がこんなにそだちましたよ!」笑顔でこちらを振り向く。
幸せそうなゴブリンを見て、私はゴブリン家庭菜園室を後にした。
戻ると、制御室は大きく賑わっていた。
「え、何?どうしたの?」3人は1つのモニターに釘付けになっている。
まどが振り向きざまに素早く説明してくれた。
「民に重税を負担させてる悪徳王と、民を蔑ろにする戦闘王の戦争のリアルタイム中継だよ!」
奏音はノリに乗っていて、いけえ!とか、やっちまえ!とか叫んでいる。
3人の体の隙間から見ると、戦力はほぼ互角のようだ。
……これは遙がつけたんだろうけど、血は虹色に変換され、はたから見ると吐いているように見える。
できれば観たくない死んでいく兵士の苦痛の表情は、スマイリーに変換されて、楽しげに見える。
他の国にドローン飛ばすほど退屈していたのかな。
まあなんにせよ、これで退屈凌ぎはできたようだからよかった。
おおおおおお!と歓声が上がり、悪徳王の首が吹き飛ばされた。
「ほほう!悪徳王の住民は疲れ切っているようだねえ。」
遙が画面を切り替えた。そこには老若男女の大集団がジャングルを歩いていた。
「ぬ、まずい。このままだとこの大集団はダンジョン入り口付近まで来るみたいだぜ。」
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