桜と初めての友達(編集中)
時は少し遡り・・・。1年前
桜「これは一体・・・。」
慎司「色々学校を君に見せて君自身が選んだ学校は中々良い学校だぞ。」
麗子「都立三河高校かぁ。お兄ちゃんの出身校だね。」
桜「そうなのですか。」
麗子「そうだよ。お兄ちゃんその高校ではめっちゃ優等生だったんだから。」
慎司「まぁ、要するに一番頭脳明晰で運動神経抜群だったってことだ。」
桜「わかったようなわからないような・・・。」
慎司「それで君に用意した本は全部都立三河高校に入るために必要な知識だ。まずはこれを突破しないと
ならんぞ。」
麗子「でもお兄ちゃん。彼女に現代の文法や計算、社会的知識とか色々わからないでしょ。
絶対に無理だよ。」
慎司「まぁものは試しだ。とりあえず、半年間この本を見て勉強してその後にテストを行うぞ。」
桜「テスト?」
麗子「紙に書かれた問題文を答えていくの。その時の正答数が多ければ多い程良いんだよ。」
桜「なるほど。」
桜はその後慎司が用意した参考書を見ながら勉強を続け、慎司からの模擬テストも受けた。
慎司「すごいな・・・満点だ。」
麗子「彼女すごい記憶力良いのよ。理解もすぐ出来るし。」
桜「戦いの場で記憶力とその場の状況判断が生死を分けます。もしかしたらその影響ですぐに
理解できたのかもしれません。」
慎司「これは期待できるな。思ったよりも早い段階で現実世界に順応できそうだな。」
~そして時は現在~
桜「(さて、とりあえず、学校には入ることは出来たわね。ここには例の男の姿は無いみたいね。)」
山広「じゃあ、この問題を・・・四之宮さん。」
桜「あ、はい。」
学校内の授業は淡々と進んでいき、体育の授業では抜群の運動神経を見せる。
桜「どうですか?」
体育の先生「お、おう・・・8秒37だ。」
照「へぇ、四之宮さんって運動神経良いんだねぇ~。」
体育の先生「運動神経良いどころじゃないぞ。100mタイムでこれはオリンピック選手を超えるぞ!」
体育の先生「一体、今までどんな運動をしてきたんだ。」
桜「そ、それは・・・。」
桜「(慎司さんから本物の忍者であることは伏せたほうが良いって言われたし・・・。)」
~入学前~
桜「忍者であることは隠す?」
慎司「そうだ。」
麗子「なんで?忍者は今超人気なんでしょ?別に隠す必要ないでしょ。」
慎司「君の目的はその因縁の相手を探して倒すことだろ?仮に君がその因縁の相手にバレでもしたら
大変だろ?」
桜「た、確かに・・・一理はある・・・。」
慎司「だから、あくまでも人前では一般の学生として生活をしてくれ。わかったか?」
桜「しょ、承知・・・。」
~現在~
桜「ち、小さい頃から山奥で遊ぶのが好きで・・・。」
体育の先生「ふむ、やはり自然とともに成長した子供のほうが成長できるのか?」
男子生徒「なぁ、桜さん、めっちゃかっこよくなかったか?」
男子生徒「確かに、走ってるときやボールを蹴った時なんかもあの表情かっこよすぎるよな。」
男子生徒「それに、運動した後の滴る汗・・・。やべぇよ。ずっとドキドキしちゃうって・・・。」
女子生徒「また桜さんの話?」
女子生徒「桜さんかっこいいって話は聞こえたね。」
女子生徒「でもわかるなぁ。この学校には現役のトップモデルの新城茜に、今回入ってきた四之宮桜さん。どっちも美少女だし、桜さんに関しては女子でも惚れちゃうかも。」
茜「運動神経すごいな。あの子・・・。」
茜が座ってその場を観察していると照がやってくる。
照「どっしたん?茜っち。」
茜「いやぁ、あの子本当にすごい子だなぁと思ってさ。」
照「確かに。入学してからまだ初日なのに授業についていけてるし、しかもあの運動神経。
しかも可愛くてイケメンと来た。非の打ち所がないね。」
茜「まるで学園漫画に出てくるような完璧なメインヒロインみたいだね。」
照「嫉妬でもしてるの?」
茜「まさか。その逆。むしろ彼女とは良い関係を作りたいと思ってるよ。」
照「じゃあさ、今日のお昼さ。」
照は茜にある提案をする。
そしてお昼休み
学生たちは各々お昼を食べ始める。中には購買に行く人もいれば、近くのコンビニに行く人もいる。
桜「さてと・・・。」
桜がお昼を食べようと準備をすると、照はやってくる。
照「やっほー。桜さん。」
桜「照・・・さん。」
照「ん?まだ少し緊張してる感じだねぇ~。」
桜「あまりこうゆうのには慣れていなくて。」
照「あはは、ごめんね。」
照「そうだ、せっかくだからさ一緒にお昼食べようよ。桜さんに紹介したい人もいるしさ。」
桜「私に紹介したい人?」
照「どうかな?嫌なら良いんだけど。」
桜「いや・・・嫌ではありません。お供させていただきます。」
照「おぉ、なんか侍っぽい言い方だねぇ。わかった。じゃあついてきて。」
照の後をついていく桜。目的の教室に到着する。
桜「ここは?」
照「空き教室だよ。ここは私が自由に使える許可をもらってるの。他の人が勝手に入れない秘密の部屋」
照「あ、でも私に招待された人は問題ないから安心してね。」
照はその空き教室に入っていく。
照「おーい茜っちー。来たよー。」
茜「来たわね。」
照「ささ、桜さんも。」
桜「お、お邪魔します・・・。」
桜「(あれ?あの子・・・どこかで見覚えが・・・。)」
照「紹介するよ。彼女は新城茜。現役のトップモデルさんだよ。」
茜「よろしく。桜さん。」
桜「新城茜・・・。」
桜はその名前を聞きあることを思い出す。それは慎司の部屋から見つけた雑誌特集のトップに
その子の名前があったことを。」
桜「もしかして・・・。」
その後3人は談笑しながらお昼を一緒に食べる。
茜「なるほどね。そりゃあ見たこともあるわけだ。雑誌の表紙を飾るなんて滅多にない事だもの。」
照「茜っちはすごいんだよ~。彼女の着る衣装はどれも多くの人を魅了してきたんだ。
その中でもくノ一衣装の時の反響は大きかったもんねぇ~。」
茜「全く、私は着せ替え人形じゃないってのに。」
桜「くノ一の衣装を来ているということはやはり茜さんも忍者なのですか?」
茜「敬語は使わなくていいわ。」
桜「そ、そうですか・・・じゃあ、お言葉に甘えて・・・。」
茜「まぁ、そう思う人もいるでしょうけど、私はただのモデル。忍術なんて使えないわ。」
照「でも撮影の時にはモーションを確認するために何度も練習したんだよね。」
茜「あれは仕事だから仕方なくよ。」
桜「(いつぶりだろう。こうやって一緒にご飯を食べるのは・・・。)」
桜「(なんか・・・良いなぁ。)」
桜は久しぶりに談笑しながらご飯を食べる光景を見て少し微笑む。
照「あれれ~。桜さん。笑ってるの?」
桜「あ、あれ?顔に出てた?」
茜「何か良いことでもあったの?」
桜「いや・・・こうやって一緒にご飯を食べるというのは良いものだなぁって。」
茜「プッ、なにそれ?」
桜「え?もしかして、何かおかしなこと私言ったの?」
照「いいや何もおかしくないよ。今の時代、こうやって談笑しながらご飯を食べる機会は随分減った
からねぇ。私も楽しんだよ。」
茜「少し前は男子とも仲良く離せたりした時があったみたいだけどね。色々うるさく言ってくる人が
いるもんだから・・・。」
桜「なんか、私の知らない別の問題あるみたいだね。」
3人はお昼を食べながら会話を続けた。そしてお昼を食べ終わり、3人で教室に戻ろうとする。
茜「さてと、午後の授業も頑張んないとねー。」
照「桜さん、教室に戻ろう。」
桜「う、うん。」
そして桜の心の中には新しい感情が芽生える。
桜「(もし・・・あの男がこの世界にやってきているのなら・・・私はこの世界を守りたい。
茜や照みたいな友人や慎司や麗子のような恩人を守るためにも・・・。)」
桜は二人と仲良くなった事でより一層守りたいという気持ちが強くなったのであった。