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ヤンラブっ! ~ヤンデレ美少女達を洗脳して甘やかされながらイチャラブ~  作者: 風地星花
プロローグ~氷見 六花 (ひみ りっか)編
2/5

2話:元気っ娘アイドル書紀委員長を洗脳したらママになって『母性』を感じる

初ブックマーク登録ありがとうございます。

「ここは来月から取り壊されることが決まっていて、誰も来ない。ここにいるのは六花と俺の二人だけだ」

「いや知ってるけど」


 放課後。こそこそと僕は先に校舎を出て旧校舎の2階、人気のない視聴覚室に入り込んだ。

 5分ほど待つと、堂々と学園のアイドル、氷見六花が姿を現した。ルックスだけならめちゃくちゃ可愛いなぁ畜生。細身なのに出るとこははっきり出てて、でも不思議といやらしさを感じない。健康的な美だ。あんまり外に出る方じゃないらしいからか日焼けも全然していない。


「ここで俺がお前に何をしようとだーれも気づかない。だから」


 ぺろりと唇を舐め悪役フェイスを決める。かっこいい僕!

 六花はぺこりと腰から曲げて。


「すみませんあなたとお付き合いできません」

「二回目なんだが?!」


 かなり傷つくんだぞそれ!

 六花は、はぁ、と溜息をつくと、近くのイスに背を反対にして、抱きかかえるようにして座った。


 ちょ、そんな座り方するとスカートの中見えちゃうぞ?!この学園の黒色スカートは結構ミニなのだ。太もも丸出しになるので、真夏以外靴下は白のオーバーニーソを皆履いている。最高かよ。

 なおオーバーニーソを履いても絶対領域はしっかりと確保されていて、六花が足を抱きかかえるようにして座っているイスに殺意を覚える。そこどけ。僕がだいしゅきホールドされる。


 しかし僕の期待とは裏腹に、見えない。芸術的にあともう少しで見えない。

 六花の大き目な下乳はイスに潰されてむにょんってなってる。えっっろ。


 六花はそんな僕の、下心100%の視線を、どこか愉快そうな笑みを浮かべて、こう切り出した。

 

「もう……お遊びはいいっしょ、本題はなにさ。桃寧ももね先輩にも聞かせられない話って?」


 ちなみに桃寧先輩とは、何故か僕にかなり好意を持ってくれている紫がかったロングの黒髪を少しカールさせた垂れ目で泣きほくろがある巨乳2年生の先輩だ。生徒会の副会長をしている。巨乳だ。で、六花は生徒会の書記で次期生徒会長候補って言われている。


「そ、そうだな。その前に、えっと俺、一応探したんだけどここに盗聴器とか監視カメラとか仕掛けられてないよな?」

「そこまで重要なお話……ってこと?」


 六花はきらりと目を輝かせる。イスから立ってぴょんぴょん跳ねだした。

 六花の六花がぴょんぴょんしてる。ぴょんぴょんっていうかバルンバルンしてる。


「ちょっとちょっとかなり面白そー!じゃあ特別にスキルつかっちゃおうかなー!」


 六花はそう言うと目をつぶってぼそっ、と何かをつぶやいた。

 うん、と頷くと。


「だいじょーぶ、だいじょぶ!」

「本当か?信じていいか?」

「だいじょーぶだって!」


 心なしか幼くなったような目の前のアイドルに不安を覚える。


「……誰かに見られたら政府に捕まって二度と出られないかもしれない」


 僕は泣きそうな顔で六花を見つめた。

 割と本気なのだ。割とっていうか本当の本当に本気だ。

 事と次第によっては二度と六花達に会えなくなるかもしれない。


 六花は、はっ、としたような顔で今度は真剣に僕を見る。


「本気。なんだね?」

「うん」

「私にしか話せないってことだよね。私だから、なんだよね?」

「うん」

「~~~~~っ……!!はふぅ……♡。わかった。じゃあ本気でスキル使う」


 さっきの本気じゃねーのかよ。というツッコミはさておき赤面していた六花は真剣な表情でスキルを展開する。


「『看破』」


 六花の周囲に青色の波動が渦のように出現し、彼女を取り囲む。波動が視聴覚室を、その外まで支配した。

 数十秒後。ゆっくりと波動が透明になり、元の景色に戻っていく。


 彼女の大きな瞳が開いた。


「大丈夫。だから安心して貴方の信頼する私に話してほしい……ですの」


 後半何やらぼそっ、と言っていたが良く聞こえなかった。

 六花は本気で心配そうな顔をして僕に近づいてきた。


「ありがとう。実は…。その」

「うん」


 言いづらそうにもごもごする僕をじっと見て僕が決心するまで何も言わないでいてくれる。

 普段の元気っ娘六花の意外な気遣いの一面にまたどきっとしながらも、僕は誰にも言えなかった秘密を語りだした。


「実は、昨日な」

「うん」

「俺、スキル持ちになったみたいなんだ」

「うん……えええええええええ!?」


 六花がうそぉ?!みたいなリアクションを大げさにとった。

 六花はたまーに自然じゃないというか、演技みたいな感じを出すことがあるのだが、今回の反応はそんな感じだった。


「な、なんのスキル?」

「それは……」


 ちなみに男のスキル持ちは歴史上4人しかいない。僕は5人目となる。4人ともスキル自体は微小でなんの変哲もないスキルだが、みなイケメンで、背が高くて、知性に溢れている。らしい。実際に会ったことはない。



 そんなことはどうでもいい。

 僕はこの瞬間をずっと待っていた。誰もいないこの部屋で、とびっきりの美少女と二人きりになる瞬間を。


 僕は六花を見つめると、彼女の肩に両手を乗せる。


「ちょ、ちょっと、スキル持ちになったからって調子乗らないでよね!男のスキル持ちに運動補正がないって分かってるんだがら!」

「……ああ、そうだな。俺は力がない。お前に喧嘩で一生勝てそうもない」


 顔を真っ赤にして、わたわたする六花を尻目に僕は胸を凝視していた。

 僕の視線に気づいたのか、六花は僕の手を払いのけ、1歩後ずさる。

 そして勢いに任せて、六花はあからさまな敵意を僕に向け、不自然なほど元気に僕を煽った。


「もう、き、気づいてるんだから!結構な頻度で私のおっぱい見てるの!言っとくけどあなたと付き合うの本気で無理だから!もっとイケメンで最低でも身長168㎝はあって性格よくて運動神経あって優しい人じゃないと無理だから!かいちゃんの二回りぐらい上位互換じゃないと無理!!」

「oh……」


 そう言い放つと六花は、視聴覚室の中央辺り。埃がちらほらあるなかで、唯一綺麗になっている青のカーペットのところまで、後ずさった。

 僕は沸々と胸の奥から湧き出る感情に支配されつつあった。


 今日一日で何回振られるんだよ。


 ああ、そうかい。



 そうかよ。



 僕はよろよろと六花に近づく。

 六花はキッ、と僕を睨む。


「逃げなかったのがお前の負けだ」

「は、はぁ何言って、私が本気を出せばあなたなんて!」

「そうだな、でもこれからはそうじゃない」


 僕はそう言うと勢いよく、六花の胸に顔を埋めた。

 柔らかい感触、女の子のいい香りが僕を包む。


「なななななななななにをしてっ!? このボケなすっ?!……っ?!!」


 六花が僕の頭をぶん殴ろうと腕をふり上げたようだ。

 でも遅い。


 僕のアブスキル、それは。


「『母性』」


 六花の胸に埋め、呟く。

 六花みたいに波動なんて出てないと思う。愛みたいに光の粒子なんて、多分出てない。

 でも六花はびくん、と身体がはねた。


「?!……あっ!!……くぅぅぅううう……」


 そして六花が振り上げた拳は優しく僕の頭を撫であげた。




「なに……これ……。ああ。あああぁぁぁ……」


 六花は一心不乱に僕の頭を優しく撫でる。

 僕は上目遣いで六花を見上げる。彼女と目線が合う。慈愛に満ちた表情が彼女を支配した。


「かわいいぃぃ♡♡……かいちゃん♡」


 六花はゆっくりと腰を落ち着け、綺麗な青のカーペットの上に座った。六花は愛おし気に僕に体重を預けさせると、六花は足を開き、太ももの間に僕の両足を入れさせ、身体全体を密着させる。


「これが、かいちゃんのスキル……。ううん、アブスキル、アブスキルの中でもこれは……」


 冷静に分析しているようで、六花が優しく僕を撫でる仕草は一向に終わる気配がない。


「そう。俺のスキルは洗脳。人を支配する力だ」


 僕は少し緊張しながら言った。僕は自身の能力が発現した瞬間におおよそ、その能力を自覚し、把握した。でも実際に使ってみないと、このアブスキルがどこまで通用するか、何となく分かっても実践では分からない。


 だから六花で試した。

 世界で10人もいないアブスキル持ち。

 世界で注目されている超有名人、超美少女。


 この学園は治外法権だ。そういった世界からの目を、せめて未成年の間は避けるように、そんな優しい願いもあって設立、運営されている。

 残念ながらそんな優しさを今現在僕がめちゃくちゃにしている訳だが。


「うん♪ばっちり効いているよ。びっくりしちゃった。同じアブスキル持ちの私を完全に虜にするなんて」


 どこかうっとりとした表情で僕を見つめる六花。

 彼女の全身から、僕を慈しむ愛情があふれ出ている。


「でも普通に会話できてる気がするんだけど」


 そう。自覚したスキルが教えてくれた威力はこんなものではないはずだ。

 このスキルを使うと相手は気が狂うほど僕を慈しんでしまう。まともな会話などできるわけがない。


「うんうん。それはスキル持ち同士は相手のスキルに自動レジスト(抵抗)しちゃうし。そのまま効いてたら私死んでたね。間違いなく」


 六花はトゲというトゲがなくなったかのように、僕に対して微笑み言葉を続ける。


「確かにこれはそこらのスキル使いに使っちゃだめだね。多分、使ったらその人かいちゃんを好きになりすぎて死んじゃうと思うよ?だから無暗に使っちゃ、めっ、だね♪」


 無暗矢鱈に使って、一般人を狂い死にさせてもあっさり許してくれそうな雰囲気でよしよしされる。


「で、かいちゃんはママに何をお願いしたいのかな?」


 六花の母性が限界突破したのか、同級生の学園のアイドルが僕のママになった瞬間だった。

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