私の1ページ_13
ベンチに座り、お堀を埋め尽くすような桜の花びらを眺める。
なにかと新しい物事が始まりがちなこの季節に、同期カップルの結婚報告があった。グループへの一斉送信だったため、お祝いの返信は他の人達に任せることにして、そのまま画面を閉じた。
彼に対して淡い恋心を感じた頃、女性側から彼と付き合い始めたことを打ち明けられた。他の皆は驚きつつも祝福し、女性だけの飲み会ということもあり結婚までいくのかどうかという話で盛り上がった。
彼の恋物語に私の出番はなかった。あの時は飛び出していく前で良かったと思っていたのに。