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ヤンラブっ! ~ヤンデレ美少女達を洗脳して甘やかされながらイチャラブ~  作者: 風地星花
プロローグ~氷見 六花 (ひみ りっか)編
5/5

5話(♡):恋奴隷妻に手玉に取られて生徒会長室に向かう


「旦那さまは現人類から新人類に成長過程で進化したとんでもない逸材ですから……そ、その、ショックなお気持ちはお察しいたしますわ……」


 自分は本当に違う人類になっちゃったんだなぁ、と遠い目をしていると六花に慰められた。

 あぁ、なんだか目の前の同じ種族の六花が無性に愛おしく感じてしまう。元々そこらの芸能人なんかよりよっぽど美人だと思ってたけど、今は急に距離が縮まった感じ。


 もう襲おうかな。


 と思った矢先、とあることを思い浮かぶ。


「あっ、じゃあ新人類に進化した僕って今後イケメンに成長するのかな」

「それは無理ですわね。旦那さまは既に、身体的にはほぼ成長限界を迎えておりますから」


 慈悲のない一言に僕は死んだ。スイーツ(笑)。

 僕をフォローしようとしてくれるのか、六花は早口でまくし立てる。


「で、ですが、旦那さまを愛するイブロス女性は相当数出てくるはずですわ。同じイブロスで、若くて、しかも格上のアブスキル使いというだけで地位と遺伝子に魅せられた愚かなイブロス共が入れ食い状態ですの! 猿ではなくご老人を除けば唯一の人間とお付き合いできるチャンスを逃すほどイブロス女性は愚鈍ではありませんわ」


 このお嬢様口が悪すぎる。僕の比較対象猿かよ。遺伝子上、実際それに近いらしいけどもなんか納得いかない!


「あれ、でも皆、僕に異性として魅力あるようなそぶりなかったけど、それに六花だって」

「…………人間、顔や身長ではない、大切なのは人種だ。旦那さまが自らの正体を明かせば、そう思うイブロスの女性は相当数いるはずですわ」

「……僕、そんな顔悪い?」

「洗脳前の私に言わせれば極々ふつうですわね。今はこれ以上ない麗しい殿方にしか見えません」


 思わず閉口する。醜いと言われなかっただけまだましか。

 しかし、と目を閉じる。


 目に浮かぶのは学園の美少女達、桃寧先輩、それに凛先輩。みんな、唯一のイブロス男性の僕を求めてくる映像を想像すると、先ほどの現人類妄想と違い鼻血が出そうになる。


 あぁ、パラダイス、ここが桃源郷か。もう妄想で死んでもいいや。





「たのしそうですわねー。ぼけなすですわねー」





 現実に戻ると目からハイライトを失った未来の妻があらわれた!

 僕は急いで新品のカーペットの上で土下座した。


 僕の上から冷気が降りかかる。おそるおそる顔を上げる。

 目が合う。


 六花は少し顔を赤らめた。


「ゆ、許しませんわ、もっと行動で示してくださいませ。具体的には熱いファーストキスを要望します」

「いやです」

「あ”?」


 僕は再び土下座した。ちらりと顔を上げる。

 むう、と、不満げな顔の口元は少し緩み、あたかも仕方ないなぁという雰囲気を出しながら両手を後ろに回し割と大きい胸を突き出す。


「では、私の胸に埋めてくださいま……きゃふ♪」


 それは行く。やわらけぇ。


「ああもう可愛すぎますわ♪ よしよし♪」


 真の桃源郷はここにあり、おっぱい万歳。ビバおっぱい。もっと頭を撫でてくれ。


 二つの桃……というには少し大きすぎるおっぱいに意識を全て傾けかけて。


「だだだだだ駄目だダメだ!」


 僕は万感の思いで六花から離れた。

 万感というかほぼ六花のおっぱいという名の下心しかなかった。

 一応凛先輩の少し古風な話し方とか、凛先輩のいかにも日本刀が似合いそうな全身とか、六花より大きそうなおっぱいとか、細いモデルのような六花よりむちむちしてそうな凛先輩の太ももとかが頭をよぎったのは事実だ。

あ、そっちも下心だったわ。


「六花、もうそろそろ凛先輩のとこ行かないと時間がなくなっちゃうよ!」

「ぇ……旦那さま、もっと二人でお話しましょう?」


 うるふると上目遣いで見てくる六花。

 六花は両腕を僕に差し出し真の桃源郷へと誘ってくる。


 現実を知ってるおっぱい(六花)と想像上の柔らかそうなおっぱい(凛先輩)が僕の身体を支配する。


「うぎぎぎぎぎぎぎ。ぼ、僕は凛先輩が好きなの!僕に協力してくれるんじゃなかったの?!」

「チッ」


 今更気付いたけどこの娘腹黒いわ。


「ですが、旦那さま。チュートリアルはまだもう一つだけ残っていますわ」

「チュートリアルってなんだ。チュートリアルって」

「旦那さま」


 ずずいと六花は僕の顔に寄せてくる。そこには最初浮かんでいた濃いピンクのハートマークが消えていた。



「旦那さま。旦那さまのいやらしい洗脳術で旦那さま色に染め上げられてしまった、哀れな恋奴隷妻の洗脳効果が消えていましてよ」


「?!!」


 血の気が引いた。

 いくら僕が唯一のイブロス男性だからっておっぱい魔人と化している現状を素の六花が認識したら、政府に突き出される。




 今まで僕をだましていたのか。



 いつから?



 今までのやり取りは時間を稼ぐため?




 いや、僕の人生が終わるのはいい。

 でも目の前の女性に嫌われて終わるのは嫌だ。もう会えなくなるのは嫌だ。

 

 

「…と揶揄うのはこれぐらいにして。あぁ可愛い♪よしよし」


 か、かなり焦った。ひゅーひゅーと喉から声が出る。


「旦那さま。今、私以外の女の事を考えていたら、もう少し苛めて差し上げているところでしたわよ。えらいえらい♪」


 僕はこの女性に一生逆らえないのではないだろうか。

 そんな事を考えていると、六花は首をこてんと可愛らしく倒した。 


「ですが、発情効果は消えてしまっているようですわね。一部の効果は時限式で効果を失ってしまうのでしょうか?」


 むむ。僕も自分のスキルの事を全て知っているわけではない。だからこそアブスキル使いの六花だけにこの秘密を打ち明けたのだ。アブスキル使いというだけではなく、人としても、僕の中で一番信頼しているのは間違いなく六花だったから。


「むふー♪それではまた六花でお試しくださいませ♪」

「あの、さっきから思ってるんだけど、もしかして六花って僕の心読める?」

「ええ旦那さま。どうやらスキルで繋がった私達はある程度読めるようになるみたいですわ。まぁ、スキルなどなくとも、旦那さま、分かりやすいんですもの♪」


 あの僕、六花の心読めないんですけども。


「私が何年自分のスキルを磨き上げてきたと?経験が違いますわ経験が」


 ちっちっちっ、とゆびをふる六花さん。残念ながら僕は天才系チート使いではないらしい。どうやっても六花の心が分からない。スキルで繋がるってどうやって繋ぐん?くっ、悔しい。


 謎に僕より洗脳スキルを使いこなしている六花さんに尊敬の気持ちを持った。


「ふふふ♪それでは発情効果を呼び覚ましてみましょう。最初は私の胸に埋めて、私に意識をしゅうちゅ……きゃ♪」


 ああ、この感触最高だ。未だに心臓がどくんどくん言っているので落ち着くまで撫でてもらおう。


「……ふふふ♪」


 数十秒お互い無言で癒してもらい、僕はおっぱいの中で集中を始める。

 でも六花の様子は変わらないみたいだ。


 僕は上目遣いで六花を見上げて目線を合わせる。

 発情しろ~発情しろ~発情しろ~、と強く念を送る。何か、不思議な力が僕の身体から一筋の光線上となって六花の瞳を貫いた、気がする。


 びくんっと六花の身体が跳ねた。


「あうぅぅん♡ああっっ♡♡!」


 六花の目にハートマークが浮かび上がる。

 なんとなく感覚で体感して分かった。コレを維持する方法、消す方法、また発動する方法。強く、弱く……。応用動作も何となく分かってきた。


 苛めてくれたお礼に、試しに思い切り強めた。


「だ、だんなしゃまぁあぁ♡♡♡!!!お゛♡♡!お゛お゛お゛ぉぉ♡♡♡」


 出力を弱めて維持し続ける。


「はーーっ♡♡♡はーー♡♡♡。す、すてきですわぁ♡♡♡」


 息も絶え絶えといった様子からあっという間に復活する辺りは流石イブロスの身体能力だ。


「殿方で興奮できる日がくるなんて。旦那さまにはもう絶対逆らえませんわ♡」


 いやー、この娘絶対逆らうだろうなぁ、という未来が透けて見えるようだった。


「その時はまた六花を苛めて、躾けてくださいませ♡♡」


 ああ、このまま六花を苛めたい。可愛い。

 僕が支配欲、独占欲に駆られ、はっ、と六花を離し後ずさる。


「旦那さま♡♡どうか、どうかお情けを♡」


 六花が淫欲に駆られた視線で両腕を僕に投げ出す。

 同い年とは思えない程包容力と淫靡力に満ちたそのオーラにごくりと喉を鳴らした。


 駄目だ駄目だ駄目だ。


 僕は半ば逃げるように新品の青のカーペットから後ずさって出た。




 うん、新品の青のカーペット?




 来月から取り壊される旧校舎の視聴覚室で?


 新品?そもそも視聴覚室にカーペットなんて普通あるか?しかもこの場所だけに?


 たらりと僕の顔に汗が流れた。

 これは僕の仕業じゃない。だとしたら犯人は一人だけ。いつの間に六花はカーペットを用意したんだ。


 それにいつの間にか上履きが脱げていたのにも気付いた。僕が下を向いていると、細い、魅惑的な白オーバーニーソが近づいてくる。こちらもいつの間にか一年生の証、緑の上履きを脱いでいた。

 上から優しい声が響く。


「……だから申し上げておりますわ。氷見六花は皆杓大八様を……旦那さまを最初からお慕い申しておりますと」


 僕はここでようやく気付いた。六花は誘われ系マゾなんだと。今までのは全部誘い待ち。

 六花は最初から僕に襲わせる気だったんだ。洗脳なんかしなくても、最初から。

 六花は僕の両頬を優しく掴む。


 そして、僕の唇にほど近い場所に接吻をした。


「それではこれまでの経験を活かして、生徒会長室に向かいましょう♡旦那さま♡」


 僕は一本も二本も取られた気分になりながら、僕らは生徒会長、二年生の神代こうじろ りん先輩の元へ赴くのだった。


「あ、ちなみに視聴覚室の様子は全部凛先輩に見られていると思いますわ♡他のカメラは全て壊して生徒会長室への監視カメラだけ起動しておきましたから♡♡♡」

「なにやってんのーーーー??!!!」



(プロローグ完)

プロローグをご覧いただきありがとうございました。

しばらく書き溜めます。

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