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第二章 始めての殺害02

「ギャーッ」



悲鳴が聞こえた。



愛華の声だろう、かなり大きい声で叫んでいた。この声は赤点達にも聞こえていた。



「な、なんだ!?」



「わからない!行ってみよう、多分部屋だと思う!だから僕は言ったのに!信用できないって!」


「まだ何が起きたかわからないのに決めつけるな!行くぞ!」



ちなみにこの旅館はかなり大きなもので部屋も風呂場も大きい。


二人は素っ裸で行くわけには行かないのでタオルを一枚巻いて走った。





「ギャー イヤァァァァァァァ! なにこれ!デカッ!キモいぃぃぃ!」



ダンゴムシが人間のようなサイズまで肥大化したものが愛華を食べようとしている。



そこで走ってきた赤点達は、




「どうした!?」



目の前の光景に赤点と山本は吐き気がした、巨大ダンゴムシがいる、しかも脚の数が半端ないのだ。120本くらいあるだろうか。



みたところただの虫ではないようだ、危険であることを確認しバックに入っていた包丁を取り出し巨大ダンゴムシの背中に刺したが、



「なにっ!硬いぞ!刃が通らない!」



巨大ダンゴムシの背中はコンクリートのように硬い、ハンマーならなんとかなりそうだが今はない。そしてターゲットが赤点に移る。



奇妙な唸り声を上げて巨大ダンゴムシが赤点に向かって突っ込んでくる、赤点は必死に逃げ惑う。こんな大きさのダンゴムシに突進されたらひとたまりもないだろう。気持ち悪いし。




愛華はターゲットが移って安心しきって逃げた。




赤点は逃げる、逃げまくるがダンゴムシは追いかけてくる。そんな中山本はダンゴムシを倒す方法を考えていた。



(よく考えろ、僕。)


山本は焦っている



(ハラを刺せ、すればアレハシヌ)



山本の頭の中に変なものが囁きかけた。




(幻聴か?僕は疲れてるのか?とりあえずやってみるか!)



「赤点!そのまま逃げて壁に!」



「壁に逃げたってどうするんだよ!危ないだろ!」



「いいから、お願い!」



そのまま壁に向かって赤点は走った、そのあとを巨大ダンゴムシが追いかける。壁にギリギリのところで急カーブし巨大ダンゴムシが曲がりきれず壁に突撃した。その隙を一瞬たりとも見逃さず山本は腹に向かって包丁を構え斬りかかる。


「うぉぉぉぉ!くたばれ!」



倒れていた巨大ダンゴムシの腹が切り裂かれた、そこから大量の体液が飛び散る。



「ハァハァ…やったか…」



「す、すげぇな山本」



山本には赤点がビビっていたように見えた。



「あぁ、なんか囁きが聞こえたんだ。それに従ってみたら倒せたよ、僕は疲れてるかもしれないけど。」



(山本も聞こえていたのか…)




「この部屋汚くなっちゃったね、ごめん…」


「助かったからいいさ、ありがとう」


「んで赤点は大丈夫?怪我はないか?」


「あぁ、大丈夫。って愛華はどこ行った?」


「赤点にターゲットが移ってからどっか逃げて行ったよ、自分の身は自分で守るってこういうことなのか…」



「まぁ…助かったからいいじゃないか。また風呂行かないか?ダンゴムシの体液が汚いんだが」


「そうだね、行こう。愛華はそのうち戻ってくるだろうしね」



こうして虫ではあるが殺しをした。山本は人を殺した感覚でいた。

彼らは今回助かったことからこれからは余裕だと思い込んでいた、だがそれが最悪な結果に繋がることなど彼らは知る由もなかった。

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