襲来
最強と噂されたパーティから追放された4人。
追放された仕返しにパーティのテントを爆破しお尋ね者に。
そんな中捨てられたダンジョンを見つけ、そこで気ままに暮らします。
職業、魔法、魔物、ダンジョン、勇者有り!
体操選手結、治癒師まど、発明家遙、運動選手奏音の4人でドタバタ楽しく暮らします。
「おはよー」と声をかけながら食卓に座る。みんな普通に喋り、笑っている。
これから国を相手に戦争やる なんて雰囲気じゃ全くない。
食後はゆったりと自由時間を過ごす。優雅な時…ビーッ、ビーッ警告音が鳴り響いた。
欠伸を噛み殺しながら制御室に行く。
「おお!こりゃまた随分な人たちが揃ってるねえ」と遙。
観れば国で一時期最強パーティとちやほやされた熟練パーティだった。
骸骨兵の長と勇者が戦っている。しばらく剣と銃の激しい攻防が繰り広げられていたが、
一瞬の隙をついた骸骨兵のショットガンで魔法使いが撃たれた。
その瞬間画面が切り替わる。お花畑が映り、【しばらくお待ちください】と表示される。
この装置は遙と奏音が付けたもので、流血の惨状になると自動でお花畑を映す。
全くよくできた機械だ。
魔法使いさん、御愁傷様です。南無阿弥陀仏。
奏音が仕掛けた罠にあっさりハマり、射手が毒ガスとペットボトル爆弾にやられて負傷。
治癒師が必死に回復しようとするもビックスライムの昼食となった。
最後の砦だった魔物使いが魔物と自分を盾にしてシールドタートルから剣士を守る。
剣士、泣きながらシールドタートルを叩っ斬る。
魔物使いいいやつじゃん!このパーティ見直したよ(泣)
あれ?気がつけばあっさり全ての魔物が破られたよ!?
まあいいか。残りは剣士だけだし。他はみんな死んでしまった。
爆音を立ててドアが吹き飛ぶ。
泣いてるかな?と思ったら大間違い。幸せそうな顔で笑い始めた。
「あいつら死んでくれて助かったぜ!これで報酬は俺のもんだ!」
うわ、ゲス。3人を見ると、ゴミを見るような目で剣士を見ていた。
そんな目にも気づかずに剣士はベラベラと喋り続けている。
「お前らの職業は何だ?」唐突に剣士が質問してきた。
「体操選手」「治癒師」「発明家」「運動選手」
「おい、全部外れ職業じゃねえか!俺は『軍神』だ!」
完全に舐めてかかっている。
だからこういう人は嫌いだ。
「じゃあな」と奏音が呟き、手元のスイッチを押す。
最強の職業と言われた『軍神』は落とし穴を感知できなかった。
落とし穴の先には毒ガスと魔物が待っている。
自分の力を過信し、外れ職業を舐めた哀れな『軍神』の最後だった。
案外戦争は速く終わった。こっちは負傷者、死亡者ゼロ。
あちらは国で最高のパーティを失った。上出来じゃん!
今日はパーティだ。いつもに増してマジックハンドが気合を入れて作った
渾身の料理は絶品だった。
全く、今日は本当にいい日だった。
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