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はじめに:まずは『高慢と偏見』の基本情報

ただの感想文なのに、長くなったので分割投稿…

今夜中に完結の予定です><

 琥珀と申します。

 日夜、婚約破棄からのあれやこれやなお話を拝見したり、ピンク髪の名ばかり男爵令嬢が悪役令嬢志願のお姉様方とわちゃわちゃするはずが帝国の闇に引きずり込まれてえらいことになってしまう話を連載したりしております。


 ところで異世界恋愛、ヨーロッパ中世〜近世あたりをなんとなーく彷彿とさせる世界を舞台にしていることが圧倒的に多いですよね。

 たまに中華が入るくらい?

 イスラム教圏風とか、インド宮廷風とかハードルが高すぎるからしゃーないにしても、そういや和風もほとんど見たことないなとか色々ありますが、圧倒的に魔法があったりなかったりする18世紀〜19世紀にかけてくらいのヨーロッパ風の世界です。


 なんでそうなっているのかは色々諸々事情があるとは思いますが、そういえば昔、ジェイン・オースティンの『高慢と偏見』読んで、結構おもろかった気がするなぁ、あれ確か19世紀のイギリスの話やし、何度も映像化されてるから、異世界恋愛物の遠い遠いご先祖にあたるかもしれん…と思い出し、再読してみましたら、結構びっくりすることが多かったのでレポートでございます。

 例によって、ド素人ですので、作品の内容や当時の社会について、誤解している点も諸々あったりするかと思います。

 お気づきの点など、感想欄に頂戴できると幸いです。



■まずは『高慢と偏見』の基本情報


 作者はジェイン・オースティン(1775-1817)。

 『高慢と偏見』は1813年に発表された長編小説で、サマセット・モームの『世界の十大小説』(1954)に選ばれる、夏目漱石も激賞!と高く評価されています。

 原題はPride and Prejudice。

 『自負と偏見』『自尊と偏見』とも訳されてますが、巧く対になってる感じに日本語でタイトルがつけられないのがぐぬぬ…

 映画化はなんと6回も行われており、コリン・ファース主演のBBCのドラマも有名。

 おまけで『高慢と偏見とゾンビ』(2016)という奇天烈映画もあります。


『高慢と偏見とゾンビ』予告編

https://www.youtube.com/watch?v=2Hia1y1wmd0

※ナレーションで18世紀っつうてるけど、配給がなんか勘違いしてるのかも?

 衣装も19世紀頭のシュミーズ・ドレスだし…


 他に『分別と多感』(1811)、『エマ』(1814)などなど。

 『分別と多感』、未読だけどどんな話だっけ…と調べたら、みんな大好き婚約破棄とか出てくるやんけ!と、とりあえずちくま文庫版買ってきました。

 他にも積ん読がありますのでいつになるやらですが、後日、またレポらせていただくかもです。


 オースティンはイギリスの田舎、ハンプシャーの中産階級の出身。

 父親は牧師です。

 5男2女の末っ子で、兄が詩を発表していたり、当時としては充実した教育を受けたこともあって少女時代から小説を書き始めました。

 恋をしたり、別の男性からプロポーズされてお断りしたりしたこともあったそうですが、結局生涯未婚。

 長編作品は、すべてイギリスの田舎地主かそれに類する家の娘をヒロインに、結婚をめぐって右往左往するというものです。



 ちなみに19世紀イギリスの女流作家と言うと、ブロンテ姉妹もおりますが、同時代だっけ?と確認したら、ブロンテ姉妹の方が1世代以上後という感じでした。


 エミリー・ブロンテ(1818-1848):『嵐が丘』(1847)

 シャーロット・ブロンテ(1816-1855):『ジェーン・エア』(1847)


 『嵐が丘』や『ジェーン・エア』を読んだのも大昔なので相当うろ覚えなんですが、なんだかんだで「誰と結婚するのか」が主題である『高慢と偏見』と比べると、ブロンテ姉妹の作品はもっと恋愛寄りな気がします。

 『嵐が丘』は恋愛も超えちゃってる世界に入っとる気もしますが。

 雑にこの3作品で比べると、『高慢と偏見』は「恋愛小説」というより「結婚小説」と言うべき作品やね…と思います。

 日本の「結婚小説」といえば谷崎潤一郎『細雪』ですが、『細雪』も何度も映画化されておりますし、なんだかんだで「結婚」というテーマはコンテンツとして引きが強いのかもしれません。

 私ら異世界恋愛民も、日夜婚約破棄がどうとかいう話を読んだり書いたりしておりますですしね……


 それにしても、オースティンが41歳で病没(結核菌感染からの腎臓やられ?)、シャーロット・ブロンテが38歳(妊娠中毒症)、エミリー・ブロンテ30歳(結核)って、人生短すぎるだろ19世紀!と恐怖です。

 ブロンテ姉妹の兄弟姉妹なんて、姉2人は結核で11歳と10歳で死亡、シャーロットの弟のブランウェルは31歳(酒と麻薬)、三姉妹の末っ子アンは29歳(結核)とかめちゃくちゃです。

 うっかり頓死して異世界転生したら、まずは抗生物質をどうにかするしか……



 って、本題に戻らねば!

 次節から、内容の詳細をご紹介です。


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― 新着の感想 ―
[良い点] わー!! ジェイン・オースティン、大好きです!! ゼミは「Persuasion(邦題:説得)」でした!! [気になる点] コリン・ファースのダーシー。 BBCでドラマ放映時は、街から女子が…
[一言] >『高慢と偏見とゾンビ』 こんなのあったのね。笑ってしまいました。どうも興行的・収益的には失敗作みたいですね。 英米合作映画みたいだけど、向こうの人たち、ゾンビ好きだよね。なんでだろ? あと…
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