しょーもない理由
あまりの衝撃に口があんぐり開いてしまいお茶の葉が口の中に流れこんできた。
そして吹いた。
ブファッ!!!!
と、そりゃ盛大にお茶の葉まじりの茶を吹いた。
そして和哉は慌てて股間と尻を両手で隠した。
掘られるのも掘るのもお断りだ。
まだ女の子とお付き合いもした事もないのにこれは酷すぎる。
「ぼぼぼぼぼぼぼぼぼ、ボクはそういう趣味ありませんから」
緊張のあまりに、一人称の俺が僕に変わってしまった。
「まぁ。カズヤ聞いてくれ。黙って僕の悩みを聞いてほしいんだ。」
そんな慌てる和哉に気がついているのかいないのか、いい声でレイは続けた。
「僕は女好きなんだ。女の子の事が大好きなんだ。」
ホヘ?
固まる和哉。気分は『一体お前は何を言っている???』状態である。
思わずレイを見る目がじと目になる。
「僕は自分が完璧だとはもっていない。僕にも人と比べて至らない点がたくさんある。」
そりゃそうだろう。なかなかパーフェクトな人間はいないものだ。
というか、レイの物言いは何かイラっとする感じを和哉に与えた。
何事も中庸で申し訳ありませんでしたねとヒネた気持ちになる。
だがレイは止まらない。
「日々、研鑽をしてきた。それさえなければ僕はもっと完璧に近づけるはずだって。弱点を克服しようとしてあらゆる努力をしてきた。…でも、どうしても女の子が好きなのは治らないんだっ。それさえ直せば、僕はっ」
悔しそうに地面に拳をたたきつけるレイ。
しかし自己陶酔中のレイには悪いが、和哉の気持ちはすでにどっしらけである。
ハイハイ勝手にしてくださいよーとすでに生暖かい気持ちになっている。
「でも、今は君がいる」
レイはその魅力的な笑顔を和哉に向けた。
「僕を女嫌いにさせてくれ。君の世界のさぶかるちゃーではそういう話が人気と聞く」
「だったら健康な男子高校生を召喚してんじゃねーよ。そういうのがお得意なのは腐の字のつく称号をお持ちの方たちだろうよ。」
和哉はもう帰りたかった。そんなくだらない理由で自分が召喚されたのかと情けなく感じる。
「バカかっ」
和哉はいきなり殴られた。
「その方々こそ性別が女子じゃないか。僕が惚れちゃったらどうしてくれるんだっ」
殴られて地面に倒れつつ、頬を染めて照れまくっているレイを見ながら、もう好きにしてくれと願う和哉であった。




