ハーレムメンバーとの対面
「おかえりなさいませ。勇者様」
「おかえり勇者」
「無事帰ったな勇者」
「無事のご帰還を喜ばしく思います」
「ふん帰ったか。べ、別に心配なんかしてないからね」
「お帰りなさいませ。食事にしますか? お風呂にしますか?」
口々にレイが帰った事を喜ぶ声があがる。
巫女?神官? 装束のおっぱい爆弾娘
たれ目の艶っぽい女騎士
お姫さまのようなドレスに甲冑をつけたよくわからないツルペタ幼女
大人しそうな容貌だがバトルアクスを背負うそばかす少女
狐耳と尻尾のややきつそうな顔の冒険者風の装備の女
メイド服のめがねっ娘
などバリエーション豊かな女性達が口々にレイを出迎える。
レイはハーレム勇者か。
思わず半眼になって見てしまっても仕方ないと思われる。
「やぁ。心配をかけたね」
レイはにこやかに彼女達に声をかけているが、和哉は見てしまった。
レイの目のハイライトが消え、虚ろになっている!!!
同時に和哉の身体強化された視力がとらえたのは 普通の人が見てもわからないような速度で彼女達がお互いにお互いをけん制し合っている姿だった。
たしかにこれはちょっと引く。
「イイコ達なんだけどね? 知ってるかいカズヤ。ハーレムは維持管理の方が
骨が折れるんだよ」
振り向いて虚ろな目のまま笑う勇者。
なんか怖い!!!
「紹介しよう君たち。新しく僕たちのパーティに加わるカズヤだ。みんな仲良くして欲しい」
仲良く、のところに懇願するような響きが含まれていたような気がする、和哉は冷や汗が額に流れるのを感じた。
「カズヤです。よろしくお願いします」
とたんに ギラリとする女達の目。
捕食者のような強い視線に足ががくがくしてくる。
-どういう事?
-目くらましのつもり?
-ええ仲良くしてあげるわよ。私と勇者の邪魔をしなければね!
-まさか今度は男の子? 渡さないわよ。
-将を得るには馬からというが、その馬が用意されたのね?
ギラギラとした視線にさらされて和哉の足はすくんだ。
ワイバーンを前にしてもここまで恐怖を感じなかったのに!
こえええよ!何この肉食女子の集団!
びびるカズヤにハイライトを無くしたままの目の勇者が言った。
「イイコなんだよ。一人ひとりはね? 宜しく頼むよカズヤ」
まったくもって宜しくしたくない和哉であったが勇者の無言の圧力に頷く事しかできなかった。




