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1.目覚め

はじめまして。

この作品は、異能の力を持つ仲間たちとの絆や、自分の中に眠る力に向き合う主人公の成長を描いた物語です。

舞台は現代ながらも非日常と交差する世界。主人公カイルが秘めた力と向き合いながら仲間たちを導き、未知の敵に立ち向かっていく姿をお楽しみいただければ幸いです。


第1話では、カイルの普段の姿と彼の中に隠された「何か」が目覚める瞬間を描きました。普段の日常から、壮大な冒険へ第一歩を踏み出すカイルの姿を通じて、これから広がる物語の世界に引き込まれるような展開を意識しました。


読者の皆様に楽しんでいただける作品となるよう、精一杯執筆していきますので、どうぞ最後までお付き合いください!

夕日が差し込む廃工場。その錆びついた鉄骨と割れた窓ガラスの間を、ひんやりとした風が吹き抜ける。この場所はカイル・オハラの秘密の隠れ家だった。


「またここに来てしまったな……」

カイルは左手に持った古い缶ジュースを一口飲みながら、窓際に腰掛けた。学校ではごく普通の高校生として過ごしているが、ここでは誰にも言えない秘密を抱えていた。


彼の左手の甲には、奇妙な紋様が浮かび上がっていた。それは幼い頃に現れたもので、彼の体調や感情に反応して微かに光ることがあった。


「なんで俺だけこんな目に……」

両親を早くに亡くし、叔父に育てられたカイルは、自分の人生がどこか歪んでいると感じていた。それでも、自分が「普通」でいたいという願望だけは捨てきれなかった。


その日もいつものように工場でぼんやりと時間を潰していると、不意に耳をつんざくような音が響いた。


「……なんだ?」

振り返ると、廃工場の奥に光る球体が浮かび上がっていた。それは明らかに自然現象ではない。球体は脈動するように明滅し、次第に形を変えていく。


「やめろ、近づくな!」

自分に言い聞かせるように呟いたが、左手の甲が突然熱を持ち始めた。紋様が赤く光り出し、痛みと共に動き始める。


「ぐっ……!」

カイルの身体が勝手に球体に引き寄せられるように歩き出し、その瞬間、眩い光が廃工場全体を包み込んだ。


気がつくと、彼の目の前には奇妙な存在が立っていた。それは、人型だがこの世のものではない雰囲気を持つ――カイルのファントム「ヴァイオレット・スカイ」だった。


「これは……俺の……?」

言葉にならない驚きが彼を襲う中、さらに異変が起こる。工場の外から複数の足音が近づいてきた。


「見つけたぞ、こいつだ!」

現れたのは黒い装甲服に身を包んだ二人の男。彼らはカイルに向かって武器を構える。


「ファントムを引き渡してもらうぞ。」

その言葉にカイルは混乱しつつも、左手の甲が再び熱を持ち始めるのを感じた。ファントムの紋様が光り、再び「ヴァイオレット・スカイ」が姿を現す。


「やめろ……近づくな!」

無意識に叫ぶと、ファントムが自動的に動き出し、敵の攻撃を跳ね返した。空間が歪み、男たちが弾き飛ばされる。


敵が撤退した後、カイルは放心状態でその場に座り込んでいた。そのとき、銀髪の女性が工場の奥から現れる。

「あなたが……ファントムを覚醒させたのね。」

その女性――シエラ・ヴァンダークは妖艶な微笑みを浮かべていた。


「俺が……何をしたって?」

カイルが怯えながら問いかけると、シエラは軽く肩をすくめた。

「あなたの力は特別。これから、もっと多くの者があなたを狙うわ。」


さらに続ける彼女の言葉を遮るように、もう一人の人物が姿を現す。

「そんなことはさせない。そいつは俺たちと来るからだ。」

現れたのは、異能者の一人、ケン・タカハシだった。


「一緒に来る……?」

「君が世界を救う鍵になる。そのファントムは、運命を変える力だ。」


カイルの胸に眠っていた「普通でいたい」という願望は、音を立てて崩れ去っていった。そして、彼の中で新たな不安と覚悟が芽生え始める。


次回予告

目覚めた力と仲間たちとの出会い。だが、敵の影は確実に近づいていた――。

第1話「目覚め」をお読みいただきありがとうございます!


カイルにとって平凡だった日常が崩れ去り、彼の隠された力「ヴァイオレット・スカイ」が目覚めました。この力がどのように彼を導き、彼の運命を変えていくのか――これからの物語の中心となる部分です。また、初登場となったシエラやケンも、これから物語の重要な役割を担う人物です。


第1話は物語の始まりに過ぎませんが、これから仲間や敵との出会い、カイルが成長していく様子、そして異能者たちの戦いがどんどん加速していきます。読者の皆様が楽しめるよう、スリリングで感動的な展開を用意していますので、ぜひ次回もお楽しみください!


感想やご意見があればお聞かせいただけると嬉しいです。気に入って頂けたらブックマーク、評価の方をよろしくお願いします!

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