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別れ

 

 「カズヤを送って来る。皆は英気を養っておいてくれ」


 勇者であるレイの言葉に頷くハーレムメンバー。


 「レイ、俺はこっちに残っても…」


 すでに半年という年月をこの世界で過ごしている。和哉は後ろ髪を引かれていた。


 「これからの戦いが最後になるかも知れない。僕に約束を守らせてくれカズヤ…」


 見つめあうカズヤとレイ。


 何か桃色の空気が沸いたような気がするが二人は気がつかない。

 ただそれを見ていた勇者パーティの女子の一部が鼻血をこっそり拭いていた。


 その中の一人のステータスの一部をお見せしよう



 名前:ユーリカ・フェリクス

 職業:冒険者

 年齢:19

 Lv:87

 状態:腐


 異世界に、和哉が意図しなくても、きっちりその文化は根付いたようだ。



 足元にあの謎の水たまりを出現させるレイ

 二人は見つめあったまま、水たまりに沈んでいく。


 「わっふるわっふる、わっ…はっ!私は何を!」


 唇を手で押さえ、女騎士は蹲った。

 のちに女騎士はこう回顧したという。


 「あの瞬間、何かが降臨してきたかのようだった」と。


 「勇者ぁ。カズヤと別れるのはさぞつらいじゃろう。よかろう。これからはわらわが甘えるばかりではなく勇者をしっかりとささえようぞ」


 「姫様、わたしも新ためて決意しました、主を支えようと」 


 つるぺた姫幼女と女忍者は手を取り合って頷く。敵対していた二人が手を結んだ歴史的な瞬間だった。


 「ん」

 三角帽子の無口な魔女はただそう言っただけだったという。


 「あの二人を思うと、何か心から別の力が沸いてくるようです」

 メイドの言葉に頷いたのは爆乳巫女。

 「新たな力を私も感じました」

 巫女の身体からは神々しいまでの光があふれてくるかのようだったという。


 

 「『気にしてないんだよ。大きなお世話だ斬り』…か」


 バトルアクスのそばかす少女がカズヤの決め技のセリフを口にした。


 「ふふっ『大きなお世話』ね。カズヤ。心の持ちようとか見る角度によって、物事って違う風に見えてくるもんなんだね」


 何かがふっきれたようである。


 それから…


 勇者が一人で戻ってきても、パーティメンバーは依然のようにうるさく付き纏ったりせず、まるで見守るかのような態度を見せたという。


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