出て行け
この世界には勇者もいればダンジョンもあるし魔物もいる。魔法も使える。科学は何千年も前に廃れた。
そして1番重要なのは、10歳になると職業が貰えることだ。
職業によって使える能力が決まってくる。
もちろんだが当然パーティもあり、パーティは8人で構成されている。
これは不憫なあるパーティの雑用係4人物語。
「お前らほんと使えねえな。出て行け」こう通告したのはパーティのリーダー、
勇者ラリー。その後ろには魔術師と僧侶、そして治癒師が控えている。
「…分かりました。」4人は素直に項垂れて出て行く。
4人の名前は結、まど、遙、奏音。結とまどは女の子、遙と奏音は男の子だ。
結の職業は体操選手。まどの職業は治癒師、遙は発明家、奏音は運動選手。
「あいつらホントやな奴だったね。」怒りながら言ったのは結。
「でもさあ、これからどうする?」「あいつらいいよなあ。テントでこの後ゆっくりするんだぜ!」
と奏音。「いや、それは無理だよ。なぜならテントに花火を仕掛けたからねえ」と遙。
噂をすれば、後ろから悲鳴が聞こえて来た。
「よくやったぜ遙!ざまあみろ!」
その時突然視界が開けた。目の前に巨大な洞窟があった。
みんな呆然としている。「なんでこんなところにダンジョンが?」不思議そうに呟くまど。
でも全く危険がなさそうだと私こと結は思った。
なぜならダンジョンはボロボロで、魔物の気配もしなかったからだ。
ゆっくりと入ってみる。入った瞬間、シュポンと音がして周りが白くなった。
気がつくと、コントロールセンターのようなところにいた。
遙が目を輝かせる。「こんな部屋が欲しかったんだ。」
周りはボタンやスイッチ、モニターであふれている。
普通ダンジョンには魔王と魔物がいて、宝箱があるはずだが、ここには魔王も魔物もいない。
捨てられたダンジョンのようだ。
【ようこそお越しくださいました。貴方方がこのダンジョンの主です】
どこからか合成音が響いて来た。
【貴方方の使命はこのダンジョンに来る勇者や魔物からダンジョンを守ることです】
「やったぜ!これで家も確保できたな」とポジティブな奏音。
ヴォンと音がしてモニターがつく。
「罠を設置しよう」と遙が言うと、床から長い筒が出て来た。
遙が手に持っている球体を筒に近づけると筒に吸い込まれた。
モニターを見ると一階に球体が設置されているのが見えた。
【侵入者です】
モニターにパーティが映った。
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