スライム美女
「気をつけてカズヤ。魔物は人の心を読む。弱点を攻めてくるんだ。平静にして心を水のように落ちつけて戦うように… うわ!来るなっ来ないでくれ」
和哉から見たら普通のスライムなのだが精神攻撃をくらっているようでレイは見えないダメージを負っているようだ。
「カズヤ!前を見て」
はじめて女騎士に話しかけられた。というか怒られた。ちょっとうれしい。
和哉に向かってきているのは普通のスライムのようだ。甲羅をせおっているような様子も見受けられない。
いや頭の先端の部分が何かおかしい、まるでなにかが被っているかのような状態だ。
タートルスライムLv.35 ×3体
「タートルってそっちの方かっ!! ふざけやがって!」
和哉は怒りのあまりに反射的に広域魔法を発動してしまった。
「くらえっ『煉獄の炎陣!』」
和哉は自分の魔法に厨二的名前をつけていた。発動時、ちょっと恥ずかしい。
ともあれ、その恥ずかしい名前の魔法で和哉に向かってきたスライムをはじめスライムの群れの半数ほどが蒸発した。
゛タートルルライムを倒しました。熟練度MAXになりましたのでレベルアップをします゛
再びアナウンスのような物が流れると和哉の身体に力がみなぎる。
うぉぉぉ!
雄叫びをあげる和哉。男の子としてテンションもMAXにあがったのである。
さて、と戦況はどうなっているのかとパーティーの仲間達を見ると健気に戦っているようだが、精神攻撃をくらっているのかやや様子のオカシイ連中もいる。
爆乳美少女巫女はなぜか伸びたスライムにぐるぐる巻きにされて
「触手が触手がっ 触手いやぁぁぁぁ!」と叫んでいるし
「先端をこちらに見せるなぁぁぁ!」と狂ったように物理が効かないスライムに斬りかかる女騎士、「死ぬのDEATH!死ぬのDEATH!」と叫びながら噴霧状の何かをスライムに向かって噴射しているメガネメイドなど阿鼻叫喚だ。
あまりの事に引いていると、三角帽子の無口無愛想魔女っ娘が真っ青な顔色ながらも仲間にとりついたスライムを倒しているのが見えた。
「よし俺も」
魔法を発動しようとするとなぜかすべてただのスライムがタートルスライムになってしまうのかが悩みどころだが和哉もスライムを倒していく。
レイも魔法剣でスライムを倒しているようだ。
戦う事1時間程。
「恐ろしい敵だった。スライム美女め」
レイの言葉に和哉は驚いた。
スライム美女なんか見てないんですけど?




