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リアジュウキラー  作者: NEET0Tk
1/3

初手は安定の転生と神様

「リア充爆破しねーかなー」


 俺の名前は五十嵐晴樹。


 どこにでもいる一般陰キャだ。


 趣味としてライト向けの本を嗜んだり、人間強度が下がるため、あ・え・て彼女を作らない。いわゆるエリート陰キャだ。


「彼女ができなかったのは君がバカだからだよ。

 毎度のように『付き合った奴らは毎日盛ってて猿みたい』だの『女の子と話すより男と話す方が楽』とか大声で独り言言ってたら誰も彼女にはなりたがらないよ。

 あと最初に一般って言ってるのに最後はエリートって矛盾してるよね?そんなんだから彼女ができないんだよ?」


「………」


 そんなエリートたる俺は、当たり前だがとっても優しい。

 重い荷物を持ったおばあちゃんがいたら「大変そうだなぁ」と思う慈愛の心を持ち、道端に怪我をした子供がいたら「きっと誰か助けてくれる」とクールに去り、未来のその子が助かることを願う甲斐甲斐しい男である。


「結局言ってることは全部優しいって意味だよね?

 後、なんか悪ぶってるけどおばあちゃんの荷物ちゃんと持ってあげてたし、子供が怪我してたのを見てすぐに走って医療セット持ってきただけだよね?

 優しいと言って悪い子ぶるけど本当は優しいとか、君めんどくさい性格だよね」


「………」


 コホン

 ま、まぁそんな優しい俺でも許せないことがある。

 それがリア充。

 リア充とはリアルが充実している者のことを呼び、主に男女でキャッキャウフフしている奴らのことを呼ぶことが多い。リア充は非リアに対して強い、憧れや嫉妬呼び起こす精神汚染を撒き散らし、非リアの精神を破壊しようとする危険生物である。レッドリストに載る日も遠くないだろう。

 特に陽キャと呼ばれるリア充は特に危険である。

 哺乳類霊長目ヒト科のチンパンジー属であるため、常に己が下半身に従い動いているため、常に周りに俺が「可愛な〜」と思った女の子を侍らせイチャイチャしてる。

 べ、別に羨ましくなんてないんだけどね!!!


「キモッ」


「………」(泣き目)


 やめろ!そのシンプルな悪口は俺に効く!


 長々と隙があったので自分について語ったのだが、今現在、俺はどうやら死んでしまったようだ。心残りとしては友達は確実に悲しんでるだろうし、家族にも孝行できなかったことだな。


「悲壮感漂わせてるけど君の死因、カッコつけてフランベして失敗からのガス引火での爆死。

 非リアのくせに爆発って、いい笑い者になったと思うよ?てか友達いないよね?」


「………」(ガチ泣き)


 ちょっとだけ見え張ったっていいじゃん。

 と…友達とか、か…彼女も欲しかったよぉぉぉぉぉぉ


「ごめん、ごめん。いじめすぎちゃったね。ほら、こっちおいで」


 優しく抱きしめてくれる


 彼女の名前はサテナ。キラキラと光るピンク色の長い髪をなびかせ、汚れを知らぬかのような白い肌とその肌に溶け込むような白いドレスを着飾っている。

 人の心を読んだり、泣いている人を慰めたりと、見ての通り?女神である。

 彼女は俺に強い関心(笑)を抱いたため、転生+特典をつけてくれるそうだ。


「落ち着いた?」

「う゛ん゛」

「それじゃあ、そろそろ、どんな能力がいい?」

「リア充を滅ぼす力が欲しい」(切り替え◎)


 主人公のような熱い心からか体の周りを電気が走る(見えるだけ)


「奴らを駆逐してやるんだ。この世から一匹残らず。リア充になるのは俺一人で十分だ。ぐへへへへへ」

「完全にセリフが悪役だね。分かったよ、リア充を滅ぼす力ね。他には何かあるかい?」

「え?複数選べるの?じゃあ全部」

「それは無理だよ。この特典、スキルって言うんだけど君がある程度本気で思った時しか使えないんだ。

 例えば世界を滅ぼすほどのスキルを持っても世界を滅ぼすなんて本気で思えなければ使えないんだ。そもそも許容範囲(キャパ)的にあと一つくらいだね」


 なーんだ。転生チートでモテモテになって、また何かやっちゃおうと思ってたのに。

 あと一つか…なら


「す、好きな人を…守れる…力が…ゴニョゴニョ」

「彼女すらできたこと無いくせに好きな人守るとか、言ってて恥ずかしくないの?恥ずかしい人生しか送ってないからってこれからも同じ道を歩いていいわけじゃないんだよ?」

「やっぱり最後は女神をこ◯せる力が欲しい」

「そのスキルが使えることに驚きだね…

 私また何かやっちゃいましたか?」


 コテン と首を傾げる


「ッ!!!」

「あ、スキル使えなくなった」


 この(アマ)、自分が可愛いからって、やっていいこととやっても許してくれることがあるんだぞ!


「チョロいな〜」

「うるせい」

「オマケ付けてあげるから許してよ」


 ま、まぁそれなら


「やっぱりチョロ」

「………」(拳に力を込める)


 すると突然俺の体が光り始めた


「そろそろ時間だね」

「………」

「どうしたんだい?」

「お前と話してる時間は本当に楽しかった」

「ふふっ、ありがとう。私もすごく楽しかったよ」

「どうやったらまた会える?あれだろ、教会で祈りを捧げるとか定番だよな!」


 異世界ファンタジーと言ったら教会だしな


「君が行く場所は日本だからなかなか教会は見つからないと思うよ?」


 え?


「お、俺は転生するんじゃないのか?」

「うん。そうだよ。

 だけど君の行く世界は地球のいつの頃からか突然魔物やダンジョンが現れ、人々が魔法が使え、スキルを授かる世界だよ」


 なんだよ、異世界転生して世界観はヨーロッピようなものと思ってたのに


「他にも地球が君の世界より大きかったり、和洋がごっちゃになってたり、世界の半分が魔王に支配されてたり、色々違う場所はあるけど大体一緒だと思うよ?」


 最後なんかヤバイこと言ってなかった?気のせいだな!うん


「それじゃあね〜」


 !?


「もう…会えないのか?」


 彼女は少し悲しそうな顔をしたあと


「しばらくは会えないかな」


 だけど、と彼女は続ける


「絶対にまた会える。その時は…また…お喋りしようね」


 彼女が笑いかける


 自然と俺の頬も緩み


「ああ。次ある時までに話のネタでも考えとけよ」


 幸せそうに


「もちろん」


 彼女は答える


 俺たちの最後なんてこんなのでいいんだ。辛気臭いのは俺たちには似合わない。だから


「じゃーな」


「またね」



 こうして俺の新しい人生の第一歩が始ま…………………


「まだか?」


「あと一分くらいはこのままだよ?」


 しばしの沈黙が流れた









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