とりま転生
目を開けるとーー知らない天ーー天!!!!!!!!!!!
目の前に広がるのは青い、青い空
「はえ〜。これは定番の森の中スタートか」
異世界転生の始まりは知らない天井か森の中と相場が決まっているのだ←ここ、テスト出ますからね。
とりあえず寝転がりながらテンプレを試してみる。
「ステータス、オーーーーーーーープン!!!!!!」
…………
音沙汰ないーーどうやら留守のようだ。
他に何かあったかな?もう俺の知ってるテンプレなんて魔力グルグルとかしかないぞ?
そんなことを考えていると急に視界に影が入る。
「晴樹様。
そろそろ儀式の時間です。車の準備は出来ていますので、すぐに準備を」
見上げた先にはメイドさんだった。
よく周りを見てみると、ヤ◯ザが住んでそうな和風の豪邸やイギリスにあるような巨大な噴水。にも関わらず カポーン と音が聞こえてくる始末。
異様な世界観。
だがここは日本と言っていたし和風の物が多く感じられる。そのためメイドはこの空間だと少し浮いている気がする。あ!パンツ見えそう。
むくりと勃きあがり現状を確認する。
晴樹様と呼ばれたあたり、名前は前世と同じらしい(苗字は知らんが)。また、俺は結構お偉いさんなのかもしれないーーラッキー。
だがここで大きな問題が発生している。それは、俺は今までの記憶がないことにある。
先のメイドの発言からして、俺は今まで前世の記憶がない状態の晴樹として暮らしていたわけだが、その記憶が一切ない。
そのためこの世界がどんな世界観かも分からないし、俺が今までと大きく変わり不信感を覚えられる可能性がある。
ここは一旦演技をしておくか……
「分かった、すぐに準備をする。」(イケボ)
どうだ!!なんか偉い人っぽいだろ!!
「ど、どうしたんですか?
いつもなら『うっひょー、これで強力なスキルを貰ってモテモテになってイケメンを抹殺してやるー』とおっしゃるのに」
どうやら今世の俺はやっぱり俺だったようだ。
「緊張してんだよ。
あんまりにも緊張しすぎて自分の部屋忘れたから案内してくれ。」
ハー と溜息をつかれ
「そんなことだから落ちこぼれと言われるんですよ」
先導して歩き出すメイド。
「なにそれ、めっちゃ不穏なこと残していくやん」
部屋にある鏡で自分の姿を確認してみるとーー
「あらやだ!イケメンじゃないの」
髪色は漆黒の黒であり(厨二)、その顔立ちは「◯◯君って地味だけどよく見ると結構カッコよくない?」と言われる程のかっこよさである。
「こりゃー人生勝ち申したな」
我が人生に一片の悔いも残らない順風満帆な人生を確信し、家を出る。
儀式に向かいながら「緊張しすぎて全部忘れた」のゴリ押しチンパンで話を聞く。
俺は来週から魔法学校に通うらしく、そのために今日は神にお祈りをしてスキルを授かる。
その後に、今の科学技術の結晶により作られた装置で俺の能力をA〜Fで測るらしい。Aの上はSがあるらしいが稀で知る必要もないらしい。毎回思うが何故Aの上はSなのだろうか?
和洋ごっちゃと思っていたが、科学と魔法が混じってるあたり、どうやら世界観すらも入り乱っているらしい。
スキルの説明もしてくれた。
スキルとは科学や魔法とは異なる力であり、その能力は多種多様だが歴史が長いため、過去に発見されたスキルになるのが普通だそうだ。
そしてスキルの大きな特徴の一つとしてデメリットが存在する。世界を沈めるほどの力があるが制御が難しく監禁されている者や、テレポートができるが足が不自由になり歩けない者など。パッと聞いた感じ代償のような感じがするな。
そしてスキルにもランク分けがされており、基本的にはデメリットが少なく強力であるほどランクが高いようだ。
なるほどと聞いていると
「到着しました」
お祈りを捧げると聞いた時、「やっぱり教会あんじゃん」と思っていたがーー
「神社かよ……」
まぁ……いいんだけどね……
「だって」
神社の隣にはその二倍ほどの大きさのゴッツイ機械があった
「シュールかよ」
なんかもう早く慣れた方がいいやつだなこれ。
「当主様がお待ちです」
車から降りると目の前に大柄の強面おじさんが突っ立っていた。
「遅い!!これだから出来損ないは!!さっさと来い!!」
なんだこいつ……
いきなり出てきたかと思えばこの俺になんたる態度!!
ここで少し上下関係を分からせておく必要があるな。
「しゅみましぇ〜ん」
俺は長い物には巻かれるタイプなんだ。
案内された場所は賽銭箱の前であった。ここに来るたび、何回礼をすればいいか忘れるんだよな……とりあえず3回でいいかな?
「お賽銭箱の前で鈴を鳴らしたらスキルを授かります」
なるほど、これがリアル神頼みか。
なんとなく、財布を持っていたため五円玉を入れ、願い事を言っておく。
「リア充が死にますように。リア充が死にますように。リア充が死にますように。リア充が死にますように。リア充が死にますように。リア充が死にますように。リア充が死にますように。リア充が死にますように。リア充が死にますように。」
すると俺の周りがキラキラと輝き始める。
「ふん。シングルか。いくら出来損ないでもスキルなしではなかったか」
なんか色々フラグ立ててきたんですけど。
絶対そのタイプ最強だってお母さんが言ってたよ?
「次はあちらの『デウス・エクス・マキナ』にお入り下さい」
なんか言葉多くね?用語集作ってくれないと俺覚えらんないよ?
とりあえずカプセルの様なものの中に入る。
すると中から『……………チェック完了。結果ーーぷっ。クソ雑魚じゃん。よくそんなので生きてこられたね?普通の人間だったら恥ずかしすぎて生きていけないよ?』
とどこかで聞いた声がする。
この疑問系の多さと煽り文。絶対これ作ったのあいつだろ。
カプセルから出ると印刷音と共に一枚の紙が飛び出る。
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スキル
「リアジュウキラー」
「???」
「譁�ュ怜喧縺代ヱ繧ソ繝シ繝ウ」
能力
「力」 E
「魔法」 E
「知能」 F (不変)
「運」 F(不変)
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うわ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
まさしくラノベ主人公といった感じだ。これは成り上がりタイプか?だが知能がFなのはどういうことだ?
すると、俺の結果を横からぶん奪る強面じじい
「『リアジュウキラー』?これはユニークスキルか」
ユニークスキルとは既存のスキルではなく本人のみが所有しているスキルのことである。
それにしてもシングルと言っていたし他のスキルに反応していない。見えてないのか?
するとクソジジイは顔は沸騰したかのように真っ赤になる。
好きな人でもいたのかな?
「なんだこの能力の低さは!!やはり落ちこぼれだったか!!」
なんかこいつわざとフラグ立ててるんじゃない?絶対後でざまぁされちゃうじゃん。
「ですがスキルが強力かもしれません。まだ一考の余地があります」
「ふむ、そうだな。
おい!!スキルの詳細を見てみろ!」
え?どうやって!?
とりあえず紙を触っていると新しい文字が浮かび始める。
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「リアジュウキラー」
対リアジュウ決戦スキルである。
君が主観的にリアジュウと思えば思うほど、能力が上昇するぞ♡
ただし、知能と運はこれより変化することは出来ず、リアジュウの意味を他者に意識的に教えることができない。
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なるほど。
いずれ全てのリア充を消し炭にする俺にはピッタリのスキルだ。
だが人にリア充の意味を教えられないとはどういうことだ?
「おい!!速くスキルの効果を教えろ!!」
なんでこのジジイはずっと圧力かけるように喋んだよ。
だが俺はこういう怖い人には逆らえないんだ
「……………………………(ぱくぱく)」
あれ?どうして喋ることができないんだ?
「何をしている!?
ああ、スキルのデメリットか……使えんな。
これでは説明書がない機械と同じではないか。やはりこいつはいらんな」
なんか物扱いされてるのもヤバいが、これって俺、追い出されるパターンじゃね?
「最後にお前の実力を試す。結果によってはーーわかってるな?」
あっーーおわたかも