おまけ:コリン・ファース主演のBBCドラマ版『高慢と偏見』を見てみました
気がついたらアマプラになんかあった!!ということで早速。
1995年に放送されたドラマで、最終回はイギリスで視聴率40%を記録したとのことです。
55分で全6回完結ですので、わりとさくっと見れる&原作にかなり忠実でよろしい感じ。
ただ、ペムバリーでエリザベスと再会する直前、ダーシーが池で泳いでびしょびしょになってるという謎展開が付け加えられており、なんぞ??となりましたが、細かい説明は、Wikipediaにありますのでご参照ください…
ロケ地なども主だったところは解説されています。
ダーシーを演じるコリン・ファースはかんなり好きな俳優で、『キングスマン』もめちゃくちゃ良かったし、『英国王のスピーチ』も良かったですが、個人的な一番は『裏切りのサーカス』。
『キングスマン』『英国王のスピーチ』は、繊細な、どっちかというと翳のある役ですが、『裏切りのサーカス』はふてぶてしいところがある陽キャのスパイ。
マーク・ストロングが学生時代からずうっとコリン・ファースに惹きつけられて、陰に陽に尽くし続けているゲイの同僚を演じているのですが、わかる!めっちゃわかる!このコリン・ファースマジ魔性だよね!ってなります。
つきあうわけではないので、ゲイ映画というわけでもなく、ブロマンスというには一方的に食い物にしている感もある関係ですが、そういうのがお好きな方は見るとよいのです…カンバーバッチも出てるよ!
ちなみにラブコメ見ない勢ですので、『ブリジット・ジョーンズの日記』は見ていません…
エリザベスを演じるジェニファー・イーリーは初見の女優さんで、初登場時、え??エリザベスがアラサーやんこれ!?となり、確認したらやっぱり撮影当時20代後半だった模様…
そんなこともあって、第一回目は、「思うてたんとなんか違う…」ってなりましたが、2回目あたりから、エリザベス節が炸裂しはじめ、これは確かに魅力的やし、ダーシーはまっちゃうよね!!とどんどこ盛り上がって行きました。
というわけで、ドラマ版を見て気がついたことをあれこれ……
・ダーシーが出てきた瞬間、「こいつ、要は拗らせたDTやんけ!」と秒で悟った。
むしろ原作読んだときになぜ気づかなかったの私…
・ベネット家があるメリトンの町が、舗装されてなくてビビる。
馬車が行き交うので太めの通りではあるんですが、
マジでど田舎やんけ…
※後で出てくるロンドンや、ダーシーの本邸の近くの村とかは普通に舗装されてました
・ウィカム登場…イケメンとは…??
ま、19世紀初頭はこういうのが流行ってたんでしょう。
陸軍のマント、他の人も妙にずらしてつけてたですが当時の粋な着崩し方だったんでしょうか。
・ジェーン役の女優さんが、ギリシャ彫刻顔なんだけれど、あーこういう顔が流行ってたんやろなあと謎に納得。
なぜなら、シュミーズドレス/エンパイアドレスと合わせると、この時代のファッションって、ギリシャ回帰なんですねって感じだから。
髪も高いところに小さく結って、細い三つ編みを巻きつけて飾ったりしていて、特に白いドレスだと完全にギリシャっぽいです。
あと、原作だとジェーンはお花畑っぽい描写されるところが目立ちましたが、ドラマ版ではむしろしっかりしたお姉さん。
優しいし、ジェーンみたいなお姉さんいたらええよね…となりました。
・だけどこの時代のドレス、異様に着こなしがむずくないですか??
シュミーズドレス、胸下で切り替えた、そこまで広がらないAラインのマキシ丈ワンピースという感じなんですが、下にペチコート着てるせいもあって、ウエストがめちゃくちゃぼわっとして見える…
ある程度重みがあって落ち感がある生地ならまだいいですが(ビングリー姉妹はわりとそういう感じのを着ています。おそらく厚めの絹地っぽい)、ベネット家の姉妹は白または淡い色の薄手のコットンが中心で、めちゃくちゃぼわぼわ…
ジャケットを上に着る場合もあるんですが、同じく胸下までのめちゃくちゃクロップドな謎なジャケットなので、バランスのとりようがないです。
この時代の後、結局、コルセットでウエスト絞ってスカートをクリノリンでふくらませるスタイルになっていくんですが、わかるわ…わかるわ…となりました。
・というわけで、女子のおされ心は被り物に向かっていた模様
ボンネットとか、ヘッドドレスとかですね。
下のキティとリディアは、やたら帽子を欲しがったり、手持ちの帽子を改造したり。
ビングリー妹とかは、やたら派手なヘッドドレスをとっかえひっかえしてました。
・絵で見ると、格差がやっぱりすごい。
ダーシーの馬車って、デカいんですよ。
4頭立てで、御者2名+お世話係が後ろに乗ってる。
一方、ベネット家の馬車はちっちゃいし御者は1名デス……
『深読みジェイン・オースティン』という本で、ダーシーの年収1万ポンドという額は、当時のイギリスで、トップ300-400位くらいに相当という解説があったのですが(p.171)戦闘力全然違うよね…となりました。
・顔周りのカールをつけるためのコテとか、巻きつけて寝るためのちっちゃいカーラーとかも地味に登場
この時代、前髪とかこめかみあたりの髪をめちゃくちゃ細かくカールさせた髪型がデフォルトだったようです。
ナポレオンの皇后ジョゼフィーヌの肖像画とかご覧になるとだいたいそんな感じです。
夜、ジェーンとエリザベスが寝間着トークする時も、後ろの髪はおろして梳かしていても、顔周りはくるっくる。
どゆこと…?と思っていたら、終盤で、早朝にビングリーがやってくる場面で、メイドがエリザベスの髪をくるっくるにすべく、コテを持っている場面がありました。
コテはハサミのような形で、結構大きかったので、自分でやるのは無理ちゃうか思います。
そんで、寝起き姿のベネット夫人は薄紙を巻いたものに髪を巻きつけてたり。
なるほろ…なるほろ…となりました。
・ミス・ビングリーの毒舌
ダーシーを狙っているビングリーの妹、ダーシーに迎合しようとちょいちょいベネット姉妹をディスってくるのですが、ふと既視感が。
……言うてること、『分別と多感』のエリナーの独白と変わらんやんけ!!
エリナーは口に出してはいわんからまあ令嬢としての面目は保ってるけど、口に出したらあかんよね!!
ラストシーン、ジェーン&ビングリー、エリザベス&ダーシーの結婚式では、無の表情で出席していたミス・ビングリーでしたが、もうちょい物を考えて言うようにして、強く生きていってほしいと思います……
いずれにしても、各キャスト、再現度めちゃくちゃ高くて良かったです。
ダーシー渾身のプロポーズvs.ガチ切れエリザベスもよかったですし、ペムバリーに招待されたエリザベスが、モーツァルトの「恋とはどんなものかしら」をピアノで弾き語り的なことをする場面の後、宏壮な館をうろうろしながら悩んでるダーシーの場面で、同じ曲の別バージョンが流れるところとか、もだもだ感がよろしかったです。
アマプラ民の方はお早めに、そうでない方は配信されるのを楽しみにお待ち下さい!